今回で一通りJ2の順位を終えることとなります。
今回は20位から22位とJ2の下位を予想することになりますが、今年は新型コロナウイルスによる中断もあって、J3への降格がなくなりました。
それによって下位チームは無理に成績を求めることもなくなったわけですし、今年の成績よりも将来を見据えたチーム作りをする可能性もあるでしょう。
例えば勝点を稼ぐためだけの守備的なサッカーではなくより積極的な攻撃サッカーを展開するチームもあるかもしれないし、なるべく若手を使って来年以降の準備を始めるチームも出てくるかもしれません。
考えた方を変えると、中途半端に昇格を目指すチームは、来年度の準備で下位チームに対して後れを取る可能性もあるのでしょう。
また、シーズン中盤の下位争いの雰囲気も変わってくるかもしれませんね。
それらによって最終順位にも影響が出るかもしれませんが、そこまで考えるときりがないので、シンプルに予想を検討していきたいと思います。
20位:北九州(開幕前予想:17位)
福岡ダービーとなった開幕戦での北九州のサッカーには、驚きすら感じました。小林監督が率いているということで、守備的なサッカーを想像していましたが、ショートパスを繋いだ攻撃を披露。
特に左SHが中に入っていって2トップと楔のパスの受けどころになり、そこからサイドに展開する攻撃には可能性を感じました。
守備においても小林監督らしく、粘り強く全員で守る形を作り上げていました。
北九州は昨年もJ3最少失点で優勝しており、やはりこのチームの肝は守備なのでしょう。
しかし、それだけではなく攻撃面でも狙いがはっきりと見えていたところに、小林監督の手腕を感じました。
ただ、それでも福岡には0-1で敗戦。
小柄でサイズの小さい選手が多く、フィジカル面やスタミナ面で福岡に勝てなかったように思います。
さらに昨年8ゴールを上げてチーム得点王になった町野などもJ2では苦しい印象で、チームを引っ張る存在の不在を感じる部分もありました。
総じて戦力的には厳しい印象を受けたため、17位から20位まで下げることとしました。
しかし、20歳の町野を中心に20代前半の選手がずらっとスタメンに名を連ねており、将来性は強く感じる選手構成となっています。
先ほど話したように今年は降格もないですし、今シーズン中に若手が育てば来年以降に花が咲く可能性もあるのかもしれません。
21位:愛媛(開幕前予想:22位)
開幕戦での愛媛は、J2に降格してきた松本相手に1-2で敗れています。しかし、ボールを支配していたのは愛媛の方ですし、やりたいサッカーは出来ていたのではないでしょうか。
ただ、やりたいサッカーができていたにもかかわらず勝てなかった時の方が、深刻とも言えなくもないでしょう。
2018年途中に間瀬監督からバトンを受けた川井監督は、当初守備的なサッカーを展開していた印象でした。
しかし、徐々にパスサッカーを志向するチームへ、移行しているように感じました。
まずは守備を構築し、徐々に攻撃面でプラスアルファを作り出そうというやり方を取るのはよくある話ではあります。
ただ、このチームもパスを繋いでも崩しきれないことが多く、守備的に戦ってカウンターを狙っていた時の方が可能性を感じたように思います。
今年の開幕戦でも最終ラインに前野、西岡、茂木と小柄なCB3人を並べて、後方を中心にサイドにパスを展開。
しかし、そこからゴール前や中央の危険なエリアにボールを運べる回数は少なく、有効は攻撃はあまり作れていませんでした。
見方を変えればそういったタイプのCBを並べればパスを繋げるのは当然で、そこからどう崩すのかが本当に問われるところなのでしょう。
逆にこの顔ぶれでは、守備面では最終ラインのサイズに不安が残るようにも思います。
守備的なチームとしてスタートしステップアップしようとして壁にぶつかるというのはありがちな話だと思いますし、戦力も豊富とは言えないだけに難しいところではあるとも思いますが、ここからチームとしてどう伸ばしていくのかが大きな課題となりそうな気がします。
22位:群馬(開幕前予想:21位)
申し訳ない気持ちもありますが、最下位は群馬としました。開幕戦の新潟戦では前半を中心に、良いサッカーを見せていたと思います。
ただ、やはり戦力的には厳しい印象も感じてしまいました。
新潟戦では若干引いて構えつつも前からプレスをかけ、相手が前線に縦パスを出せば前にガツンと潰しに行く守備を実施。
攻撃面でも2トップの進が裏を狙って相手CBを押し下げつつ、大前が若干下がってボールを受けてチャンスメイク。
攻守において、チームの意図は十分に見せていました。
ただ、新潟との戦力差は明確で狙っていた展開を実施するだけでいっぱいいっぱいとなっており、それ以上のことをする余裕はなかったように見えました。
そして、後半途中からは、がたっと崩れて3失点。
チームとしての脆さも感じてしまいました。
ベンチを見ると選手層も苦しいのではないかと思いますし、中断明けは連戦となるのであれば、さらに苦労するかもしれません。
新加入の大前、宮阪、岩下をはじめ、清水、船津、渡辺などベテランを中心とした構成となっていますが、ともかく今年はJ2残留を第一に考えて、年齢層の高い構成となったのではないでしょうか。
しかし、今年は想定外のJ3降格なしとなったわけで、今後はより将来を見据えたチーム運営といったものが必要となってくるのかもしれません。