新型コロナウイルスの影響で試合開催を延期しているJリーグが、大会方式の変更を発表しました。
まず、ここまでの経緯を振り返ると、先日ブログでも取り上げた通り、4月3日(金)に行われた「新型コロナウイルス対策会議」を経て、4月末からの段階的なJリーグ再開を白紙にすることを決定しました。
そして、4月8日(水)に正式に再開の延期と、今後の再開時期未定に関して発表しています。
その間にあったのが、日本政府による緊急事態宣言です。
4月7日(火)に東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県を対象に行われました。
5月6日(水)までの方針とはなっていますが、「さらに延長することもあり得る」とのことです。
もともとJリーグの村井チェアマンは、3月上旬の段階で緊急事態宣言が出るような状況になれば、その地域での試合は出来なくなる可能性があると発言していました。
また、全国に緊急事態宣言が出されれば、最悪の場合は全試合をこなせない状況も検討しなければらないという話もしています。
そして、昨日4月16日(木)、全国に緊急事態宣言の地域を広げる発表がありました。
これによって、今は完全にJリーグの試合を実施せず、耐える時期になったといえるでしょう。
それとは前後しますが、Jリーグは4月15日(水)に大会方式の変更を発表しています。
主な変更内容は昇降格についてで、J2からJ1への昇格も、J3からJ2への昇格も、自動昇格の2チームのみ。
J1参入プレーオフは行わないことになりました。
さらに降格もなしとのことです。
このあたりはすでに報じられていたもので、プレーオフの中止は日程的な問題も大きいでしょう。
そうであるのであれば、3チームの昇格も検討されるべきところでしょうが、降格はなしということで、2チームの自動昇格にとどまったのではないでしょうか。
3チーム昇格してしまうと奇数になってしまうし、J1のチーム数も過多になってしまいます。
降格がなくなったのは、新型コロナウイルスの影響で経済的に問題を抱えるクラブも想定されるため、下位カテゴリーにクラブを落とさない判断をしたのでしょう。
J1参入プレーオフがなくなると、J2としてもチャンスが減ることになりますが、そんなことも言っていられない状況だと思います。
そもそもJ1の16位とJ2からプレーオフを勝ち上がったクラブが対戦するシステムになって2年がたちますが、2回ともJ1のチームが勝ち残っていますので、もともとJ2クラブのチャンスは少ない状況だったと言えると思います。
また、J2、J3で上位2チームのクラブが上位カテゴリのクラブライセンスを保持していなかった場合、3位以下の繰り上げはしないことも発表されました。
昨年のJリーグの発表によると、例外措置を設けるなど若干ライセンス制度が緩くなったこともあって、ほぼ全チームがライセンスを持っていることになります。
ただ、どこも今年は経営的に厳しくなる可能性が予想されますので、それによってライセンス問題が発生する可能性もあるかもしれませんし、昇格が1チームとなった場合は来年奇数で開催される可能性があるということにもなりますね。
さらに各カテゴリーにおける全試合の75%以上、かつ各クラブの50%以上の試合を消化できなければ、大会は不成立となることも明記されています。
その場合は賞金などは支払われず、昇格などもなくなるとのことです。
賞金というのはDAZNの放映権料から支払われるものであり、その賞金が各クラブに支払われなくなれば、大きな問題となるはずです。
村井チェアマンは、DAZNから放映権料減額の話などは来ていないと主張しています。
しかし、その一方で大会不成立となれば、各クラブへの賞金は支払われないことになります。
そもそも大会不成立となればJリーグを実施できなかったことになるはずで、こういった状況もあって各スポーツ紙は放映権料にも大きな影響を及ぼすのではないかと報じているのかもしれません。
再開時期に関しては、4月15日(水)に行われた実行委員会で、6月、7月、8月案が検討されたと各紙が報じています。
www.sponichi.co.jp
複数の関係者によれば6、7、8月と3パターンの再開案がシミュレーションされたという。
75%消化のリーグ成立条件を考えれば「8月」はギリギリの線。
一方で日刊は7月からの再開が、現実的ではないかとも伝えています。
www.nikkansports.com
関係者は「7月再開なら、週2度リーグ戦を実施して代表活動中もリーグ戦やルヴァン杯をこなせば、なんとか年内に日程を消化できる可能性があるが、8月再開になると、リーグ戦の規模縮小など、大幅に日程をいじる必要がある」と話した
ただ、ウイルスがこちらの事情で落ち着いてくれるはずもないですし、理想通りに行くかどうかはわからないですね。
無観客試合に関する安全性に関しても、専門家で意見が分かれている印象がありますし、状況は読みにくいところだと思います。
例え現在の対応で一度は落ち着いても、自粛などへの緩みが生じれば再び蔓延する可能性があるかもしれませんし、慎重にならざるを得ないところもあるでしょう。
今はともかく耐えて、新薬やワクチンの開発、また医療現場に関わる方々の対応に期待するしかない状況だと思います。
多くの皆様が見えないところで大変な苦労をされているのだろうと思いますが、無力な私などは遠くから応援しつつ感染予防と外出自粛などに努めるしかないのでしょう。
一日も早く、現在の状況が改善されることを祈るばかりです。