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オシム監督「ジェフのような“自分の人生のクラブ”で静かに仕事をしたい」

 久々にオシム監督のインタビューを紹介したいと思います。
 新型コロナウイルスの蔓延で欧州も甚大な被害を受けており心配ですが、複数のインタビューによるとオシム監督は長らくオーストリアで生活しているようです。
 こちらは少し古い厚労省の発表ではありますが、4月4日までの段階でオーストリアも感染者数が1万人を超えるなど大きな問題となっています。

 ちなみに、オシム監督の息子であり元ジェフ監督であるアマル・オシム監督は、2018年の12月31日、ボスニアリーグのジェリェズニチャル監督に復帰。
 前任の監督が5連敗をしたところで、アマル監督が就任しチームの立て直した模様です。
 そして、2019-2020シーズンは序盤戦を首位で勝ち抜き、現在はライバルFKサラエボを勝点3差で追う2位となっていましたが、新型コロナウイルスの影響で中断に入っているようです。


 アマル監督はこれで3度目のジェリェズニチャル監督就任となるわけですが、2001年から2003年まで率いた第一期でもリーグで2度優勝しカップ戦も2度制覇、2009年から2013年の第二期もリーグを3度、カップ戦で2度優勝に導いています。
 それだけでなくジェリェズニチャルはアマル監督が退いた2003年から2009年までタイトルから遠ざかっており、さらに2013年から現在までもカップ戦で1度優勝したのみとなっています。
 要するに、近年のジェリェズニチャルはアマル監督以外ではほとんどタイトルを獲れていないわけで、まさにレジェンドと言えるのでしょう。

 そういった実績もありアマル監督はボスニア・ヘルツェゴビナ代表監督候補にも挙がりましたが、パリSGでも活躍した名選手スシッチが就任。
 そして、現在はジェリェズニチャルの元選手で、祖母井GMグルノーブルで招聘したバジダレヴィッチ監督がボスニアを率いています。
 アマル監督のことを考えれば第三期でもタイトルを獲るためリーグ再開を期待したいところですが、欧州の各リーグは打ち切りも検討しているようですね。


 さて、だいぶ話が逸れてしまいましたが、最近のオシム監督の記事について。
 時系列順に紹介すると、昨年11月にサッカーダイジェストにインタビュー記事が掲載されています。
thedigestweb.com

最近はピッチ外の出来事ばかりが大きく報道されていて、嘆かわしい。メディアがサッカーの本当の面白さを伝えれば、必然的にスタジアムへと足を運ぶ人も増えるはずだ。

 日本でも、最近は特に選手のエピソードトークばかりが目立っている印象です。
 それをSNSなどに投稿して評価され、勘違いしている記者も多いのではないでしょうか。
 そういった需要が多いことも含めて、近年はサッカーの内容を吟味するという点からは遠ざかっている印象も受けます。


 続いて、昨年末にはNumberでインタビューを受けています。
 この時には千葉県を中心に大きな被害を受けた台風に関してや、天皇陛下の即位に関してなども触れています。
 高円宮妃も気にかけているところがさすがですね。
number.bunshun.jp

亡くなった方々の冥福を心から祈りたい。そして被災された地域のできる限り早くの復興を。市原や千葉の人たちのことを考えると心が痛む。皆さんにくれぐれもよろしく伝えてくれ

 遠く欧州から今でも日本や市原・千葉のことを心配してくれているのは、とても嬉しいことだと思います。

 しかし、失礼だとは思うのですが、新型コロナウイルス騒動で、台風や天皇即位の件に関してもだいぶ昔のことのように思えてしまいますね…。 
 なお、オシム監督は「皇室があることで日本の社会は安定していると私は思っている」とも話しています。
 宗教信仰の薄い日本だからこそ、皇室という存在が日本の支えになっている部分もどこかにあるのかもしれませんね。


 また、今年2月には中日新聞東京オリンピックに向けて、オシム監督の記事が出ていました。
 オシム監督のコメントはぶつ切りになっているのが残念ですが、気になる内容だと思います。
www.chunichi.co.jp

オシムさんは、自身も目指してきたスポーツを通じた民族融和について「実はそんなに易しくない」と留保する。だがやはり、豊かな国でも貧しい国でも選手たちが同じところに集ってプレーすることが、平和をもたらすと考える。
今、世界中が「あまりよくない方向に向かっている」ように見える。だからこそ五輪は、本来の姿である「平和への道のようなもの」になるべきだと強調する。それも「各国の人々や、さまざまな思想がたっぷりと入れる四車線の高速道路のような」幅の広い道。

 あまり政治的な話はしたくないですが、アメリカも独自路線に進み、イギリスなどもEU独立を目指していることを考えると、融和という方向からは離れる傾向がみられているとも言えるのかもしれません。
 そんな中で発生した新型コロナウイルス騒動。
 個々の国だけでなく世界規模で対応しなければ解決しない問題だと思いますし、今後どう世界が変わっていくのかにも注目なのかもしれません。

 なお、オシム監督は「平和の俳句」として、渋谷スクランブル交差点を題材としたものを書いたそうです。
 多くの人が行きかうにもかかわらず、ぶつかることがないと。
 引用した内容にも繋がってくる話ですね。


 記事内にもある通り、オシム監督は1964年に行われた東京五輪に出場しています。
 その時、親切にしてもらい日本にいい印象が残っていたことが、ジェフ監督就任の理由の1つになったことも有名な話。
 そのため、ジェフは前回の東京五輪や日本国民のホスピタリティに感謝しなければいけないと思うだけに、今回の東京五輪も成功してほしい…と前向きに考えていたのですが、現在の情勢だとどうなるかわからない状況になってしまいましたね。


 そして、最後に先週、Numberでもオシム監督のインタビューが掲載されました。
 こう数えていくと今でも結構な数の記事が出ていますし、オシム信者としてはありがたいことだと思います。
number.bunshun.jp

こんな事態なので、多くのことに関心を抱けるわけではないが……よく食べてよく飲みよく眠る。それだけで素晴らしいと思える静かな生活、それが大事だろう。

 まずは、やはり新型コロナウイルスに関しての話がメインとなっています。
 日本よりも多くの死者が出ている欧州に住まわれていることもあってか、かなり深刻に受け止めている印象です。

 そして、オシム監督自身について聞かれ。

私はまだまだ働きたい。ジェフ(現ジェフユナイテッド市原・千葉)のような“自分の人生のクラブ”で、静かに仕事をしたい。すべてを理解し、申し分のない環境のなかで仕事をする――それこそ“人生の仕事”といえる。日本の言葉を幾つか覚えて実際に仕事で生かし、経験を重ねる。それがまたできたら素晴らしいと思う。

 今でもこう話してくれるのは、すごく嬉しいことですね。
 ただし、「腰が悪化して歩行が困難」とも話しており、現実的ではないのかもしれません。
 これまでジェフや他のクラブも含めてオシム監督へ現場復帰のオファーがなかったとは思えませんが、それでもあれ以降指揮をとっていないわけですから、期待しすぎるのも良くないのでしょう。

 それでも、このような話をしてくれるだけで個人的にはとてもありがたく思いますし、オシム監督自身も現場復帰などを想定することは、リハビリなどの目標設定において大事なことなのかもしれません。
 また、「すべてを理解し、申し分のない環境のなかで仕事をする――それこそ“人生の仕事”といえる」という言葉も響きますね。
 「申し分のない環境」をどう想定するのかにもよるのでしょうが、仕事に悩んだ時などには思い出したい話だと思います。


 個人的にはジェフ監督復帰は難しいにしても、東京オリンピックを機に一度で良いからまた日本にきてもらえないかな…と思っていました。
 日本とオシム監督の関係はあのような最後だったわけですから、綺麗にお別れともいかなかった。
 最後に挨拶だけでもしたいというファンは多いと思うのですが、オシムさんのことだから「これが別れというわけではない」と言うのかも知れません…(笑)

 来日となれば長期フライトということにもなりますし、体調を考えるとそれだけでも難しいように思います。
 まずは新型コロナウイルス問題が収まらなければ、スポーツどころではないですし、そちらが先決ですね。
 オシムさんもサッカーが見れず、やきもきしているのかもしれませんが、体調だけは十分に気を付けて過ごしてほしいと思います。