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アグレッシブな展開が目立った岡山対金沢

 Jリーグ再開のめどはたっていませんが、ここまでくれば意地でもJ2開幕戦の全試合レポートをやりきろうと頑張っております。
 本日取り上げるのは岡山対金沢で、どちらも監督続投となったチームですが、現在のJ2で最も長く続いているのは、金沢の柳下監督と徳島のリカルド・ロドリゲス監督の4年なのだそうです。
 それだけどのチームも、監督選びに苦労しているともいえるのでしょう。


 今年の岡山は一森、武田、仲間といった主力選手が退団。
 開幕戦ではGKポープ・ウィリアム、左SB徳元、ボランチ白井、左SH上門といった新戦力がスタメンに入りました。
 今季加入した元ジェフのパウリーニョはベンチ外で、コンディション不良もあったようです。

 金沢は山本、沼田、加藤、小松、クルーニー、垣田と主力選手が流出。
 右SB下川、CB山田将之、左SB杉井、前線にルカオと大卒新人の加藤陸次樹が入りました。
 入れ替わりの激しかった金沢ですが、中盤は昨年から在籍するメンバーで固めます。

■ルカオのキープから金沢が優勢

 キックオフ直後、どちらもゴール前に迫る展開を作ります。
 6分には予備も含めたボールの空気圧が弱いということで、一度ゲームが切れる珍しい場面も。

 再開後は金沢ペース。
 金沢は鹿児島から加入した190cmのルカオの体幹強く、足元でのキープから攻撃を作っていきます。
 守備でも中盤での潰しが効いていました。


 19分には下川からの長いボールをルカオが受けて前を向きシュートを放ちますが、GKポープがはじき返します。
 その後は岡山も落ち着いていき、ボールを持つ時間が増えていきます。
 岡山も組織的な守備を中心に、サイドから持ち込んでいきます。

 27分には金沢のルカオが左サイドでボールを引き出し、大石、加藤とつないで、大橋がミドルシュートを放ちますがGK正面。
 31分には岡山のボランチ上田からのダイレクトパスを、山本が落として徳元が受けてシュートを放ちますがゴールの右。
 その直後には金沢の下川がサイド奥から中に侵入しシュートを放ちますが、GKポープがセーブ。

 その後もお互いにゴールに迫る展開を作りますが、ゴールは生まれず。
 0-0で折り返しとなります。

■イ・ヨンジェが決勝ゴールを上げ岡山の勝利

 58分、岡山が後方でボールを奪い、上門が中盤中央で長い距離を持ちあがりミドルシュート
 しかし、GK白井が触ってはじき出します。
 このプレーで得たCKを上田が蹴ると、イ・ヨンジェが足元で狙いますが、GK白井がファインセーブ。

 後半に入ってからも、攻守の切り替えが早く球際に激しいプレーが続きます。
 しかし、じわじわと岡山が攻め込む時間が長くなっていきました。
 岡山はサイドからパスを繋いで、ゴール前に迫る攻撃が中心。


 72分には、久々に金沢の攻撃。
 右サイドでパスを繋いで、途中投入の久保田が裏を取ってグラウンダーのクロス。
 大石がシュートを放ちますが、GKポープの正面。

 ゴールが生まれたのは80分。
 岡山の右からのCKを上田が蹴ると、ニアで濱田が触ってファーのイ・ヨンジェが足元で合わせます。
 そこからは、ビハインドの金沢が攻め込んでいきます。

 後半ATには途中投入の杉浦が前線でボールを引き出し、ルカオがシュート。
 しかし、シュートは力なくGKポープがキャッチ。
 終盤は岡山の守備の安定も目立ち、1-0で岡山が勝利しました。

■組織的に戦う岡山と若い戦力が目立つ金沢

 選手たちの運動量も豊富で、アグレッシブな展開が目立つ良い試合だったと思います。
 どちらも戦術的な狙いがはっきりしていたし、引き締まった内容になったのではないでしょうか。

 岡山は昨年同様、4-4-2で攻守に組織的に戦うチームだと思います。
 守備でもポジショニングが整っていますが、攻撃時も等間隔の位置取りを重視してボールを運ぶ。
 そこから動き出してローテーションし、相手ゴールに迫るのが特徴だと思います。

 前半は攻撃面で苦労した印象も強かったですが、後半からはテンポの良いサイド攻撃からチャンスを作っていきました。
 最後のところで誰が仕留めるのかが気になりましたが、この試合では上田からイ・ヨンジェと昨年までのラインでゴールを決めたことになります。
 また、終盤守りに入った時に隙なく相手の攻撃を封じ込めたことも、今後の試合を考えると重要なところだと思います。


 一方の金沢も前半は良かったですが、後半は運動量が落ちて押し込まれてしまいました。
 オシム監督時代のジェフもそうでしたが、マンマークで選手たちが疲れるとどうしても攻め込まれる時間が増えてしまいますね。
 ここが課題の1つといるでしょうか。

 また、全体的にパスが雑な場面が多かったのも気になるところです。
 ただ、攻撃時にはまず中央でルカオのキープを狙って、そこがダメならサイドの裏を取る狙いを感じ、複数のパターンがあることも見て取れました。
 前半はルカオ狙いが多く、後半からルカオが警戒されるとサイド攻撃が増えたことからも、状況に応じた使い分けを感じます。


 ルカオはフィジカルが強いだけでなく、相手を背負った状況での体の使い方も上手く、空中戦だけでなく足元でのキープ力も見せていました。
 さらに守備でも貢献していて、柳下監督がうまく使いこなしてくれそうな気がします。
 ただ、前への突破力はもう1つで、そこが鹿児島でも活躍しきれなかった要因かなと思います。

 藤村、大橋のボランチコンビは今年も健在で、下川、山田、杉井といった新加入のDFラインも活躍していました。
 杉井、石尾、大石、加藤、窪田、山根など10代後半から20代前半の選手が多いことも金沢の強みで、今後の伸び代に可能性を感じます。
 ただ、開幕戦も無得点でしたし得点面を改善できるかで、最終順位が大きく変わってくるのかなと思います。