群馬に見る前線からコースを消すことの重要性

 昨日取り上げた群馬対新潟戦。
 0-3で新潟が勝利した試合でしたが、前半は群馬の良さが目立った展開でした。
 群馬はタイトな守備から流れを作り、そこから前線にうまくボールを供給していきました。
 逆に言うと後半に入って苦戦し始めたのは、運動量も落ちて守備で厳しくいけなくなってしまったところが大きかったように思います。


 例えば17分のシーン。

f:id:aratasuzuki:20200317030245p:plain

 白の新潟は、ビルドアップ時にボランチの一角が下がって3バックを形成。
 左右CBが2トップの脇から、縦パスを狙う形を作っていきました。


 しかし、群馬の2トップである進と大前は、前からプレスをかけてコースを限定。
 この場面では、それでも舞行龍が進のプレスをかわして、縦パスを供給しています。
 舞行龍はこの日も強さだけでなく、パスの出し手としても目立っていました。

 ここでシルビーニョがスッと下がって群馬の中盤の間に入り、ボランチの秋山にダイレクトで落としました。
 そして、秋山はダイレクトで縦に速いパスを供給。
 左SHのロメロ・フランクが走り込みますが、左CB岡村と右SB船津のカバーによって、パスは通りませんでした。


 前半の新潟はCBからのパスをシルビーニョが下がって受けて落とし、それを受けた中盤の選手が縦に長いボールを供給して、2列目の選手が飛び出すというシーンが多かったと思います。
 ただ、その形は不発になることが多かった。
 この場面でも群馬は縦にボールを供給されていますが、危険なシーンとまではいかなかったと思います。

 黒い三角で示したように、群馬はしっかりと前から守備に行けていたので、相手のコースを限定できていた。
 そこから前にパスを出されたとはいえ、他にコースはなかったため、群馬後方の守備陣は相手の攻撃を予測しやすい状況だった。
 だから、その後の守備も対応しやすかったのだと思います。

 青い四角で表示したように、シルビーニョが下がって受けても、群馬のCB渡辺はしっかりと付いていき前へ潰しに来ていた。
 それによって、シルビーニョに前を向かせなかったですし、ボランチに落とすしか選択肢のない状況だった。
 さらにシルビーニョが落とすエリアは低い位置だったため、そこからダイレクトで前方にパスを出されても、距離があって怖くはない状況でした。


 しかし、後半の群馬は運動量が落ちて、前からのプレスも甘くなり、全体のラインも少しずつ下がってしまった。
 プレスが甘くなりコースが限定できなくなったことによって、CBが潰しに行けなくなってしまったし、新潟の選択肢が増えたことでさらに守備の圧力が分散してしまった。
 また、ラインも下がったことで、シルビーニョなどが高い位置でプレーできるようになった。

 このように前からプレスをかけるということは、前へパスを通さない、ボールを奪い切るといった狙いだけでなく、コースを限定することによって、後方の守備を大いに助けることになります。
 そこが出来なくなると、ただ跳ね返すだけ、ただ個人技で止めるだけ…といった状況になりかねず、守備陣の負担が増すことになる。
 それだけ前からのプレスというのは、重要だということですね。

 群馬も前半の守備が90分出来れば…と言いたいところではありますが、昨日も話したように新潟は全体的なフィジカルで勝っていた印象もありました。
 群馬はフィジカルコンタクトで劣勢に立たされたことが、ボディーブローのように効いていた印象もあるし、ただスタミナが持たなかったというだけではないかもしれません。
 それでも中盤の内田や宮坂は実績も十分にある選手達ですし、渡辺広大も含めてベテランが中心に粘りのあるチームが作れれば…といったところなのでしょうか。