当ブログはプロモーションを含みます

Jリーグ再開に向けて6つのジェフの注目ポイント

 昨日Jリーグが選手・スタッフを対象に行ったPCR検査の結果を公表し、3,058人が陰性、14人が検体不足などで継続検査、陽性者はなしだったことが明らかになりました。
 国内で大規模な抗体検査の結果でも陽性者は少ない結果が出ていますし、こうやって日本はPCR検査をしないから陽性者が少ないんだ、日本は隠蔽のために検査を減らしているなどという、よからぬ陰謀論も少しずつ減りそうですね。
 それでも、陰謀論を唱えていた人は、過去の発言を謝罪することはないのでしょうが。


 さて、話は変わりますが、Jリーグ再開に向けての話をしていきたいと思います。
 当ブログでは2月上旬、ちばぎんカップ前に試合前の注目点4つをまとめました。
 この時はまだ新チームの試合を一度も見ていなかったので手探りな状況でしたが、今読んでも内容としては大きく的を外してはいなかったと思います。

yukkuriikou.hatenablog.com

 そこからちばぎんカップ、開幕戦琉球戦と2試合しか見れておらず、その後新型コロナウイルスの影響でリーグは中断しました。
 今日は中断による影響も含めて、改めて新チームの注目点を考えてみたいと思います。

■中断明けの状態と連戦への対応

 まずは異例となる長期間の中断があったので、そこから中断明け初戦に向けてうまくコンディションを合わせられるか。
 すでに練習再開で怪我人なども出ているかもしれませんし、実戦に入って試合勘やスタミナなどに問題が出る可能性もあると思います。

 また、再開後はすぐに過密日程となりますので、それに耐えうるチームを作れるか。
 さらに、夏に向けて気温も高くなってきていますから、体力が求められるのではないでしょうか。
 ジェフは主力候補の平均年齢が高いですから、体力面が懸念される部分もあると思います。

 守備的な方が効率が良いからジェフに追い風になるという発想もあるようですが、ボールを持って相手を動かす方が夏場は疲れないという見方もできますし、スタイルだけでは何とも言い難いところがあるのではないでしょうか。
 また、連戦の中で勢いに乗れれば良いでしょうが、一度流れが悪くなった時に取り戻せるのか。
 身体的なリカバリーはもちろん、精神的な強さも問われるかもしれません。

■交代枠5人とチームの底上げ

 過密日程などが懸念され、Jリーグも交代枠が5人にまで広がりました。
 ただ、交代回数はHTを除き3回までということで、運用方法が悩みの種となるかもしれません。
 先日リヴァプールの南野がスタメンし前半だけで交代となりましたが、クロップ監督によると試合前から検討していたようですし、こういった起用法も増えてくるかもしれません。

 采配の幅は広がりますが、多くの選手を一気に変更すれば、バランスが崩れる恐れもあります。
 そのため、入れ替えても十分に戦えるだけの選手と、コンビネーションなどが重要となってくるのではないでしょうか。
 これは過密日程を考えても同様で、例年以上のラージグループが必要となるかもしれません。


 何度も話している通り、ジェフは名前のある選手は多いですが、似通ったタイプも多く選手層が厚いようでそうではないように思えます。
 いくら実績ある選手がいても尹監督が評価する選手が少なければ選手層が厚いとは言えないですし、綺麗に戦える選手は多い一方で、ハードワークが出来て守備で頑張れる選手は安田くらいではないかと思います。
 あえてオシム監督の言葉を借りれば、水を運べる選手が少ないということになります。

 これに関しては高橋GM体制になってからずっと疑問視していたことではありますが、勇人のYoutubeでの発言を聞くと似通った疑問を持っていたように思えますし、的外れではなかったのでしょう。
 その分、新たな選手、若い選手の底上げにも期待したいところではないかと思います。
 ただ、選手構成からして上がつかえている印象も強く、若く有望な選手が少ないという問題もあると思います。

■無観客、降格なし、日程の1カ月延長の影響は

 主な影響は上の2つになるのではないかと予想しますが、その他にも様々な変化があります。
 まず再開当初は無観客試合、その後も制限付きでの観客動員ということで、ホームのアドバンテージが減るかもしれないし、J2では観客の多いジェフとしてはマイナス面も大きくなるかもしれません。
 また、静かなスタジアムでいかに選手が試合に入っていけるのかなど、集中力も問われるのではないでしょうか。

 一方で降格なしということで、下位チームも勝点1を狙うのではなく積極的なサッカーをしてくるかもしれません。
 そうなれば、上位から中位のチームは、取りこぼしをしないことが求められる。
 また、選手層も含めて格差は大きくなるかもしれないわけで、下位に勝っても浮かれることなく次に進む必要があるのではないでしょうか。

 さらに、今年は12月までシーズンが伸びて、寒い状況下でリーグ戦が行われます。
 特に東北や北日本のチームは懸念材料が増えるかもしれませんが、近年のジェフは年齢層が高いせいか冬場に強い印象もあるのでプラスに働く部分もあるかもしれません。

■クロス展開以外の攻撃を作れるか

 開幕戦でのジェフはクレーベ、川又のツインタワーに米倉、堀米のクロッサーを配置するなど、明確にクロス展開を狙ったサッカーをしていきました。
 新チームスタート直後ということもあって露骨な選択になったのかもしれませんが、ちばぎんカップも含めて考えるとそれだけではなく、単純に攻撃が作れずにああいったメンバーになったのではないかとも思います。
 攻撃に関しては時間が解決するという見方もあるようですが、他チームは新監督でも開幕戦からしっかり攻撃の狙いを作ってきましたし、他のケースでも時間は関係ないことが多いと思います。

 クロス展開がメインでも結果が出ればよいのですが、それに近かった関塚監督時代もチームに引き出しがなく尻つぼみでした。
 また、懸念するのは、柏戦でも琉球戦でもカウンターがほとんど作れなかったこと。
 守備で粘って勝つためには鋭いカウンターが欲しいところだと思うのですが、琉球戦でもほぼ見られなかったことになります。

 ツインタワーにクロッサーということで、攻撃にスピード感がなかったこともカウンターが狙えなかった要因の1つではないでしょうか。
 攻撃にどれだけ厚みや深み、バリエーションを増やしていけるのかが課題となりそうですが、実際問題として尹監督はあまりそこに期待できないのかなとも思います。
 そうであるのなら、選手選択で攻撃の可能性を広げていきたいところですが、果たして…。

■クレーベ問題と安定した守備

 開幕戦全戦を見てJ2全体の感想を書いた時にも話しましたが、やはり現代サッカーでは基本的に前からのプレスが必須となる。
 いくらセットした守備といっても、前からプレスをかけられなければ、4×4のボックス内に簡単にパスが通されてしまう。
 ボックス内にパスを通されてはMFがプレスバックするとしても、基本的にはDFだけで対応するしかないわけですから、どうしても苦しい展開になってしまいます。

 これが一昔前のサッカーなら、CBからは良いパスが出てこないから大丈夫となったかもしれませんが、今はJ2の下位チームでもCBから鋭いパスが出てくる時代。
 それだけに、対面するFWも最低限の守備を出来なければ、堅守の構築は難しくなります。
 堅守を目指すのであれば、前線からの守備が必須だと思うのですが、ジェフの前線にはそこに大きな課題がある。


 特にクレーベは開幕戦でも90分持たなかったですし、尹監督になって走ろうという意思は感じますが能力的に難しい。
 川又もクレーベほどではないものの、そこまで守備の出来るタイプではない。
 そのツインタワーだと、前からのプレスは諦めざるを得ないと思います。

 では、開幕戦のようにプレスを諦めた上で、後方が耐える苦しいサッカーを続けるのか。
 あるいは、いずれかの選手を残して、工藤などのように走れるパートナーと組ませるのか。
 または、いっそ2人を変えてしまうのか。

 それでも上記の通り攻撃面にも課題があるから、守備には目を瞑ってツインタワーにしたのかもしれません。
 しかし、どちらかを大きく妥協しなければいけないとなれば、いつかチームに無理が出てくる。
 そこで重要なのが方向性で、今年は守備のチームを作るのが目標となるはず。
 最終的にはどこかでクレーベを諦めざるを得なくなるのではないかと私は思うのですが、尹監督はうまい落としどころを見つけられるのでしょうか。