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勇人最終戦でも今までの課題が目立ち0-1で敗戦

 金曜日にもお話ししていた通り、日曜日は親族の結婚式に参加させていただいて、栃木戦は見に行けませんでした。
 更新も遅くなり、申し訳ありません。

 ジェフは今季最終節でもあり、勇人の現役最終戦でもあった栃木戦でも、これまでと同じ課題を感じる内容だったと思います。
 攻撃ではサイドばかりで中央を突くことが出来ず、守備でも集中力を欠く時間帯が出てしまってその時間に失点。
 クラブ史上最低成績の17位で、終了となってしまいました。

 早くもユン・ジョンファン監督の来季就任が発表になりましたが、監督が変わることですべてが完全にリセットされるわけではないでしょう。
 良くも悪くもどこかで引きづってしまうところはあるでしょうし、特に守備で集中力を欠く問題は守備的なサッカーを構築する上では致命的な欠陥ともなりかねません。
 ユン監督1人にすべての改善を期待するのではなく、今季の課題をしっかりと分析した上で、来年への準備をしなければいけないと思います。

■栃木が堅守で試合を抑え込む

 前節京都に敗れたジェフは、堀米に代わって見木がスタメン出場。
 スタメン予想もあった現役最後の勇人はベンチスタートで、佐藤ツインズがサブに。

 栃木は元韓国代表GKユ、岩間、菅などが負傷中。
 ユウリが怪我から復帰する予想もありましたが、ジェフ戦でもメンバー外で前節と同じスタメンに。
 ジェフ宇都宮スクール出身の西谷ツインズも、ベンチに入っています。


 試合は予想通り栃木が守備的に戦い、カウンターを狙う展開。
 ジェフは後方でボールを持たされる形で、シュートチャンスを作れません。
 栃木は最終ラインにはボールを持たせて良いという判断で、縦パスや長い横パスが出たらプレスに行くという守り方でした。

 停滞状態が続く展開でしたが、13分にはジェフの攻撃。
 為田がハーフウェイラインから中央で持ち上がり、右サイドへパス。
 見木が一人をかわしてミドルシュートを放ちますが、GK川田修平がセーブ。


 その後は若干栃木のラインが下がって、ジェフがハーフウェイライン前後でボールを回せるようになりました。
 しかし、シュートまで持ち込めない流れは変わらず。
 逆にジェフ後方のスペースも増して、栃木がカウンターを仕掛けやすい状況にもなっていき、いくつか攻撃の形を作ってきました。

 35分にはジェフの攻撃。
 左サイドの大外から、下平のアーリークロス
 船山が頭であわせますが、シュートは力なく枠を外れます。


 41分には栃木の攻撃。
 左サイドから右サイドへと繋いでいき、久富がアーリークロス
 大﨑が落として榊が飛び込んで合わせますが、オフサイドの判定。

 その後もお互いに決定機は作れず、スコアは動かずに前半を終えます。

■守備の集中力を欠き0-1で敗戦

 後半も流れは変わらず。
 栃木が守ってカウンターを狙い、ジェフがボールを持ってチャンスを窺う展開。

 52分、ジェフの攻撃。
 中盤左で得たFK。
 下平が蹴ると、米倉がフリーになって合わせますが、枠の外。

 56分には栃木の攻撃。
 左サイド後方からのFKを、瀬川が蹴ってゴール前に。
 ヘニキが頭で落とし浜下がつないで、ヘニキがシュートを放ちますが、枠を捉えきれず。


 63分にはジェフのチャンス。
 ビルドアップ時に、CBの位置に移っていた下平からのロングキック。
 船山が頭で落として、クレーベがミドルシュートを放ちますが、GK川田がセーブ。

 67分、ジェフは見木を下げて勇人を投入、船山が右ウイング気味になって工藤がトップ下に。
 同時にエベルトが負傷交代し、増嶋を起用。
 68分、栃木も榊を下げてベテランの大黒を投入。


 その直後に栃木が先制。
 久富からのロングスローを一度はジェフが跳ね返しますが、栃木が拾うと久富がクロス。
 ニアで大﨑がつなぐと、ファーの田代がフリーで飛び込んでゴール。

 72分にも栃木の攻撃。
 久富が為田をかわしたところから、外に開いた浜下へ。
 浜下が中央に繋ぐと、ニアの大﨑が受けてシュートを放ちますが、GK優也の正面。


 77分、栃木は瀬川が負傷交代し、川田拳登を投入。
 右SBに川田拳登が入って、久富が左SBに移りました。
 81分、ジェフは小島を下げて寿人を投入し、工藤がボランチに。

 栃木は大黒が入って攻撃の起点が増えましたが、プレスは甘くなりました。
 その分ジェフはボールを前に持ち運べるようになったものの、シュートまでは持ち込めず。
 相手の守備を前に苦戦する状況が続きます。


 90分、セットプレーからジェフの攻撃。
 左サイドからのCKを船山が蹴ると、ニアでクレーベが合わせます。
 新井が飛び込みますが、触り切れず。

 91分、栃木は大﨑を下げて西谷和希を投入。
 試合終盤はジェフがパワープレーでCK時にはGK優也も攻撃参加しますが、チャンスは生まれず。
 最後は大黒が前に出ていたGK優也の裏を狙ってシュートを放ちますが、枠には飛ばず0-1で栃木が勝利しました。

■攻守における課題を改善できず17位で終了

 公式記録でのシュートはジェフが6本で、栃木が7本。
 栃木は守備的ではありましたが、シュート数でも上回り、総合的には栃木の試合だったと思います。
 栃木はこれで順位を上げ、残留圏内の20位で終えたことになります。

 栃木は4-4-2の構えた守備で、ジェフの後方にボールを持たせる形ではありましたが、そこから前には簡単に出させない。
 パスコースを消しながら、状況に応じて前にプレスをかけていく。
 これによって、完全には押し込まれない守備を構築していました。


 また、プレスの掛け方も約束事がしっかりとしていたと思います。
 2トップとSHでチェイスに行く形ですが、SHが前に出たらFWは下がって相手ボランチへのコースを消す。
 慎重なプレスで高い位置でボールを囲い込むことは難しいかもしれませんが、危険なところにはボールを入れさせない堅守が出来ていたと思います。

 また、後方でもクレーベへ潰しに行ったら、必ず誰かがカバーする。
 あるいは、前に潰しに出た後も素早く戻って、ポジションを埋める。
 降格のピンチに立たされたからこそ、意識の高い守備が出来るようになった部分もあるのかもしれませんが、少なくともジェフ戦では良いサッカーをしていました。


 それに比べるとジェフの守備は無理にプレスに行って交わされることが多いし、後方のポジショニングがアバウトで選手の間にコースが出来てしまう場面も目立つ。
 失点時もこれまでにも課題として感じていた、サイドと中央の選手間のスペースで相手に触られた形でした。
 また、その後ファーの田代もぽっかりと空いていましたし、前後のプレーからしても守備の集中力を欠いた時間帯が出来てしまっていた印象です。

 また、栃木はジェフ対策も、しっかりとしてきた印象でした。
 特に左サイドの密集に対しては、躊躇なく全体がスライドして対応。
 基本的にジェフの左サイド攻撃は選手が集まり、余った選手を使って攻めていく印象ですから、相手もそこに人数をかけさえすれば対応しやすい。


 よく言えばオシム監督も好んでいた、数的優位を作る形ではあるのですが、それが現在のジェフでは左サイドだけなので怖さがない。
 右サイドでも中央でも攻撃を作れているのであれば武器となりえるかもしれませんが、左サイドに密集するだけなのであれば、相手もそこに人を集めればいいだけの話し。
 数的優位を作って相手を混乱させることを主眼とするのではなく、為田や下平を活かすため結果的に左サイドに密集しているだけといった印象なので、チームとして数的優位を作ること・活かすことに対してこだわりを感じないところが大きな課題となっているように思います。

 この日のジェフはビルドアップ時にエベルトと下平のポジションを入れ替えたり、為田と下平が外と中でポジションを変えたり、船山が右サイドでウイングのようにプレーして米倉を使ったりと、少しずつ工夫をしていたようには思います。
 しかし、そういった工夫もサイドに関してばかりで、ボールは外をなぞるばかりで、中央には入ってこなかった。
 だから、最終的には大外からのクロスしかなく、相手を怖がらせるには至らなかったように思います。


 これらが今季のジェフにおける、攻守においての課題でしょう。
 守備ではプレスをはめきれず、最終ラインのポジショニングも不安定で、集中力を欠いてしまう時間帯が出来てしまうこと。 
 攻撃ではサイド攻撃ばかりで中央から形が作れないため、左サイドを人数で封じられると怖さを失ってしまうこと。

 そういった課題が、最後まで解決できなかったことが非常に残念ですね。
 最後は2連敗、3試合勝ちなしで終了。
 内容を踏まえても当然の成績と言えるでしょうし、強さを感じずに終わってしまった1年だったと思います。