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江尻前監督が東京V強化部長に就任

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 江尻前監督が、東京Vの強化部長に就任したと発表されました。
 新体制発表会でも江尻さんと勇人の去就は発表されなかったので、どうなるのかと思っていましたが意外な展開ですね。
 今オフは監督交代以外、GMの去就なども含めて動きが少なかっただけに、これが一番のビッグニュースになるのかもしれません。

 個人的には以前にも何度か話していたように、江尻さんは監督としては厳しい印象もありましたし、ジェフに残ってもコーチ業からは離れるべきではないかと思っていました。
 しかも、トップコーチを務めて2度もシーズン中に監督のバトンを渡され、ジェフも「困った時には任せればいい」と江尻さんをいいように使っていた印象すらありました。
 一方で江尻監督は一度目の監督時に有望な若手を自ら補強してきたという話もありましたし、GMとしての残留も考えられるのではないかと思っていました。
 さらに現状の成績低迷を考えればGM交代もあり得る時期ではないかと思ったのですが、クラブにはその気を感じなかったですね。


 あるいは、コーチ業にこだわりがあるのであれば、ジェフを離れて他チームで指導者として再スタートを切るべきではないかとも思っていました。
 現状でジェフのコーチとして残ったとしても、どうしても慣れ合い感が残ってしまいますが、他クラブでコーチからリスタートして監督に昇格でも出来れば自力で這い上がったと評価されるかもしれない。
 しかし、まさか他チームで、いきなりGMを務めるとは思ってもいませんでした。

 いずれにせよ、現状のままジェフに残っても外からは守られているように思われかねないし、江尻さん自身にとっても良い選択だったのかもしれません。
 東京Vならアカデミーなど、さまざまなノウハウがあるでしょうし、良い勉強にもなるのではないでしょうか。
 もちろん、ライバルチームに移転したからにはもう戻ってきてほしいとは簡単には言えませんし、あちらでの成功を祈るばかりですが。


 東京Vと言えば、現在は横浜FMのスカウトを務めているという話もある、元ジェフの昼田さんも強化部長などを務めていました。
 さらに羽生英之社長もJRからジェフのクラブ立ち上げ時に出向していた人物で、意外と内部はジェフとのつながりが少なくない状況です。
 そういったつながりもあって、江尻さんが招聘されたのかもしれません。

 ただ、現在のクラブは、羽生社長がチーム強化で主導権を握っているという見方もあります。
 さらに、同時に発表された新GMには2018年末に東京Vの株式を取得したゲーム会社アカツキから人材が抜擢されたそうで、それで竹本GMが女子部担当に移されたのかもしれません。
 経営基盤が苦しい状況だからこそのゴタゴタもあるのかもしれませんし、江尻さんも難しい立ち回りを求められる可能性もあるのかもしれませんね。


 ジェフと江尻さんの話に戻ると、監督退任時に「今後の役職は決定次第お知らせします」と発表しているだけに、クラブは江尻さんを残す予定だったのでしょう。
 ただ、その役職が気になるところで、GMも監督も空いていないし、U-18も朝岡監督続投で決まりでしょう。
 もう主要な役職は残されていないことになるわけで、今まで通りトップコーチを務めるのか、その他の役職に左遷のような形で移るのか…という状況だったのではないかと思います。

 そう考えていくと、江尻監督の判断でジェフを出たことには間違いないのかもしれませんが、出ていかざるを得ない状況だったのかもしれません。
 もちろん、出会いがあれば別れもあるのが人生ではあります。
 確かに現状だけを考えれば江尻さんが他チームに活躍の場を移すことは決して悪いことではないとは思いますが、一方でそもそもなぜこうなってしまったのか?とまで考えると、複雑な思いが残らざるを得ないように思います。


 残念なのは選手・コーチとして古河時代から長く在籍し、30年近くジェフに貢献してきた人物のコメントを、ジェフがとってこれなかったこと。
 いくらライバルチームに移籍するとはいえ、相手チームと同時に東京V強化部長就任を発表できたということは、全く連絡が取れない状況ではなかったはず。
 他チームの移籍・人事情報を多数見てきましたが、今の時代に大事なニュースで本人のコメントがないなんてことはほぼあり得ないわけで、ジェフはどこかずれているように感じてしまいます。

 ジェフはSNSなども含めて他会社に委託するようになったのか、ネット広報も華やかになってきました。
 しかし、何よりも大事なのは、心が通っているように感じられるかどうかではないでしょうか。
 長く在籍した功労者という意味では、今後のクラブに現れるかどうかといったレベルの存在だと思うだけに、最後のコメントくらいはしっかりとケアしてほしかったなと思ってしまいます。
 ともかく、今年からはライバルということになりますが、東京Vでの新たなチャレンジに向かって頑張ってほしいですね。