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ちばぎんカップ 尹監督体制で注目する4つのポイント

 さて、明後日はいよいよちばぎんカップが開催されます。
 新型コロナウイルスへの懸念もあり11日に実施される予定だったキックオフフェスタも中止となりましたし、まずは無事開催できることを喜びたいですね。
 ACLも一部延期が決まりましたし、Jリーグにも影響を及ぼす可能性があるのでしょうか。

 開幕前にお話ししておくと、今年も試合直後のブログ更新はいつアップできるかわかりません。
 特に日曜開催は時間的に厳しいことも多いので、月曜中には更新できるようにしたいと思います。
 …と、毎年話しておいて、試合直後に更新していることも多いのですが、念のため(笑)

 ともかく、今年もあまり無理ないようにやっていきたいと思います
 特に現在はまだ家の方がバタバタしていますので、ちばぎんカップ後もすぐに更新できないかもしれません。
 よろしくお願いします。


 さて、今年はフクアリ開催となるちばぎんカップ
 対戦相手の柏は、昨年J2優勝でJ1昇格を果たしています。
 2010年ほど圧倒的な強さではなかったかもしれませんが、選手のポテンシャルは高くそれが徐々にまとまっていった印象でした。

 今オフの柏は退団の噂があったオルンガの慰留にも成功した上、呉屋、仲間、戸嶋、大南、高橋祐治、キム・スンギュ、元ジェフの北爪などを積極補強。
 これだけ選手が多いと、マネジメントの面で問題が生じる懸念もあるかもしれません。
 そこにエスナイデル監督や江尻監督も苦労したのではないかとも思いますが、経験豊富なネルシーニョ監督ならその点での不安はないということでしょうか。


 2019年のリーグ戦での対戦では、初戦が0-2、2戦目が0-3とジェフが柏に完敗。
 順位だけでなく、直接対決でも実力差を見せつけられてしまいました。
 ただ、開幕前のちばぎんカップに関しては、2-2でPK戦の末に6-5でジェフが勝利しています。

 柏では2度目の指揮を執っているネルシーニョ監督ですが、前回指揮を執っていた時もちばぎんカップには照準を合わせていない印象がありました。
 ブラジル人監督らしく、本番を優先した調整をしているのかもしれません。
 そのため、明後日も柏がどれだけの状態でくるのか未知数なところがあります。


 対するジェフは、今年から尹監督が就任。
 2月1日まで沖縄キャンプを実施していました。
 練習試合などのメンバーも非公開で情報は少ないですが、以下に練習試合の結果をまとめてみました。

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 トータルでの成績は、2勝1分3敗となります。

 ちなみに、3-0で勝利したFCセリオーレは沖縄県1部のチームだそうで、22日には町田と対戦し0-10で敗れています。
 また、京都は出場選手からしてジェフ戦はサブ組で、同日行われたG大阪戦が主力組だろうと思われます。
 あまり芳しくはない結果ですが、この時期ですからさほど気にすることはないのでしょう。

 ただ、ハードトレーニングが言われてた割には、意外と練習試合は少なかった印象もあります。
 厳しい監督ということでオシム監督になぞらえる声も出ていましたが、オシム監督時代はこれでもかと練習試合を組んでいましたから、アプローチ方法は異なると言えるでしょう。
 もちろんだからといって失敗だとは思いませんが、今回に限らずあまりにも簡単にオシム監督との類似点を上げる傾向には疑問も感じます。


 今はまだ新チームを見ていないので、詳しいことは言えません。
 そのため、気になる注目ポイントを4つに分けて考えてみました。

■バランスの良い堅守を構築できるか

 尹監督ということで、やはり注目は守備。
 浦和との練習試合後にも以下のような記事が出ており、守備的なサッカーをしていた様子が伺えます。

この日は千葉も4-4-2システムで噛み合った状態であり、かつ相手は積極的にプレスをかけずブロックを構築した守備ラインを引く傾向にあった。(サッカーダイジェスト

千葉も4-4-2システムでブロックを作った状態だっただけに、浦和がボールを持つ時間が長くなったものの、クロスの本数に対してシュートまで行ける場面は少なかった。(Football ZONE

 守備的なサッカーを目指すことに関しては問題ないですが、引いてばかりでは問題が生じるかもしれません。

 近年のジェフ戦を思い返しても、相手が単純に引いてくるだけなら跳ね返えされてもすぐ奪い返して再び攻め込むという展開で、相手をサンドバック状態にすることが出来た。
 現代サッカーではDFからの攻撃が当たり前になっているため、守備を固めるチームであっても、DFへのプレスは必須となっている印象です。
 ようするに、引いて守るだけではなく、そこからプレスもかけてバランスよく守る必要性があると言えるでしょうし、そういった戦術が組み込めるかどうか。


 また、そういった戦術面が尹監督によって構築できたとしても、選手がそれに応じられるかもポイントになるはずです。
 エスナイデル監督体制で獲得した選手の多くが残留し、攻撃的な選手が多い印象ですし、守備的なサッカーに対応できるのか。
 能力的な部分はもちろん、我慢して耐えうる守備のメンタリティも問われることになるかもしれません。

■クレーベを使いこなすことができるのか

 先日も話した通り、昨年のクレーベは17ゴールを決め、攻撃において重要な存在となっていました。
 特に高さに関してはわかっていても止められないほどの強さがあり、上で紹介した記事によると浦和戦でもシンプルなクロスからヘディングでゴールを決めているようです。
 ただ、一方で守備面には大きな不安が残り、チェイスをかけるスピードも運動量も課題があって、2度追いなども期待できない。

 昨年もクレーベのところからチャンスを作られることが多く、この課題はすぐには改善できないでしょう。
 いくらボックス守備を形成したとしても、ボックス守備は一ヵ所でも問題があると、そこから穴が出来て守備の漏れが生まれてしまう。
 だからこそ、4-4-2で堅守を構築したレスターで、運動量豊富で守備のできる岡崎が重宝されたのでしょうし、世界的に見てもFWの守備力は重要なものとなっている印象です。


 あるいは全員で守るのではなく、走らないクレーベを周りがサポートする形で、チームを作っていくのか。
 柏も昨年後半のジェフ戦から守備に課題のあるオルンガをフォローするため、4-1-4-1にしてインサイドが懸命に走る形にシフトしました。
 しかし、そうなればチームに大きなメスを入れることになるし、それを実現できるだけの柔軟性が戦術にも選手にも問われることになります。

 または、いっそクレーベを諦める形になるのか。
 そのための川又という可能性もあるでしょうし、この点はすぐには結論は出ないかもしれません。
 しかし、ケンペスもラリベイも2年目は成績を落としていますし、昨年17ゴールを上げたとはいえ今年も活躍するとは限りませんから、どう扱っていくのか注目ですね。

■若手の台頭は見られるか

 以前にも話した通り、ジェフは選手の高齢化が不安材料の1つとなっています。
 特に戦力となっている選手の年齢が高く、若手の出場時間が短い状況です。

 例え尹監督によって今年1年で土台を作るプランだったとしても、選手構成がベテランばかりでは来年以降の伸び代は期待しづらい。
 ベテラン中心の方が無難なチーム作りはできるし、早期の結果も期待できるかもしれませんが、その後は停滞・低迷となるかもしれません。
 そこはクラブがどういった計画を立てているかにもよるはずですが、クラブのビジョンは例年通り不透明なままといった印象です。


 若手で期待されるのは、尹監督も新体制発表会で名前を上げていた岡野や昨年可能性を感じさせた見木などになるでしょうか。
 その他にも本村、高橋、チャン・ミンギュ、本田、相澤、ソロモンなどが在籍しているわけですが、実績の少ない選手ばかりなだけにいきなり戦力として大きな期待をするのは現実的ではないように思います。
 乾なども抜けてしまいましたし、可能性のある若手が少ないことが大きな問題となっている印象です。

 そんな中でも尹監督が、新たな若手を見出してくれるのか。
 監督にすべてを託すのもどうかとは思いますが、尹監督の抜擢力や育成能力にも期待ということになりますね。

■カウンターからの攻撃を作れるか

 尹監督は新体制発表会でも「最大限速く相手ゴール前に迫るサッカーを目指す」と話しています。
 このことからも、やはり堅守からのカウンターが目標となってくるのでしょう。

 ただ、昨年はなかなかカウンターが作れず、これが昨年苦戦した大きな要因の1つではないかと思います。
 チームとしてカウンターの型を作れなかったのが、まず第一の問題。
 もう1つには選手側の課題もあると思います。


 個々の振り返りでも話しましたが、前線の軸だったクレーベは高さやうまさはあるものの、スピードや個人での打開力はないタイプ。
 そのため、カウンター時も自身で突破してシュートというような展開は少なく、カウンターとは相性が良いように見えました。
 さらに2列目の選手もチャンスメイクはできても得点力のあるタイプは少ないだけに、速攻には向いていなかったように思えます。

 尹監督が個人技での得点力に任せず、組織的なカウンターを作れるタイプなのかどうか。
 あるいは選手に合わせて、カウンター以外の攻撃を構築できるのか。
 浦和戦でもあまり攻撃は作れなかったようですし、攻め返せなければ防戦一方の展開にもなりかねませんから、堅守を目指すとはいえ攻撃面も当然重要となってきますね。



 以上が新チームに対して、気になる4つのポイント。
 何せ苦戦した昨年から選手は変わっていないですし、スタイルも攻撃から守備に大きく振ることになるわけですから、どうしても不安な部分の方が多いですね。
 尹監督に期待したい反面、尹監督も魔法使いではないわけですから、全ての課題を1人で解決してくれるわけではないでしょう。

 昨年は選手1人1人の課題も多かったと思いますし、個々の選手が変われるのかにも注目だと思います。
 まずはちばぎんカップ
 開幕に向けて、希望を感じられる試合になってほしいですね。