当ブログはプロモーションを含みます

J2開幕戦全試合を見て気づいた5つのポイント

 今年のJ2開幕戦全試合を見たことで、気づいたポイントがいくつかあるのでまとめてきます。
 もっとも新型コロナウイルスの影響で実施されたのは開幕戦のみですから、まだまだ分からないこともあるでしょう。
 今後変化していくこともたくさんあるとは思いますが、まずはこの段階で見えてきたところもあったので、ここに記載しておきたいと思います。

■激しい接触がノーホイッスルに

 J2のみならず今季のJリーグにおいて大きく変わったのは、激しいコンタクトプレーがあっても、審判が笛を吹かずに流すようになったこと。
 これはJリーグが、今年の開幕前から通達していたことではありました。
 ただ、以前にもそういった話はあったものの、実際には変わらないことも多かったので、今年もそこまで大きな変化はないのではないかと思っていました。

 しかし、今季は明らかに激しいフィジカルコンタクトも流す傾向が見られ、選手たちも若干戸惑っているように見えました。
 これによってより激しいプレーが要求されることになると思いますし、選手やスタッフ、観客も慣れていく必要があるのかもしれません。
 特に選手においては、攻撃時にはしっかりと球際で踏ん張ること、守備側も激しく行きながらボールを奪うことが求められると思います。

■J2昇格組や小規模クラブはサイズが課題?

 北九州、琉球、群馬、愛媛など近年J2に昇格したクラブや小規模クラブは、組織的な良いサッカーをしていても、サイズの面で苦労していた印象です。
 以前は長身選手を集めて跳ね返しカウンターを狙うのが、昇格などを狙うにおいて一番の近道かと思っていたのですが、時代は変わったということでしょうか。
 あるいは、J3からJ2へ昇格するためには、小柄な選手を集めてパスを繋ぐサッカーが有効なのか。

 その分、スピーディでコレクティブなサッカーができていたようには思うのですが、今年の開幕戦を見る限りではサイズの面で苦労していたチームが目立っていたように思います。
 さらに、上記のように今年はハードなコンタクトを審判が流す傾向が見られましたから、さらに苦労する可能性もあります。
 限られた予算の中でチームの強みをしっかりと作ろうという意思を感じますが、どう課題に立ち向かっていくのかも重要ですね。

■走れる外国人FWの増加

 以前までのJリーグでは、守備などはしないものの、得点力や打開力などに秀でた外国人FWが多かったと思います。
 しかし、今季のJ2は磐田のルキアン、町田のステファン、マソビッチ、山口のイウリ、金沢のルカオなど、走れるFWが多い印象です。
 特にCFタイプが多く、ターゲットにもなれて守備もしてくれるというのは、チームにとってありがたいのではないでしょうか。

 これはJ2に限らず、欧州でも前線からの守備を求められることが増えたことによって、生まれた変化なのかもしれません。
 あるいは、守備をしなくとも強烈な得点力などを持ったFWなら成立するのでしょうが、それほどのレベルの選手はJ2では補強しにくいということでしょうか。
 献身的に走る外国人FWが、どこまで得点面で貢献できるのかにも注目だと思います。

■引いて守ってカウンターのチームが減少

 数年前までのJ2は後方に引きこもってカウンターを狙うチームが上位を占めることが多かったですが、現在はそもそもそういったチームが少なくなったように思います。
 これは後方からしっかりとビルドアップをするチームが増えてきたことによって、前からのプレスが必須となったからではないでしょうか。
 そこでプレスをかけられなければ、相手に主導権を握られ攻撃を作られてしまうし、ただただ耐えるサッカーとなってしまいます。

 そういったトレンドもあるからこそ、J2昇格組や小規模チームも長身選手を並べてカウンターではなく、小柄でも足元の技術のある選手を集めてしっかりパスを繋ぐことを重視しているのかもしれません。
 また、走れる外国人FWが増えているのも、前からのプレスの必要性が高まっているからではないでしょうか。
 守備的なイメージのある栃木も"ストーミング"を実施しておりただ引くだけではなかったですし、引いて守る古典的なチームはジェフと甲府くらいといった印象でしたが、果たしてそれでどこまで行けるのでしょう。

■前線中央を使ったパスワークからの攻撃が主流

 以前のJ2ではパスサッカーを展開しても、サイドを繋いでいってサイドからクロスを上げて終わりというチームが多かったイメージです。
 しかし、今年のJ2はサイドからビルドアップを行っても、そこから前線中央へ楔のパスを展開するチームが多い。
 それによって中も外も使えるよになり、より攻撃時の展開が増したように思えます。

 その時に攻撃のポイントとなるのが、先ほど取り上げた外国人FWたちや福岡のファンマ、京都のウタカなどのCFでしょう。
 あるいは、新潟のクレビーニョや松本のシルビーニョ、群馬の大前などがトップ下の位置で受けて、変化をつけるパターンも見られました。
 ただ、当然シーズンが進めば警戒されていくでしょうし、そういったキーマンがどれだけマークを跳ねのけるのか、そしてそのキーマンを囮にしてそれ以外の選手が活躍できるのかが、攻撃面においての見どころとなるのかもしれません。