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オシム監督の弟子ポポヴィッチ監督が率いる町田対甲府戦

 Jリーグが延期しなければ、第2節でジェフが対戦するのは町田の予定でした。
 未だに再開の確定はなく、再開しても延期分がどこに入ってくるのか読めない状況です
 しかし、町田戦なども再開直後に行われる可能性もありえなくはないと思うので、今日は町田の開幕戦をチェックしていきたいと思います。


 町田は相馬監督が退任し、ポポヴィッチ監督が就任。
 ポポヴィッチ監督は現役時代にシュトルム・グラーツオシム監督の下でプレー経験のある人物で、引退後も懇意にしているそうです。
 広島時代に元ジェフの戸田がチャンピオンズリーグに出ていたコーチと1対1の練習をさせられたと不満を述べていましたが、それがポポヴィッチ監督(当時はコーチでペトロヴィッチ監督)で、そのチャンピオンズリーグに出場したのはオシム監督時代のシュトルム・グラーツのことです。

 広島のコーチ後は2009年に大分、2011年に町田、2012年からFC東京、2014年にはC大阪の監督を歴任し、2014-2015にはレアル・サラゴサの指揮も取りました。
 ちなみに、2011-2012にはエスナイデル監督がサラゴサBチームで監督となっていますが、成績不振で解任されています。
 その後もポポヴィッチ監督はタイ、インド、オーストリアで指揮を執ったそうですが、いずれも短期間の就任で終わってます。


 町田はオフに、GK増田、富樫、ロメロ・フランクなどが退団。
 開幕戦ではスタメンにGK秋元、CB水本、右SB小田、MF高江、SH吉尾とJ1からの加入選手が並び、セルビア人SHマソビッチ、元セルビア代表FWステファンも先発しました。
 個人的にはやはり元ジェフの水本が一番の注目で、今年はキャプテンを務めています。

 甲府は伊藤監督が継続しましたが、ウタカ、エデル・リマ、佐藤和弘、横谷、武岡、田中佑昌が退団し、小椋、松橋が引退と、ベテラン中心に入れ替わりを敢行。
 町田戦は4-2-3-1でスタートし右SB藤田優人、CBには大卒の中塩、ボランチに野澤、右SH松田力、左に泉澤、1トップに大宮でもプレーしたラファエルと、選手が大きく入れ替わりました。
 中塩は立正大出身で、ジェフは以前立正大と提携を結んでいたのですが、立正大はジェフと離れた後の方が強くなっている気もしますね…。

■序盤は町田ペースも甲府が盛り返す

 序盤は町田ペースで、町田がボールを持ち込んでいきます。
 甲府はウタカからラファエルに前線が変わったものの、1トップからプレスに関しては期待薄で、4×5で深く守る形は変わらない印象でした。

 8分には小田からのボールを、前線で起用された平戸がうまく引き出してキープ。
 マソビッチがGK岡西の前に走り込みますが、シュートを放ちきれず。
 その後も、町田が攻め込む場面が目立つ展開でした。


 町田は昨年までのようにコンパクトな隊形のままプレスをかけるサッカーではないものの、4-4-2のゾーンディフェンスでラインは綺麗な守り方でした。
 横のラインを大事にしながら追いかけていく印象で、昨年までのエッセンスもどこかに残っているのではないでしょうか。
 ボールを持つと細かなところではダイレクトで回し、そこから大きく展開する形で攻撃を狙っていきます。

 しかし、初のビッグチャンスを作ったのは甲府
 20分、中盤で松田がボールを奪ったところから、トップ下に入ったドゥドゥが泉澤を走らせるスルーパス
 GKと1対1になりましたが、湘南から加入したGK秋本がファインセーブ。

 そこからは甲府が巻き返し、30分過ぎからは甲府がボールを支配していきます。
 しかし、町田も無理にプレスはいかないものの、こまめに選手たちがポジション修正をしてコースを切って対応。
 甲府がボールを持たされるような時間帯も目立ち、得点は生まれないまま後半へ進みます。

■町田の猛攻を凌ぎ甲府が巻き返すも0-0

 後半立ち上りも甲府がボールを握っていましたが、50分頃からは再び町田のペースに。
 51分には町田の吉尾からクロスを上げると、マソビッチが足元で受けて狭いエリアを通し、ステファンが折り返し。
 最後はこぼれ球をマソビッチが狙いますが、甲府DFがブロック。

 56分にも町田のCKを平戸が蹴ると、水本が合わせますが、GK岡西がセーブ。
 劣勢が続いた甲府は、61分にラファエルを下げて新井を投入。
 ドゥドゥを1トップにした、3-6-1に変更しました。

 しかし、町田の攻撃は続きます。
 64分にも平戸のクロスからマソビッチが頭で合わせますが、これを藤田がブロック。
 不用意に手を上げた藤田がブロックしたようにも見えましたが、ハンドの判定は取られませんでした。


 甲府が町田の猛攻をしのぐと、70分過ぎからは甲府がボールを持つ時間になっていきます。
 82分には甲府が中盤で得たFK。
 ファーでフリーの松田が飛び込みますが、ジャストミートせず。

 後半ATには甲府の松田のクロスから、こぼれ球を途中投入の武田が拾ってミドルシュート
 しかし、ゴールの右隅にそれ、スコアレスドローに終わりました。

■町田の補強が当たった印象

 ある意味で開幕戦らしい、堅い試合になったように思います。
 町田は何人かの退団選手もあって、厳しいシーズンになるのかなとも予想していました。
 しかし、補強が当たった印象で新加入選手は良い動きを見せていましたし、十分に戦えるのかもしれませんね。

 横浜FMからレンタル加入したSH吉尾、鹿島からレンタル加入したSB小田はどちらも21歳でサイズは小さいですが、運動量豊富で守備に貢献。
 足元の技術も、しっかりしているようです。
 G大阪からレンタル加入した高江も、ボランチとしてしっかり守備で効いていた印象でした。


 さらに、FWステファン、SHマソビッチは高さもあって足元の技術も正確で、守備もしっかりとしてくれる。
 マソビッチ、吉尾がいるから、平戸を前線で起用することもできたのだと思います。
 ただ、ステファンとマソビッチはタイプが被る印象もあって、攻撃時の勢いや鋭さという点では、全体的に物足りないのかなとも思います。

 チーム全体で考えると、何よりも水本、秋元いったベテランが、最後尾でチームを締めてくれているのが大きいのではないでしょうか。
 昨年までの町田はCBなどの強さに物足りなさも感じましたが、水本はしっかりと跳ね返し、カバーリングもしていました。
 ビルドアップでも貢献できていてミスが少ない選手ですし、水本の存在は非常に大きいと思います。


 一方の甲府はウタカからラファエルに1トップが変わりましたが、印象は大きく変わりませんでした。
 昨年までは5-4-1であえて相手に攻めさせてでも、ウタカが走れるスペースを作り、そこからカウンターを狙っているのかなとも感じました。
 逆に遅攻には課題も感じ、この日もそれが出て苦労したところがあったように思います。

 ラファエルは大宮時代から変わらず、懐が深く体を折りたたんで足元でキープするタイプ。
 ウタカのように前に強く自分でも点が取れるタイプとは少し違いますから、昨年までのサッカーのままだとハマらないのではないでしょうか。
 試合終盤に巻き返せたのも、ドゥドゥやバホスを前線においてからでしたし、カウンター狙いならそちらの方がいい気もします。


 それでも粘り強い守備は昨年から継続。
 泉澤がビックチャンスを作ったシーンもありましたし、2列目をうまく使えれば…ということなのでしょうか。
 ただ、その場面でもラファエルは絡んでいませんし、前線の組み合わせが注目ですね。

 町田も前線のパンチ力はもう1つといった印象を受けましたが、新外国人2人のコンディションが上がってくればまた違うのでしょうか。
 個人的には町田の方が、可能性を感じた試合だったようにも思います。
 ただ、町田のホームでもありましたし、ここからどれだけ伸びていくかが大事なところですね。