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2019シーズンを振り返る 小島秀仁&矢田旭編

 今日は一気に、小島と矢田の2人を取り上げます。
 先週お休みしてしまったため計画にずれが生じて、ちばぎんカップまで時間がないというの理由としてあります。
 しかし、昨年のこの2人に関しては、セットで考える部分も多かったので、ちょうどいいかなと思います。


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 2018年にジェフに加入した小島は25試合に出場しましたが、2019年は怪我もあって16試合出場にとどまりました。
 しかし、2018年にセンスを感じたところがあるだけに、怪我だけでなく内容に関しても残念な印象が強く残っています。

 昨年の小島は開幕戦となった古巣愛媛戦こそスタメン出場を逃しますが、第2節新潟戦、第4節水戸戦などではスタメンで出場。
 しかし、スタメン出場した第5節京都戦で負傷すると、そのまま長期間チームを離脱することとなってしまいました。
 怪我人が多かったこともありますが、開幕戦愛媛戦、第3節山口戦でも途中出場を果たしていただけに、この怪我は大きかったですね。

 ただ、シーズン序盤の出来もあまり良くはなかったと思います。
 チームの状態が悪かったことも大きかったでしょうが、守備時にボランチの裏を取られるとそこへの戻りが非常に遅かった。
 本人は守備を意識しているという話をしていたはずで、確かに局面では頑張っていたところもありましたが、裏を取られて全力疾走しないボランチは例え攻撃センスがあっても厳しいと思います。


 それでも怪我から復帰すると、第24節横浜FC戦からはスタメンに選ばれレギュラーとしてプレー。
 しかし、第31節新潟戦で負傷すると再びチームを離脱し、次の復帰は第41節京都戦となってしまいました。
 若い頃は負傷が多かった印象もありましたが、今年はまた怪我に悩まされてしまいましたね。

 それでも怪我さえなければボランチ有力候補で間違いないのだろうと思うのですが、シーズン中盤からのプレーもあまり目立たなかった印象です。
 シーズン中盤は後方に下がってボールをさばき、熊谷を前に出す動きもしていましたが、それでは小島の良さを発揮できず。
 シーズン終盤は飛び出しを意識的にやっていたようですが、これもそこまで効果的ではなかったと思います。


 確かに中盤の飛び出しなどは、チームに足りない動きだったようにも思います。
 ただ、小島の特徴はパスワークに絡んで、そこから縦パスを出して攻撃のリズムを変えたり、パスワークの中から飛び出す動きを見せて高い位置に侵入することではないでしょうか。
 あくまでも小島のプレーの基盤はパスワークに絡むことだと思いますし、そこを経由しないと良さも出てこないのではないかと思います。

 また、気になるのは自分からパスワークを構築できる選手になれるかどうかで、その点では工藤や田坂などベテランの方が出来ていた印象です。
 小島は愛媛時代にも藤田が横にいてボールを刈りつつパスも出してくれたため、縦パスを出す仕事に専念できていたのかもしれません。
 しかし、パサータイプの選手であることを考えれば、いつまでも周りにゲームメイクを期待するのではなく、自らがチーム全体を作っていかなければいけないでしょう。


 近年のジェフは、他チームで主軸になり切れなかった選手を中心に補強しています。
 確かに一芸はあるため、チーム状況が整っていれば良さを発揮できる選手もいる。
 しかし、自らチームを作り、チームをコントロールして引っ張っていける選手はいない状況だと思います。

 そこが今のジェフの弱さであり、大きな欠点なのでしょう。
 はたして今年はチームの中の1人ではなく、自らが率先してチームを牽引する選手が現れるか。
 小島もその他大勢で終わるのか、それともそのセンスを遺憾なく発揮して、チームの中心になれるかどうか。

 小島もまた尹監督のサッカーには、合わないタイプなのではないかという不安もあります。
 ただ、尹監督は新体制発表会ボランチ候補として、熊谷より前に小島の名前を出していたくらいですし、期待している部分もあるのかもしれません。
 小島のセンスを考えれば、2019年は攻守に物足りない内容だったと思いますし、ここからの復活を期待したいと思います。


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 矢田は2019年に29試合に出場と、小島より試合に出ていることになります。
 しかし、2018年は途中出場が多かったとはいえ40試合に出場していますし、大きく出場試合数が減少してしまいました。
 そして、何より昨年はシーズン後半の出番が少なく、尻つぼみで終わってしまった印象です。

 2019年シーズン序盤の矢田は、開幕戦でもスタメン出場し、熊谷とボランチコンビを組みました。
 その後は出番が少し遠ざかりますが、江尻監督就任後の第6戦福岡戦でボランチとしてスタメン出場を果たすと、その後も定位置を確保していきました。
 これは小島や熊谷、田坂など、その他のボランチ候補が負傷したことも大きかったのでしょう。


 転機となったのが第24節横浜FC戦で、この試合で小島が復帰したことにより、矢田は右SHに回されます。
 その直後には熊谷の出場停止などもあり一度はボランチに戻りますが、すぐにスタメンを外されてしまいます。
 その後、左右SHでスタメン起用される試合もありましたが、長くは続かず出場機会の少ないシーズン後半となってしまっています。

 小島も矢田もどちらも守備に軽さを感じますが、小島の方が守備時のスタートポジションで、しっかりバイタルエリアをケアしようという意識を感じる印象です。
 そこからの運動量は矢田の方が感じるのですが、矢田は身長170cmと高くないのに対し小島は身長177cm。
 江尻監督は小島の身長やスタートのポジショニングを評価して、一度だけワンボランチで試したのかもしれませんが、とはいえ小島も守備への参加という面で大きな問題があったわけで、やはり無理があったのだろうと思います。


 また、矢田はビルドアップの面でもさほど効果的には貢献できなかった印象で、小島や熊谷などと同様に自分からゲームを作るという点においては物足りなさもあった印象です。
 技術的には良いものを持っているし、他のボランチと違ってボールを持ち上がれるプレーも期待できる選手ではありますが、パスを散らす、守備をするという点はもう1つだったと思います。
 また、SHにおいても、全体的にあまり目立たなかった印象ですね。

 以前にも話したように、矢田の適正ポジションはインサイドハーフではないかと思います。
 ボランチとしては守備がもう1つでビルドアップもそこまで効果的に関与で来てはいないし、SHとしては打開力やチャンスメイクの部分で足りない部分がある。
 しかし、インサイドハーフならその間でリンクマンのように動けるし、するすると中央を持ち上がれる能力も発揮しやすい。


 ただ、どのチームもインサイドハーフのポジションがあるわけではないだけに、SHやボランチとしても強みを打ち出せるようにならなければいけないでしょう。
 尹監督はSHにも守備力を求めるかもしれませんし、守備のできるSHが少ないジェフにおいて、矢田は比較的守備でも健闘できる選手だと思いますから、そこでチャンスが生まれるかもしれない。
 そこで無難なプレーに終わるのではなく、強いアピールを出来るかどうかが大事ではないでしょうか。

 矢田は今年に入ってから契約を更新していますし、もしかしたら放出先を考えられていたのかもしれません。
 今季加入した見木もボランチとしては線が細く守備には不安があるものの鋭い仕掛けは持っていますし、若いライバルとなるかもしれませんね。
 矢田も今年で29歳ですから、正念場ということになるのではないでしょうか。