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2019シーズンを振り返る 熊谷アンドリュー編

 2月に入り、Jリーグ開幕もあと数日と近づいてきました。
 ブログでは多少強引に、今週中で昨シーズンの振り返りを終えたいと思います。
 なお、勇人に関しては引退時に取り上げており、茶島に関しても広島復帰時に話しましたので、ここでは取り上げません。

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 2019年の熊谷はスタメン34試合、トータルで35試合に出場。
 怪我などもあり出場試合数はクレーベ、為田、船山に次ぐチーム4番手でしたが、スタメン出場数と出場時間はクレーベに続いて2番目でした。
 2018年も40試合に出場していますし、2年連続でチームの主軸として戦っていることになります。


 しかし、チーム全体の状態が悪かったこともあって、熊谷自身もあまり良いイメージのない1年に終わってしまったのではないでしょうか。
 以前からブログでは話していますが、熊谷は決して守備がうまいというわけではないと思います。
 それがより明確に出てしまった、2019年ではないでしょうか。

 確かに熊谷はボール奪取の面で強さを発揮できているのは事実ですが、あくまでもそれはフィジカルが強く対人に強いという局面での話。
 もちろんそれも武器とは言えるのですが、自分から危険なエリアを見つけて対応したり、空いたスペースを埋めて周りのサポートをしたり、うまいポジショニングを取って全体のバランスをとったりといった、ボランチ的な守備のうまさはあまり感じない。
 だから、ジェフでもプレーしたパウリーニョに近いイメージで、外に飛び出して潰しに行くプレーは目立つけれど、逆に穴を作ってしまうこともある。


 エスナイデル監督時代にチームとしてハイプレスがはまっている時には、熊谷の対人の強さが発揮できていたところもあったと思います。
 前線からハイプレスがハマれば、アンカーの熊谷もボールの取りどころが明確になって、詰め将棋の最後のようにボール奪取に専念することが出来た。
 しかし、エスナイデル監督のサッカーも徐々に周囲から対策を取られて、ハイプレスがはめられなくなってくると、ボランチ自身がバランスを取らなければいけなくなって、熊谷の課題も目立つようになってしまった印象です。

 攻撃面でも技術はしっかりしているので、後方で左右にパスを回すことはできる。
 しかし、工藤や田坂など大ベテランたちのように、自分自身でゲームを作る、2手先3手先を読んだパスを展開するといったところまではいたらず。
 後方に下がってボールを受けることは多かったものの、左右に散らすだけであまり効果的な縦パスを出すことはできていなかったように思います。


 さらに2019年はシーズン後半から、チームの低迷もあって目標を失ったのか、自身に悩みでもあったのか精彩を欠いていたところがあったように思います。
 動きにもキレがなく、運動量やポジション修正も少なく、単純なミスも多かった。
 これは他の選手たちにも近いものを感じましたが、チームが苦戦する中でメンタル的な弱さも見え隠れしていたように思います。

 それでも熊谷が2年連続で主軸としてプレーしているのは、偏った選手構成もあって他にフィジカルが強くサイズのある中盤がいないことが大きいのではないでしょうか。
 さらに基本的な技術もしっかりしていて、パスも出すことが出来る。
 だからこそ、クラブとしてもメンタル面で成長し、チームを引っ張ることのできる存在となるように、2020年のキャプテンに任命したのかもしれません。


 どうしても厳しい評価となってしまう2019年の熊谷ですが、ボランチの位置から前に飛び出した時の力強さや存在感は感じられたのではないでしょうか。
 金沢時代に2列目で活躍したように、やはり本来は高い位置で活躍する選手なのではないかとも思います。
 守備においても中盤の底としては不安を感じますし、ダブルボランチで起用するにしても、より攻撃的なボランチとして起用すべきではないでしょうか。

 しかし、このオフに補強したボランチは田口ということで、田口獲得時にも話したように個人的には熊谷と似たタイプのように思えます。
 クラブとして熊谷に刺激を与えるため、あえてライバルを獲得した可能性もあるかもしれませんが、チーム全体としてのバランスはどうなのか。
 現代サッカーのダブルボランチは攻守を明確に分担することが少なくなってきているとはいえ、それはハイレベルな次元での話だと思いますし、果たしてこの2人でチームを成立させることが出来るのか。
 ライバルが現れたということは、その争いに敗れれば消えゆく可能性もあるということですから、キャプテンになったとはいえ気を引き締めて戦わなければいけない1年ということになりそうですね。