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ミスをしなかった大宮が1-0でジェフに勝利

 何はともあれ、まずはJリーグ再開おめでとうございます。
 東日本大震災の時などにも思いましたが、サッカーが見れる嬉しさ、ありがたさを改めて感じますね。

 それでも試合が始まれば真剣勝負。
 メンバーを見ても、お互いに長期中断明けの練習で怪我人などが出たのではないかと思いますし、様々な難しさもあるのでしょう。
 そんな中でも真剣勝負をしてこそプロだと思いますし、厳しい中でも頑張ってほしいですね。

■序盤はジェフも良かったものの大宮が先制

 ジェフはキャプテンに就任した熊谷、安田がメンバー外で、高橋がボランチ、アランが右SH、増嶋がCB、下平が左SBでスタメン。
 前線はクレーベと山下のコンビになりました。
 米倉、新井、川又はベンチスタートで、優也、見木もサブに入り鈴木はメンバー外に。

 大宮も注目のハスキッチ、菊地、小島がメンバー外で、山越が控えに。
 1トップに富山、シャドーにイッペイ・シノヅカ、右WBに渡部。
 若い小野と西村がボランチ、CBに入りました。


 中断明けとなるためか、無観客ということもあってか、立ち上りから球際での寄せが甘かった印象です。
 特に前半は大宮の方が、動きが重い印象でしたが、序盤は均衡状態。
 守備的なチーム同士らしい、重い展開となりました。

 17分にはジェフの攻撃。
 堀米が左サイドで粘ってクロス。
 これを山下が頭で合わせますが、力なくGK笠原がキャッチ。

 20分にもジェフの攻撃。
 左サイドで得たCKから、ファーで増嶋が頭で合わせます。
 相手DFがゴール前でクリアしますが、ここまではジェフも悪くない流れを作っていました。


 しかし、その後、給水タイムを挟むと、ボールを持つ大宮、守るジェフといった展開になっていきます。
 31分には大宮のチャンス。
 堀米からボールを奪ったシノヅカが、そのまま持ち上がってシュートを放ちますが、GK新井がセーブ。

 33分にも大宮の決定機。
 後方のロングボールから、近藤が粘って翁長がクロス。
 逆サイドの渡部がフリーになってシュートを放ちますが、GK新井がセーブ。


 このまま、スコアレスで前半終了かなと思われた前半AT。
 ゴール前左の位置で得たFKを小野が蹴ると、クレーベ、高橋に当たってゴール。
 記録は小野のゴールとなりました。

 増嶋が与えてしまったファールですが、時間帯も場所も悪かったと思います。
 それまでのプレーは良かったと思うのですが、ベテランですしあそこで簡単にファールを与えてはいけなかったと思います。
 残念な展開で前半を終えます。

■後半はジェフの足も止まり大宮ペースに

 大宮はハーフタイムでシャドーの近藤を下げて、黒川を投入。
 後半開始直後、大宮はゴール前でのFKを得ます。
 翁長が蹴りますが、バーの上。

 51分にも大宮の攻撃。
 ジェフ後方でのパスミスから、シノヅカが力のあるミドルシュートを放ちますが、GK新井がセーブ。
 そのプレーで得たCK、混戦から渡部が狙いますが、GK新井がキャッチ。


 60分にも大宮の攻撃。
 シノヅカが間で受けたところから、右サイドの渡部へ。
 渡部がクロスを上げると、富山が足元で合わせますが、バーの右にそれます。

 66分にも大宮の攻撃。
 カウンターでシノヅカが攻め上がり、増嶋を抜き切らずにシュート。
 しかし、GK新井が対応。


 攻撃の流れを作れないジェフはアラン、ゲリアを下げて、米倉、田坂を投入すると、米倉がSH、田坂がSBに入りました。
 しかし、71分にも大宮の攻撃。
 中盤から西村がパスを出しシノヅカが間で受けて、シュートを放ちますが、GK新井がセーブ。

 73分には久々にジェフの攻撃。
 右サイドから増嶋がロングスロー。
 こぼれたところを高橋が受けてシュートを放ちますが、相手DFに当たります。


 76分、大宮のチャンス。
 右サイドのシノヅカが下川をかわしてドリブルで入っていき、最後は黒川がシュート。
 しかし、GK新井の正面。

 78分、大宮は富山に代わって元ジェフの戸島を投入、81分にもイシヅカを下げて石川を投入すると、そのままシャドーに入ります。
 83分にはジェフの増嶋が右サイドからロングスローを入れると、田口が狙いますが枠の外。
 ジェフは後半に入って、ロングスローでしか攻撃が作れない状況に。

 85分、堀米と下平を下げて、新井と川又を投入すると、3トップで守備時は左WB田坂、右WB米倉の3バック、攻撃時は新井を右SBにした4バックになります。
 その直後にも大宮のチャンス。
 黒川が左サイドを抜け出したところからクロスを上げると、戸島がフリーで受けますが合わせきれず。

 その後はパワープレーでジェフが攻め込みますが、ゴールは奪えず。
 0ー1で大宮の勝利となりました。

■求められる"守備のメンタリティ"

 前半中盤までは、ジェフも良い流れで戦えていたのではないでしょうか。
 4-4-2で素早くセットした守備を作り、全体をスライドさせてボックス内にボールを入れさせない。

 相変わらずクレーベの守備関与は少なかったですが、中盤以降が頑張ってズルズルとは下がらなかった。
 山下やアランなどガツガツ行ける選手を起用したことも、大きかったのではないでしょうか。
 また、前半途中までうまくいっていたのは、大宮に問題があったようにも思います。


 去年から高木監督が就任した大宮ですが、基本的には1トップにあてたところから攻撃を作る。
 しかし、今日1トップはCFタイプのハスキッチではなくハードワーク出来る富山で、そこで粘れず潰されることが多かった。
 今年からビルドアップに力を入れているといわれている大宮ですが、基本的にはそこまでパスで崩せる感じではないと思います。

 もう1つは、単純に大宮の運動量が少なかった。
 後方でボールを持っても受ける動きが少なく、パスの出しどころに悩むことが多かった。
 しかし、大宮も徐々に運動量が増していって、後半は完全に大宮ペースとなっていった印象でした。


 大宮の流れを変えたのは、シノヅカでしょう。
 31分に自身でボールを奪ってシュートを放ったところから、大宮ペースになっていきました。
 ジェフはシャドーのシノヅカを捕まえられなくなったとこで、1トップへのマークも分散され守備に綻びが生まれてしまった。

 また、前半途中までは動けたから良かったものの、徐々にジェフは運動量が落ちてしまった。
 全体のポジション修正が甘くなったことで、コンパクトな守備が保てなくなり、間を取られたりサイドのスライドが間に合わなくなってしまった。
 それによって全体的に押し込まれ、劣勢な展開になってしまったと思います。


 結果的に最少失点での敗戦だったとはいえ、高木監督としてはウノゼロでの試合は狙い通りだったといえるのかもしれません。
 ジェフはチャンスもあまり作れなかったですし、後半は攻守にバタバタしてしまった。
 こういったサッカーをするのであれば、1点ビハインドになっても慌ててはいけないと思います。

 結局、守備的なチーム同士の戦いということで、決め手になったのはミスをしないことだと思います。
 増嶋のミスとも言えるファールからやられた試合ですが、堅守のサッカーをするのであれば、ああいった細かなミスも許されない。
 それがミラー監督時代にも言われた"守備のメンタリティ"であり、それを持っていたのがミスをしない大宮だったのかもしれません。

 課題も見つかった試合ではありますが、それも試合を見れたからこそ。
 悔しさも胸に抱きつつつ、しっかりと次に進んでほしいと思います。
 せめて連戦までには、"勝てる形"を築きあげてほしいですね。