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何をしたいのかわからないまま11月へ

 山口戦後、似た者同士の戦いになったものの、相手の方が選手の強みを活かせたのではないかと話しました
 どちらもプレッシングサッカーと言えるのではないかと思うのですが、山口は前線の宮代と三好がしっかりと強度なプレスを継続できていた。
 そこで思ったのですが、以前にも指摘したように、そもそもクレーベを起用してプレッシングサッカーを構築しようというのが無理があることなのではないでしょうか。

 さらに言うと、今季はエスナイデル監督でスタートしたはずですが、エスナイデル監督は最後までハイプレス・ハイラインを実施したかったのだろうと思います。
 しかし、そのためには前線から追い続ける選手が必須なはずで、クレーベでは厳しかったのではないでしょうか。
 クレーベ獲得時に、私はこのような話をしています

動画を見てみると、188cmの長身ですが足元でのシュートがうまく、直接FKも蹴るようです。
また、空中戦で競り合うときに身体がぶれない印象があり、体幹も強い選手なのではないでしょうか。
ただ、自分で突破するような動きは見られず、敏捷性に優れた選手ではないようにも見えます。
(中略)
今年もハイプレスを実行するのであれば守備力やスタミナなども求められると思うのですが、スピードがないのであれば守備面が不安材料になるのかもしれません。

 動画で見た限りではありましたが、強さがあり足元の技術もある選手。
 しかし、スピードがあるタイプではないように見えたで、この段階ですでにハイプレス実施には不安が残るのではないかと話しています。
 また、「他にCFタイプがいないだけに、もしクレーベが外れたらどうするのか」とも書いています。

 クレーベは期待以上の得点力を見せてくれているとは思うのですが、それ以外においては予想通りだったのではないかと思います。
 ようするに加入前から、守備への不安は考えられたことであるということ。
 エスナイデル監督の方が江尻監督以上にハイプレスへのこだわりを持っていたと思いますし、もしエスナイデル監督が続投していたらさらに悩ましい状況になっていたのかもしれません。


 改めて、フロントは今季のチームに対して、何を期待したのでしょう。
 そもそもエスナイデル監督のハイプレス・ハイラインは昨年の段階でほぼ実現できていなかったわけですが、それ以外のサッカーをするのであればエスナイデル監督である必要はないでしょう。
 その上でそのサッカーにそぐわない選手をさらに補強しているとなれば、うまくいかないのも自然な流れ。

 昨年までラリベイ、町田でプレスをかけていたところがあるわけですが、2人が抜けても継続的にプレスをかけられる選手の補強はなかった。
 本気でハイプレスを実現するのであれば、山口の前線のように走れて追える選手が何人も必要だったはずですが、それもせずにハイプレス・ハイラインを期待していたというのであれば、計画性がないと言わざるを得ないのではないでしょうか。
 もちろんエスナイデル監督からの補強オーダーもあったのかもしれませんが、2年目でうまくいかなかった監督を3年も引っ張った時点で、フロントが主導して改善を図らなければいけなかったはずです。


 その上でさらに、今季途中から指揮を執っている江尻監督に対しても、何を求めていたのかはっきりとしない。
 高橋GMと江尻監督のコメントからはスタイルの継続を目標に掲げたようにも思えますが、そもそも2年以上うまくいかなかったスタイルを継続するというのが無理難題だし、エスナイデル監督を解任した上で継続を目指す必要性がわからない。
 結果的に江尻監督就任以降は、目指すべきスタイルや目標もはっきりとせず、やたらと長い消化試合になってしまったように思います。

 11月に入って残り4試合となりますが、結局今季は何をしたいのかわからず、江尻監督に何を求めたのかもわからないまま、シーズンが終わってしまいまそうです。
 残り試合でそれが見つかるとも思えませんし、江尻監督自身も何をしたいのかが見えてこなかった。
 もはやチーム単位ではなく、選手個々や局面で来季につながる何かが見つかれば…という淡い希望を抱く段階にあるある印象ですが、それすらも厳しい状況ということになるのではないでしょうか。


 さて、ジェフの残り4試合を確認したいと思います。

11月3日(日)  金沢  フクアリ 10位
11月10日(日) 東京V フクアリ 13位
11月16日(土) 京都  たけびし 7位
11月24日(日) 栃木  フクアリ 21位
 11月はホームでの試合が多い上に、中位以下のチームとの試合が主となります。
 最後の月に勝ち点を稼げるでしょうか。

 ただし、京都はPO圏を争う位置にいますし、栃木も残留争いに残っている可能性があります。
 さらに、東京Vとは激しい試合になることが多いイメージも。
 そして、現在10位の金沢も良いチームになっていると思います。


 14勝14分10敗の勝点56で6位岡山との勝点差7と、PO進出は厳しくなってしまった金沢ですが、前々節は山形に1-0、前節は長崎に4-2と現在2連勝中です。
 クルーニー、垣田、小松など長身FWへのロングボールとサイド攻撃が印象的ですが、それによって相手を押し下げるとしっかりと楔のパスからの攻撃も展開できるチームとなっています。
 カウンターからも遅攻からも、明確な狙いを持ったサッカーが構築できていると言えるのではないでしょうか。

 さらに守備時もプレスとリトリート守備を使い分け、GK白井やCB山本を中心に粘り強く守っている印象です。
 中盤が若干押し込まれやすい気もしますが、攻守において真面目にサッカーをしているチームと言えるのではないでしょうか。
 基礎がしっかりとしていてやるべきことをやるチーム作りをしていることもあって、垣田、大石、山本、石尾、大橋、小島、長谷川など、多くの若手選手が伸びているチームでもあると思います。


 対するジェフは、2連敗中。
 しかも、失点が非常に多い状況になっています

10月6日(日)  千葉 1-4 山形
10月12日(土) 長崎 0-2 千葉 
11月20日(日) 千葉 0-3 柏
11月27日(日) 山口 2-3 千葉
 こちらは10月の成績ということになりますが、2-0で完封勝利を遂げた長崎戦以外は全敗。
 しかも、3敗ともに3失点以上と、酷い成績になっています。
 単純に局面の守備が緩く、組織的にも問題がある印象です。


 また、細かいところで言えば、ジェフの選手と選手の間を取られて失点することが多いように思います。
 例えば柏戦では熊谷が米倉に譲るような形で江坂にミドルシュートを放たれ、船山とエベルトがお見合い状態になって三原に間を取られて失点。
 さらに、山口戦でも米倉とアランの間を通されて、高井にゴールを奪われています。

 それだけマーク役の選手が集中力を欠き、粘り強く守れていないという問題が1つ。
 もう1つにはチームとして、チャレンジ&カバーの関係が作れていないのではないかという疑問があります。
 それは守備においては基礎中の基礎だと思うわけですが、それすらできていないチーム状況になっているということなのかもしれません。


 細かなことを言っていてはキリがないとも思いますが、その細かなことが出来ていないのが現在のジェフ。
 やるべきことをやれていない、戦うべきところで戦えていないということになれば、結果が出ないのも当然のこと。
 基礎を大事にしている印象がある金沢とは、対照的なチーム状況となっているのかもしれません。

 そこはチームビルディングや組織的な問題も、大きいのではないかと思います。
 その一方で、選手においては気持ちの面で、問題が起こっているのではないかといった印象も受けます。
 ただ、そこは選手個々の問題、あるいはリーダーシップの問題なども大きいと思うわけで、チーム作りの部分とは別に考えるべきではないかとも思います。


 個人的には山口戦前にもすでに考えていましたが、バッサリとメンバーを入れ替えてもいいのではないかと思います。
 気持ちは入っていないけれど能力が高いので残している選手もいるのかもしれませんが、それではチームのためにも個人のためにもならないのではないか。
 しかし、負けるのが怖いので、大鉈を振るうことはできないということでしょうか。

 けれども、このままでは江尻監督は、今回監督に就任をして何も出来なかったことになってしまいます。
 最後くらいは、漢気を見せるべきなのでは…と個人的には思います。
 厳しい状況には変わらないでしょうが、残り4試合はそれぞれのプライドと将来をかけて戦ってほしいですね。