柏の4-1-4-1によるボールカット

 試合後にも話しましたが、今回の千葉ダービーは柏の4-1-4-1がハマった試合でもあったと思います。
 ざっくり図で説明すると、このような感じで。

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 ヒシャルジソンと江坂のインサイドが、ジェフのボランチへとプレスをかけつつ、CBへも追いかけていく。
 この2人のプレスが、まず強力だったと思います。
 これによって、オルンガが守備でさぼっても問題なくやれていた印象です。


 さらに左右の白円で示したように、柏のSHがジェフのSBをマークする役割。
 先週も取り上げましたが、これがボックスの4-4-2だと4枚で横を分担しなければいけないので、SBへのケアが遅れることがある。
 しかし、4-5-1なら中盤が5枚なので、SHがSBをケアしやすいということですね。

 加えて、三原が1ボランチで工藤を見る役割を果たす。
 これによって、バイタルエリアもしっかりと埋めて、対応できていたと思います。
 図の白円を見てもわかるように、トップ下、ボランチ、SBと中盤のすべてを相手に埋められて、ジェフは攻撃を作れずに終わってしまいました。


 後半から出場した堀米は、「三原の横を突きたかった」と話しています
 確かに1ボランチならそこを狙うのがセオリーとも言えるのでしょうが、実際にはそんな隙はあまりなかったと思います。
 例えば、39分にはこのようなシーンが。

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 米倉が鳥海にパスを出したところで瀬川にパスカットされ、そこからカウンターを受けて右サイドの江坂から鋭いクロスボールを上げられたシーン。
 江坂のボールは合いませんでしたが、あわやもう1失点といった展開でした。

 この場面ではまず熊谷がプレスを受けて、横に米倉に繋がざるを得なくなったわけですが、熊谷に激しくプレスにいったのはクリスティアーノでした。
 流れの中でポジションが入れ替わっており、クリスティアーノが熊谷に寄せに行った後に、さらに米倉にも寄せに行き、2度追いをしています。
 それによって米倉は慌ててパスを出さざるを得なくなり、同時に寄せていった瀬川がパスカットしたという流れでした。


 ここでは2人がうまくプレスをかけたことになるわけですが、2人がサイドにチェックに行く分、中央で三原がサイドに寄り、ヒシャルジソンがその穴を埋めるべく、若干下がって中央に位置取りしていた。
 これによってダブルボランチの4×4のような状況になり、さらにボールサイドにはクリスティアーノもいるような状況でした。
 それだけボールサイドには数的な余裕が生まれるわけですから、思い切ってボールにアタックしやすくなる。

 こうやってヒシャルジソンと三原がスムーズにバランスを取っていた印象で、堀米は「三原の横を狙いたかった」と言っていますが、そう甘い状況ではなかったと思います。
 なお、ジェフが左サイドから攻め込むときは、本来は左インサイドだった江坂と左SHの瀬川が積極的に動き回ることによって、スペースを埋めていたように思います。
 ヒシャルジソンほど賢くスペースを消していたわけではなかったようにも思いますが、そもそもジェフは左サイドから攻め込んだら縦にばかり攻め込むわけですから、そこまで気にしなくても良かったのかもしれません。


 最終的にはヒシャルジソン、三原、江坂がトリプルボランチになって試合をクローズしていましたが、その他の時間帯も含めてスムーズに4-1-4-1を実行していた印象で、普段は4-4-2のチームとは思えない出来だったと思います。
 最後は大谷でも入れて守備固めをするのかなと思いきや、柏の交代カードは負傷したクリスティアーノと、CB同士の交代だけ。
 1枚交代枠を余らせての勝利ということで、余裕をもって終わった試合だったのでしょう。

 片やジェフの守備は柏の39分のシーンのように誰かがチェイスに行って誰かがボールをカットするという展開もほとんどないし、誰かがサイドに流れたら誰かがカバーするという動きも少ない印象です。
 1人1人の守備に関しても緩い印象が拭えず、エースであるクリスティアーノがこのように球際で奮闘しているのを見ると、やはり個々の意識が甘すぎるのではないでしょうか。
 総じて組織面においても、選手個々においても大きな差を感じてしまう千葉ダービーだったのではないかと思います。