ボックス外からの攻撃と4-4-2との相性

 いろいろと大きなニュースが出ているジェフですが、時間やタイミングの関係もあって順次取り上げていこうと思います。
 長崎戦後にも話した、ジェフの相手ボックスの外からの攻撃。
 12分には、以下のようなシーンがありました。

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 下平のアーリークロスに、クレーベが合わせてヘディングシュートを放ち、ゴールの左にそれたシーン。
 白い四角で示した相手ボックスの外から、シンプルにクロスをあげてゴールに迫ることのできた場面でした。

 その前には、中盤後方でパスを繋いでいます。
 図のように工藤が熊谷、鳥海とパス交換をし、左サイドで繋いでいます。
 黄色い矢印で示したように、工藤は相手ボックスの外まで下りてきて、ビルドアップに絡んでいることになります。


 手倉森監督は以前から実施していたのでしょうが、アトレティコ・マドリードやレスターが一時成功を遂げたころから、コンパクトな4-4-2からのカウンターが流行っている印象です。
 4×4でボックスを作ってスペースを消し、その中にボールを入れさせない。
 それによってゴール前を守ることを第一にしつつ、そこから外へと守備に出ていく形だと思います。

 ボックスの中にボールを入れさせなければ、ゴールへの距離は遠くなるし、精度の高いパスは出せない。
 だから、サイドの大外などは、ある程度ボールを持たせてもOKという発想でしょう。
 しかし、ジェフの場合は下平が大外からでも高精度のクロスを上げらてしまうので、そこからチャンスが作れてしまう。


 さらにクレーベはゴール前で孤立していようとも、相手を外せていなくても、相手に競り勝ててしまう。
 特にこの日の長崎は本来SBの徳永と本来MFの黒木でしたから、わかっていてもクレーベを止められない状況だったと思います。
 4-4-2ではしっかりとCBが跳ね返せることが大事だと思いますし、長崎としては怪我の少ない本職のCBが来季はほしいところなのかもしれません。

 ジェフは相手ボックスの外から下平がクロスを上げて、相手ボックスの中で勝ててしまうクレーベで攻撃を作れてしまう。
 だから、4-4-2相手のチームには相性が良く、水戸などにも勝てたのかもしれません。
 逆に5バックの相手には弱く、その結果として山形に苦戦したとも言えるのではないでしょうか。


 特に違うのは下平で、フリーな状況なら低い位置からでも高質なクロスを上げられますが、相手DFに寄せられるとドリブルなどで抜き切れるタイプではない。
 だから、5バックで横幅を5枚で守られ、大外にも相手選手がいる状況だと下平からのクロスが難しくなり、チーム全体も苦戦するところがある印象です。
 あるいは4-4-2であってもその辺りを把握し、下平を警戒されると苦労するところがあると思います。

 大外の下平のクロスからクレーベのヘディングシュートがジェフの強みになっていることは変わりませんが、長崎戦では中盤後方でもパスを回すことが出来たことが、今までの試合との違いだったのではないでしょうか。
 図でもわかるように、ジェフのボランチ付近に対して、呉屋、玉田の守備が緩かったことによって、そこで楽にボールを動かすことが出来た。
 普段はもっと走れるチームだと思うのですが、モチベーションにも問題があったのか手倉森監督が言うように「なんとなくホームで大丈夫だと」思って油断していたところがあったのか、覇気のなさもあってジェフが戦いやすい状況になっていたところがあったと思います。


 チームの現状を考えると残り試合も少ないですし、下平からクレーベのホットラインで、外からガツンと相手を殴るサッカーを続けるというのが無難なところなのかもしれません。
 ただ、クレーベも最近は怪我が心配で、イエローカードを抱えている状況ですし、下平もベテランでコンディショニングには怪しいところがある。
 2人とも代わりとなる選手がいない状況となっているだけに、不安がないわけではないと思います。

 さらに相手が5バックだったり、下平を警戒される状況だと苦戦してしまうところもある。
 それだけに1シーズンを通して安定してこれで戦えるとは思えませんが、残り試合だけならやり切れるかもしれません。
 本来はそこを見せつつそれ以外の形を作りたいところでしょうが、長崎戦でもクレーベが2ゴールに絡んでいるように、現状だとそこを武器に戦っていくことが現実的なところなのかもしれません。