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為田「点を取れなかったことは仕方がない部分もある」

 東京V戦、選手など含めて前向きな評価が多かったと思いますが、船山は「今日は守備だけしかできませんでした」と厳しいコメントを出しています。
 単純に悔しい試合展開だったというのもあるのかもしれませんが、結果だけではなく内容に満足できなかった部分もあるのではないでしょうか。

 為田はカウンターが相手の弱点だとわかっていた、怖いプレーを見せたのジェフの方だったと話しています。
 確かにゴールに迫れた回数は、どちらかと言えばジェフの方が多かったのかもしれません。
 ただ、相手のマークを外してシュートを放てた確実な決定機はどちらのチームも1,2回程度でしたし、両チームともに完全に崩せたと言える場面は限られていたと思います。


 また、船山が厳しい評価を下しているのは、相手のミス絡みによる攻撃が多かったこともあるのかもしれません。
 例えば試合序盤の船山からクレーベのシュートも梶川のボールロストからですし、前半終盤の為田のクロスからこぼれ球を堀米が拾ってシュートを狙ったシーンも、目立ちはしませんがGK上福元の対応ミスと言えると思います。
 GKのパンチングはただ弾けばいいというだけではないわけで、弾いた距離と方向に問題があったシーンだと思います。

 もちろん、今回の試合展開ではジェフがカウンターを狙うサッカーになっていたわけですから、相手のミスを待つ流れとなるのは自然なことでもあると思います。
 ただ、相手がいるのがサッカーであり、この日の東京Vはイージーなミスが多かったわけですから、そこは差し引いて考えるべきところだと思います。
 東京Vは後方での単純なパスも少しずつずれる場面も目立ち、それによってパスワークのリズムが少しずつ遅れていた印象で、パスサッカーを追求するためにはそういったところから不足している部分があるのでしょう。


 ジェフは先月も長崎相手には2-0で勝利したものの、前後の山形には1-4、柏には0-3と大敗を喫しています。
 特にシーズン終盤のこの時期は、チームの力が明白に違ってくるところがある印象ですから、相手の状況も加味した評価・分析が求められるのではないでしょうか。
 もちろん悪いばかりの試合ではなかったことも事実ではありますが、J2下位チーム同士らしくどちらも力強さはあまり感じず、決め手に欠く試合内容だったと思います。

 船山は守備においても、「選手個々の力で奪った感じ」と評しています。
 確かに昨日も話した通り、相手が3バックになった途端、プレスがハマらなくなったところから見ても、完璧に整備されたプレスだったとは言いにくいのかもしれません。
 単純に数的同数で追いかけてボールを奪っただけで、組織的に複数人が絡んで相手を追い込んで奪うというような守備にはなっていなかったとも捉えられるでしょう。


 プレスと言っても、前を数的同数にしてマークをはっきりとさせて個々で追っていくのか。
 それとも少人数でいわゆる"マークのぼかし"もしながら、組織的に追い込んでいくのか。
 あるいは、高い位置でボールを奪うことを優先するプレスなのか、前を向かせず大事なエリアに供給させないことを優先するプレスなのか、様々な考え方があると思います。

 それだけに少し前の話になってしまいますが、江尻監督が柏戦後に「相手のプレスを受けてパスミスする場面が目立っていたが」と記者に聞かれて、「僕は(相手は前から)来てなかったと思います」と答えていたのは、若干の違和感も覚えました。
 確かに柏は複数人で前にプレスをかけて、高い位置でボールを奪いに行くようなプレスはかけていなかったのかもしれない。
 しかし、柏戦後にも話しましたが、前からある程度チェイスしてサイドに追い込み、そこで圧をかけてボールを奪う展開は目立っていたと思います。


 ようするに、がむしゃらに追いかけて高い位置でボールを奪う動きだけがプレスではなく、効率よくパスコースなどを消しつつ相手を追い込む守備もプレスと言えるはずだと思います。
 その辺りの認識が若干ずれているというか、エスナイデル監督時代にはハイプレスを実施してきたためか、そればかりに認識が偏っている部分があるような気がしないでもありません。
 いずれにせよ、東京V戦でのジェフは無失点で終えられたとはいえ、効率のよいの堅守を構築したとまではいっていないように思います。

 為田は「点を取れなかったことは仕方がない部分もある」、「1年間の中ではそういった試合もある」とも話しているのですが、正直ちょっと甘すぎないかなと思います。
 これがもし優勝や昇格・降格のかかった試合だったとしたら、同じようなコメントを言えたのかどうか。
 もちろんネガティブなばかりではダメでしょうしあえて前向きに捉えることも大事ではあるのでしょうが、このままの順位で行けばクラブ史上ワーストを2年連続で更新することになることを、もう少し真摯に受け止めてほしいところではないかと個人的には思ってしまいます。