乾が水戸へレンタル移籍 溝渕、古川、杉山も再レンタル

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 年始に発表された移籍関連の話を、まとめて取り上げたいと思います。
 まず、乾がレンタルで水戸に移籍することとなりました。
 
 桐生第一から高卒新人として2015年にジェフに加入した乾は、これまでサイドでのプレーが多かったですが、2019年には3バックの左CBとしてスタメン出場を経験しています。
 これは江尻監督が左効きのCBにこだわっていた印象がある上に、エベルトではスピードに懸念があったことが大きいのではないかと思います。
 3バックの左右CBは外に出ての対応も求められますし、左WBには攻撃的な為田が入っていたこともあって、その後方を埋めなければならず、乾が抜擢されたのではないでしょうか。


 CBとしての乾は、思った以上に可能性を感じさせていくれたと思います。
 187cmの長身を生かした高さはCBとしても発揮できていましたし、懸念されたビルドアップ面でも何度かボランチの足元に良いパスを入れていました。
 パスの判断スピードや自発的に展開するプレーなどはまだまだといった印象でしたが、CBとしての経験が浅いことを考えれば仕方のないところもあったと思います。

 守備対応においても強さなどを発揮できていたと思いますし、エベルトよりは敏捷性で優れていたと思いますが、ポジショニングなどでは課題も感じました。
 人に付くのかスペースを守るのかといった部分の判断でバタバタするところもあり、それもあってネット上での評価も下がっていたのかもしれません。
 ただ、そもそもジェフはチームとしての守備組織に大きな問題があり、特にカウンター時に人数が足らずCBが苦労することも多かっただけに、CB経験の浅い乾ばかりを責められない状況だったと思います。

 結局、乾はCBとして7試合にスタメン出場しますが、チームは波に乗れず4バックに変更。
 4バック変更直後も左SBでプレーしていましたが、下平にポジションを奪われる形で出番がなくなっていきます。
 2019年の乾は13試合に出場し、スタメンは10試合という成績で終わっています。


 個人的には乾が守備やビルドアップなどを学ぶためにも、3バックのCBで経験を積むのは悪くないのではないかと思っていました。
 ただ、実際には上記した通りエベルトに課題が多く、他に選手が居ないため乾にお鉢が回ってきた印象で、消極的な理由での起用法だったように思います。
 江尻監督は第一次監督時にもそうでしたが、他に選手が居ないと仕方なく若手を使うことが多い印象です。

 そういった状況では若手がのびのびとプレーできないし、試合においても乾が周りの尻拭いをするような展開になってしまった。
 これでは若手選手が育つのも難しい状況ですね。
 これはエスナイデル監督時代も似たようなところがあり、結局ここ数年で育った若手選手というのはほぼいなかったように思います。


 もちろん乾ももう23歳で、そろそろ若手とは言い難い状況です。
 ただ、ジェフは戦力の平均年齢が高いですし、レンタルバックした岡野も22歳、高橋も21歳ということで同年代と言えるでしょう。
 その中で一番実績があるのは、2017年に大きな怪我がありながらも25試合に出場していた乾ですし、その乾がレンタルで放出され、岡野と高橋がレンタルバックしてきても、手放しでは喜びにくいところがあります。

 その2017年には湘南のキジェ監督がJ2ベストイレブン乾を選んでくれたほどですし、守備には懸念があるものの左利きで高さもドリブルもクロスもあるSBというのはあまりいないと思います。
 その乾を最初に抜擢したのも組織的な守備を構築できる長谷部監督時代でしたし、尹監督の下で飛躍する若手有力候補だと思っていました。
 それだけに、水戸へのレンタル移籍は正直残念です。


 安田は早々に残留を決めたので契約が残っていたのかもしれませんが、鳥栖時代に尹監督の下で左SBのレギュラーだったことも大きかったのかもしれません。
 ただ、それも2014年のことであり、あれからもう6年もの月日が経ち安田も32歳。
 しかも、同ポジションには安田がG大阪時代に定位置を争った同年代の下平がいるわけで、30歳以上の選手2人が1つのポジションを争うことになるかもしれません。

 右SBにも同年代の米倉がいるわけで、果たしてその状況が健全と言えるのかどうか。
 どうにも選手構成が、安パイ過ぎるような気がしてしまいます。
 それが神戸なら"買うクラブ"を追求できて結果も残せるのかもしれませんが、ジェフは"買うクラブ"にしてはJ2以上J1未満の中途半端なクラブですから…。

 幸いにもコメントではジェフに復帰したいという乾の思いを感じますし、武者修行先として水戸は良い選択ではないかと思います。
 もっとも武者修行先と言っても水戸は2年連続でジェフより上位で終わっていますし、昨年は7位という好成績を収めたこともあって今オフは選手の流出が目立っています。
 チームが苦戦すれば選手も苦労することになりますし難しい年になりかねないようにも思いますが、そこで存在感を発揮して飛躍の一年としてほしいですね。


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 続いて、溝渕が栃木にレンタル移籍となりました。
 栃木にはジェフを退団した菅原コーチが加入しましたので、菅原コーチが溝渕を評価して移籍となったのでしょうか。 

 昨年は松本にレンタル移籍しJ1での挑戦となったものの、リーグ戦での出場はなしと悔しいシーズンになってしまいました。
 ただし、カップ戦には出場しており、4月24日のルヴァン杯清水戦ではプロでの初ゴールも決めています。
 溝渕は2017年に慶応大からジェフに加入し、初年度で13試合に出場、2年目も15試合に出場していますから、栃木では貴重な戦力として評価されるのかもしれません。


 ジェフには米倉もいるとはいえ、全体的な高齢化は深刻な状況です。
 それだけに25歳と溝渕も中堅年代とはいえ、右SBの第二候補としてジェフに戻すのかと思っていました。
 しかし、ゲリアも契約が残っていたのか残留が決まったことで、再レンタルになったのでしょうか。

 もともとジェフの右SBには北爪がいましたが、2017年には溝渕の加入もあって北爪の出場が減少し横浜FCへ移籍しています。
 北爪は横浜FC加入初年度から活躍して、昨年はJ1自動昇格に大きく貢献した上、このオフには柏に乞われて移籍しました。
 ジェフとしては結果的に北爪より溝渕を選ぶような形になったにもかかわらず、溝渕をなかなかものにすることができず、結局ベテランの米倉を呼び戻しているわけですから、一言で言えばやり方が下手ですね。


 もちろん個々に課題はあって北爪も足元の技術はもう1つだったり、溝渕もサイズの面などに課題があるのかもしれません。
 しかし、横浜FCはそこを我慢して北爪を使ったところぐんぐんと成長していった印象ですし、何より縦へのスプリントという北爪の良さを活かしていった。
 一方でジェフは上記した通り若手がベテランのフォローをすることも多いですから、それでは若手育成もチームの成長も難しいですね。

 そういった状況も新監督の下でなら変わるのか…。
 ただ、相変わらずベテランは多く上は詰まっている状況ですから、その中で若手の眼が出るのかという不安もあると思います。
 それらを踏まえた上で若手の将来を考えると、他チームへ移籍した方が良い…と思ってしまうところが、悲しいところです。
 栃木も昨年は下位に終わって楽な状況ではないとは思いますが、まずはチームに貢献できるよう頑張ってほしいですね。


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 古川は昨年8月から、JFLの三重へとレンタル移籍していました。
 JFLの情報はなかなか集められず心配もしていたのですが、13試合に出場し3ゴールを決めたとのこと。
 半年という期間を考えれば、悪くない成績ではないでしょうか。

 レンタル先で結果を残して、レンタル延長ということで古川としては良い選択なのかもしれません。
 将来的にジェフに戻れるのか…という疑問はありますが、それでもまずは試合に出て結果を残すことで、他への道も含めて開けてくるのではないでしょうか。
 JFLのレベルが本人にとって妥当なのかどうかはわかりませんが、三重もJ3入りを目指しているようですし、チームと共に活躍してほしいと思います。


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 最後に富山にレンタル移籍していた杉山が、讃岐に再レンタルとなりました。
 杉山も富山では1試合も出場できていません。

 それだけに、復帰を希望する声も見かけましたが、個人的には再レンタルでも仕方ないだろうと思っていました。
 2017年に加入した杉山はジェフでもほぼ実績がないですし、プロ入り3年目となる今年も出番がなければ将来が危うくなりかねません。
 順番からすればまずは乾を独り立ちさせたいところだと思っていましたし、現在のジェフはあまりにも選手数が多すぎる印象ですから、そこに杉山を戻しても埋もれかねないと思います。


 ただ、再レンタルのタイミングは新体制発表後でした。
 富山で試合に出ていないことも考えると、讃岐の要望で移籍するというより、ジェフ側が移籍先を探していたのかもしれません。
 それだけに、どこまで戦力として評価されているのかといった不安はある気がします。

 C契約最終年となる大事なシーズンですし、何とか出場会を得たいところですね。
 ジェフでも1年目に3試合出場しており、可能性は見せてくれていたと思うので、このままではもったいないと思います。
 ジェフは若手をレンタルで出しても戻って戦力になることはほとんどないのでその点では期待薄ですが、特に若手はまずは実績を作ることが大事だと思うので移籍先で頑張ってほしいですね。