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オシム監督が率いた2007年の日本代表対モンテネグロ代表戦 前半

 このJリーグ中断もあって、J2開幕戦全戦を見た以降は、全くサッカーを見てきませんでした。
 試合消化を考えるといきなり連戦なんてこともありえなくはないでしょうし、見る側も鈍っているのではないかという不安もあって、今日はリハビリもかねて試合を取り上げたいと思います。
 なお、思ったより内容が濃くなってしまったこともあって、前後半に分けています。

 ありがたいことに、現在日本サッカー協会JFATV Classicsと題して、過去の日本代表戦の数試合を無料でアップしています。
 その中にオシム監督が率いた2007年6月に行われたモンテネグロ戦もあったので、この試合を振り返っていきたいと思います。
 なお、JFATV Classicsの公開は、現在のところ6月末までの期間限定となっているようですので、ご注意ください。


【無料フルマッチ配信】日本代表 vs モンテネグロ代表| キリンカップサッカー 2007(2007.06.01)~JFATV Classics~

 試合を見る前には、まず軽い下調べが大事ということで少し説明すると、このモンテネグロ戦はアジアカップ直前の試合でした。
 オシム監督は2006年夏に就任すると、当初は国内組だけでチームを結成。
 しかし、2007年からは高原、俊輔など海外組も呼んで、アジアカップへ向けて準備をしていきます。

 この試合は2007年に入って2試合目で、1つの前の試合ではペルーと対戦し高原と巻がゴールを上げて、2-0で勝利しています。
 オシム監督就任当初はジェフのようなマンマークで、3バック中心で戦っていた日本代表。
 しかし、2007年からは俊輔を活かすという理由もあってか、4バックに変更していきました。

■中澤のヘディングシュートで先制

 この試合では、高原と矢野の2トップでスタート。
 右SHに遠藤、左SHに山岸、ボランチに鈴木と憲剛。
 4バックは右SBに駒野、CBには中澤と坪井、そして左SBには阿部が入っており、GKには楢崎が選ばれました。

 キックオフ時、阿部はCBの坪井に声をかけていたようにも見えます(動画でいうと1分40秒あたり)。
 ジェフでは最終ラインの枚数を相手FWの枚数+1人で対応するのが基本となっていましたし、相手が3トップと見て阿部の判断で4バックにした可能性もあるのかもしれません。
 もし3バックだった場合は、山岸が左WB、駒野が右WBで対応できたはずで、阿部も含めたポリバレント性がこういった時に発揮すると言えるのでしょう。


 4-4-2ではありますが、山岸は左サイドに張って、遠藤は自由に動き回って中央へ流れることも多い状況でした。
 そして、空いたスペースに駒野が飛び出していく、といった狙いだったように見えます。
 2007年からのオシム監督はSHに遠藤や俊輔といったパサータイプを置く分、ゴール前に飛び出してターゲットにもなれる山岸を逆サイドに置いていきました。

 試合序盤から、オシム監督らしさが見える展開を作っていきます。
 CBからショートパスを繋ぐのですが、人が良く動いてボールを引き出し、タッチ数も少なく素早くパスを回していく。
 そして、パスワークでの打開を狙いつつ、相手がボールに集中してきたら、大きく空いたスペースへと展開する。


 12分には、日本がパスワークからチャンスを作りかけます。
 左サイドで遠藤とパス交換をした憲剛が、前を向いてスルーパス
 矢野が飛び出しますが、もう一歩間に合わず。

 守備でもボールを奪われた直後に素早くチェックに行く形で、オシム監督らしく激しく寄せていきます。
 14分には中澤がクリアボールに反応し、中盤の高い位置まで出てきてボールを奪取。
 そこから、高原、矢野と繋ぎますが、最後は矢野が潰されてしまいます。


 先制点が生まれたのは22分。
 左サイドのCKから遠藤がショートコーナーでクロスを上げると、ファーで中澤が競り勝ちゴール。
 ドイツW杯後、一度は代表を退いていた中澤ですが、高さのあるモンテネグロ代表選手を相手に、その上を取って豪快なヘディングシュートを決めました。

■遠藤がトップ下に移って追加点

 ゴールは生まれたものの、この頃から日本の運動量は全体的に落ちて、ボールを高い位置まで持ち運べなくなっていきます。
 モンテネグロもそこまで本気ではなかったかもしれませんが、球際ではしっかりと対応していて、大きく崩れることのないチームでした。
 そこで変化を付けたいという狙いもあったのか、遠藤がトップ下でプレーするようになり、駒野が走り込む展開がより目立っていきました。


 すると、37分、日本が追加点。
 左サイドの憲剛から大きな展開を受けた駒野が素早くクロスを上げると、ニアの高原が頭で合わせてゴール。
 駒野を押し上げたいオシム監督の狙い通りの展開だったのではないかと思いますし、駒野のピンポイントクロスも、合わせた高原も見事でした。

 40分にも坪井の縦パスから山岸が間で受けて落とし、阿部が1タッチで繋いで低い位置の高原へ。
 高原から走り込んでいった遠藤がパスを受けて、シュートを放ちますが相手にブロックされます。
 しかし、前の選手が簡単に叩いたところから、攻撃を作って他の選手が飛び出すという攻撃で、これもオシム監督が好きなパターンだったと思います。


 その直後にもビッグチャンス。
 阿部、遠藤、憲剛と繋いで縦パスを出すと、少し下がって高原が受けてバイタルエリアで反転。
 鈴木とのパス交換をして駒野がクロスを上げると、山岸が頭で合わせますが、相手GKがファインセーブ。
 
 試合は2-0で前半を終えます。
 何度かモンテネグロが攻め込む展開もありましたが、大きく崩されることなく危なげない試合だったと思います。
 ブログもここで、明日更新予定の後半に続きます。