着々とJリーグ再開に向けて、動き始めていますね。
前回ブログで取り上げた5月29日(金)のJリーグ実行委員会にて、J1は7月4日(土)から、J2とJ3は6月27日(土)から、試合を実施することを決めました。
また、自前でPCR検査を行うことも明らかにしています。
その後の大きな出来事としては、6月2日(火)に名古屋の金崎がPCR検査で陽性反応が出たことが発表になりました。
また、6月6日(土)には、同じ名古屋のランゲリックにも陽性反応が出ています。
さらに、プロ野球でも巨人の坂本と大城が、新型コロナウイルスに感染していたことが明らかになりました。
このことからも、Jリーグやプロ野球などを再開するとしても感染対策はもちろん、関係者の誰かが感染するケースも想定した準備の重要性が言える状況となってきました。
それも受けてか、6月5日(金)の臨時理事会では大会形式の話がメインだったようですが、検査の詳細なども議論したようです。
検査開始はJリーグが再開する6月27日から1週間さかのぼった同20日。その後、2週間に1回のペースで、12月末までの間に計14回行う予定となっている。対象は全56クラブの選手・関係者、レフェリー、マッチコミッショナー。一度の検査で最大3680人規模になるとみられる。
(中略)
民間の検査機関が処置を行い、Jリーグの新型コロナ対策本部内に設置される検査センターでは連絡機能などを担う。
検査に関して早い段階で民間機関からの提案が来ているという話も出ていましたし、その協力も得て独自の検査センター設立が可能となったのでしょう。
それにしても大規模な検査となりそうですが、問題なくさばけるのでしょうか。
そして、陽性者が出た場合は、速やかに対応すると。
陽性者は速やかに診察、検査、治療へと移行。Jリーグは必要に応じて濃厚接触者や対戦クラブに自主隔離を要請する他、家族らの臨時検査を行う準備も整えている。
(中略)
また身体接触を伴うサッカーというスポーツにおいて、「濃厚接触」の定義を再検討する必要性も浮上している。
陽性者を隔離するのは自然な流れとして、問題は濃厚接触者への対応となるのでしょう。
特に試合に出場した選手が陽性だったことが判明した場合、接触プレーの多いサッカーにおいてどう対応するのか。
出場選手全員が「濃厚接触者」であるとすれば、一定期間そのチームは試合どころではなくなる可能性があります。
そのため、「濃厚接触者の定義を再検討する」という話になったのでしょう。
これは、6月8日(月)の「第9回新型コロナウイルス対策連絡会議」でも議題に上がったようです。
ただ、「濃厚接触者の定義」を変えるというのは、簡単なものではないはずです。
サカマガにもちらっとですが、このように書かれています。
soccermagazine.jp
専門家チームは「未知のウイルスに対しても日進月歩でデータが蓄積されてエビデンスが構築されており、これまでとは異なる取り組みが、今後は必要」との考え。蓄積されたデータをもとに、今後はたとえば濃厚接触者の隔離期間の基準の変更について、政府へ働きかけることも必要とした。
「濃厚接触者の定義」をJリーグの判断だけで勝手に変えられるものではないと思いますし、「政府に働きかける」ことになるのかもしれません。
これまでの「濃厚接触者の定義」は以下の通り。
www.nikkansports.com
これまでの濃厚接触者の定義は全くマスクをつけない状態で15分以上、1メートル~2メートルの距離で接することとされている。
これを考えれば、サッカーにおいては多くの選手が「濃厚接触」のように思えますし、定義の変更を期待せざるを得なくなります。
ただ、冷静に考えれば、問題なのは定義よりも、単純に周囲に感染させてしまう可能性があるかどうか。
もっと言えばクラスターを起こしてしまわないかどうかであり、現状では感染者が試合に出ていた場合、感染が拡大してもおかしくないように思えてしまいます。
ある程度は気を付けるにしても飛沫感染の懸念などはあるでしょうし、政府に訴えるとしても6月末までに間に合うのかという問題もあるのではないでしょうか。
さて、今回の対策会議と実行委員会では、観客を入れての試合の可能性に関しても話し合われました。
6月8日(月)の対策会議では、専門家に「段階的に進めるのが望ましい」と提言を受けています。
そして、翌日の実行委員会では、観客動員に対して以下のように具体的な話がありました。
www.daily.co.jp
7月10日からは観客を5000人またはスタジアムの50パーセントの観客を入れて開催。次の段階としてスタジアムの50パーセントの動員を目指す。
5,000人またはスタジアムの50%が上限とのこと。
例えばフクアリの場合、wikipediaによると収容能力19,781人となっていますので、5000人またはスタジアムの50%が上限50%だと9,890人ということになるでしょうか。
それだと5000人を超えることになるため、まずは5000人導入からスタートとなることになります。
ただ、以前話していたように、ソーシャルディスタンスを考慮して、四方の席を空ける形とするのか。
動線や物販、応援方法なども含めて、いろいろなことを検討していかなければいけないように思います。
決めなければいけないことは多数あると思うのですが、なんとか頑張ってほしいですね。
さらに、無観客時は衛生面などを考えて横断幕は入れないなど、いろいろなことが決定しています。
ただし、クラブが用意したものは設置可ということで、サポーターの写真を張った段ボールを観客席に置くことを検討しているクラブもあるそうです。
C大阪は「リモート応援」を検討中。電光掲示板にサポーターの写真を掲載し、携帯電話のアプリなどを使って家にいながら声援や拍手、ブーイングなどを送り、スピーカーで流す構想だ。鳥栖はサポーターの写真入り耐水段ボールボード「砂段ティーノ」を今後販売し、観客席に設置する。
「リモート応援」は磐田なども検討してるようですが、応援の統率、タイムラグなどは大丈夫なのでしょうか。
プレミアやリーガでは『FIFA』の歓声などを利用することを検討しているようですし、Jリーグも『ウイイレ』でいいのではないかとも思うのですけど。
大会形式に関しても様々な影響があり、スタジアム確保の問題でJ3からFC東京U-23の不参加決定。
ルヴァン杯も、松本の不参加や日程の短縮などが決まっています。
松本としてはJ2に集中できる分、追い風ではないでしょうか。
徐々にいろいろなことが固まってきていますが、個人的に一番気になるのは交代枠5人制が正式導入となったこと。
www.jleague.jp
■選手交代枠
・選手交代枠を5名に拡大する
・交代回数はハーフタイムを除き3回までとする
交代枠が増えたことによって、采配の幅も広がるでしょうし、ゲームプランなども変わるかもしれない。
選手層が問われる部分も大きくなるのではないでしょうか。
ただし、代表での親善試合などを見ると、多くの選手を入れ替えることによって、がたっとチームが崩れることもあります。
交代枠5人となればフィールドプレーヤーの半数も選手を変えられるわけですから、そこで混乱が起きてもおかしくはないように思います。
単純な選手の能力だけでなく、連携やコミュニケーションの問題が起こりかねないでしょう。
現状でも、良い流れの時には選手を変えない監督も少なくないわけで。
見方を変えれば選手を変えると悪い流れになる可能性もあるわけですから、賢く使っていく必要性がありそうですね。
交代回数は変わらないことも考えると、ハーフタイムでの選手交代がカギを握るのでしょうか。
根本的な問題として、果たして交代枠を2枠増やしただけで、選手の疲労は軽減されるのかという疑問もなくはありません。
過密日程の影響を懸念しての措置であるはずですが、選手の体調問題に関する不安は今でも残されているように思います。
疲れて免疫が落ちれば病気にかかるリスク、重症化するリスクも増すはずで、より一層の体調管理が求められることになりますね。