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選手の強みを活かせず山口に2-3の敗戦

 試合前にも話しましたが、似た者同士の戦いになったかなと思います。
 どちらも前への意識は高いのでしょうが、雑なプレーが多くミスが目立つ。
 ただ、少し違ったのは、山口は仕掛けて勝負をした結果のミスが多かった一方、ジェフは勝負を仕掛ける前のミスが多かったことでしょうか。

 山口の方が全体的にアグレッシブで、積極的な印象を受けました。
 そこは若い選手が多いこともあって、意欲的に戦えていたところもあったのかもしれません。
 一方のジェフはベテランが多いにもかわらず、最後まで試合を落ち着かせることが出来ず、自分たちの良さを打ち出せなかったように思います。

■バタバタした展開で1-1を取り合う

 ジェフは前節柏戦と同じスタメン。
 控えには増嶋、矢田が復帰し、乾と勇人が外れました。

 山口も前節と同じメンバー。
 夏に川崎から宮代、G大阪から高、磐田から金沢でも活躍した石田をそれぞれレンタルで補強し、この日もスタメンで起用。
 元ジェフの健太郎もスタメンに入っています。


 7分、早くも山口が先制。
 高井が左サイドでカットインしてシュートを放つと、三好が飛び込みブラインドになったのか、優也の横をかすめてゴール。
 優也の対応も悪かったですが、米倉の対応も甘かったですね。

 しかし、11分にはジェフが同点にします。
 米倉からのスルーパスをアランが受けると、そのままクロスを上げてクレーベが頭でゴール。
 対面のCB前は172cmということで、188cmのクレーベとは明らかにミスマッチでしたね。


 試合は予想通り、似た者同士の戦いに。
 どちらも細かいミスが多く、ボールが落ち着かない展開。
 しかし、山口の方が宮代と三好のプレスと、左サイドからの攻撃で攻め込んでいきます。

 22分には山口の攻撃。
 中盤からのパスを受け、高井が左サイドで裏を抜けマイナスのクロス。
 最後は後方から飛び出してきた高がパスを受け、ミドルシュートを放ちますがGK優也が横っ飛びでセーブ。

 26分にも山口の攻撃。
 中盤で健太郎と高がワンタッチでパスを繋ぎ、宮代からのスルーパスを受けた川井がクロス。
 フリーになっていた三好が頭で合わせますが、ジャストミートせず。


 36分、ジェフの攻撃。
 左サイドでボールを奪ったところから、中盤の熊谷が中央へ供給。
 低い位置で受けたクレーベが胸トラップからシュートを放ちますが、枠を捉えきれず。

 41分、山口にもチャンス。
 菊池からのパスを受けた高が横に繋ぐと、健太郎がワンタッチで縦パス。
 そこから宮代がキープして新井を振り切りシュートを放ちますが、ゴールの左を逸れます。

 その後もバタバタした展開は変わりませんでしたが、スコアは動かず。
 1-1で前半を終えます。

■一時は勝ち越しも逆転負け

 後半に入ってから、ますます山口が押し込む展開が続きます。
 ジェフはカウンターを狙うものの、チャンスを作れず。
 一方の山口も攻め込んでもラストパスの精度を欠き、決定機には至りません。

 すると63分、ジェフの攻撃。
 左サイドで長い距離を為田が持ちあがり、中央へグラウンダーのパス。
 クレーベが受けてミドルシュートを放ちますが、GK吉満がキャッチ。


 その直後、ジェフが勝ち越し点。
 米倉からのアーリークロスに対し、クレーベが折り返してアランがゴール。
 この場面でもクレーベは前に競り勝って、アシストしたことになります。

 67分、山口は健太郎を下げて山下を投入し、三好がボランチに。
 68分、ジェフはクレーベを下げて寿人を投入。
 72分、山口は高井を下げて田中を起用。


 74分、山口の攻撃。
 三好からの縦パスから、池上、山下とつないで、最後は石田がまいたシュートを狙います。
 しかし、ゴールの左を逸れます。

 78分、石田を下げて工藤を投入し、川井を含む3バックに変更。
 その直後、山口の同点ゴール。
 三好がダイレクトで浮き球のパスを上げると、高が落として山下がうまくトラップしシュートを決めます。


 83分、ジェフは鳥海が足を痛め矢田を投入。
 85分には工藤を下げて増嶋を投入。
 ジェフも3バックになりました。

 しかし、88分、山口が勝ち越し点。
 池上が左サイドからのCKを蹴ると、宮代が増嶋の前を取って頭で合わせます。
 最後は田中が競って2-3。

 ジェフはエベルトを前線に上げてパワープレー。
 しかし、エベルトを活かせることもなく、敗戦となりました。

■選手の持ち味を出せた山口と課題が目立ったジェフ

 フォーメーションも同じでしたし、似た印象のあるチームの戦いではなかったかと思います。
 ただ、初めにも話した通り、山口の方がアグレッシブだった印象です。

 この日の山口のプレスは宮代と三好が横に並んで、2人でプレスをかけることが多かった。
 2人ともしっかり追えるためどちらもファーストディフェンダーになれるし、2人同時にプレスをかけることも出来て、そこから追い込んでSHなども守備に絡んでいく。
 それによってジェフはビルドアップが出来ず、長いボールの増える展開になっていったと思います。


 それに比べると、ジェフの守備は工藤1人が守備のスタートなので、どうしてもプレスに穴が生まれる。
 工藤などベテランでも走ることのできる選手はいますが、若い選手の多い山口に比べると、やはり前への推進力や機動力は劣っていたと思います。
 その分、高さやうまさを活かせればよかったのでしょうが、それができていなかった印象です。

 山口がスタメンで前がCBとして起用されるとわかった時点で、そこにクレーベを当てれば高さでは勝てると思っていました。
 実際、そこからジェフの2ゴールが生まれているわけですが、それ以外ではそこを狙った攻撃はほとんど作れなかった。
 しかも、クレーベを下げて寿人を投入したことによって、その勝てるポイントも手放してしまったことになります。


 一方の山口は、ワンタッチのパスを効果的に使ってきました。
 司令塔である三好はもちろん、健太郎などもワンタッチパスが得意な選手。
 そこから間で受けるのが得意な宮代が受けて前を向く形で、テンポよく攻撃を作っていきました。

 さらにサイドからマイナスのクロスも多かったですが、これも高さではジェフのCBでは勝てないものの、前線や中盤の機動力や技術力など山口の選手の特徴を活かす攻撃になっていたと思います。
 一方のジェフは後半途中から守備固めということで、増嶋を投入して3バックに変更しました。
 しかし、その分、中盤から前の人数が少なくなり、さらにプレスが効かなくなって山口の中盤やサイドを押さえられなくなってしまった印象もありました。


 全体的にジェフは選手の強みを引き出しきれずに終わってしまい、スタミナや守備力、機動力など課題の方が目立ってしまったように思います。
 同じようなサッカーをしていても、結果的に良さを出せたのは山口で、ジェフは悪い方が出てしまった。
 そうなると、2-3での敗戦も当然ではなかったかと思います。

 選手の覇気も感じられませんでしたが、それは柏戦でも同じことだったと思います。
 そうであるのなら、スタメンの入れ替えを検討してほしかったように思うのですが、同じ11人で戦い、同じような問題が出てしまった。
 山口戦では2点取れたとはいえ、そこは相手の穴でもあったと思いますし、全体的なチーム状況としてはかなり厳しい流れとなっているように思います。