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欠場の熊谷に代わって高橋壱晟が大宮戦でスタメン

 今年キャプテンに任命された熊谷ですが、大宮戦ではベンチにも入らず欠場。
 代わりにスタメンとなったのは、意外にも高橋壱晟でした。
 今季復帰した高橋ですが、ちばぎんカップでも開幕戦でもメンバー入りで来ていません。

 これまでの起用法から考えると、熊谷、田口の次に選ばれるのは小島ではないかと思っていました。
 田坂はサイドで計算しているようですし、小島はちばぎんカップでもベンチに入っています。
 ただし、小島は大宮戦の翌日に行われた相模原との練習試合で途中出場しかしていませんので、また怪我などがあったのかもしれませんね。

 また、昨年の流れから考えれば、練習試合に出場している矢田、鳥海なども候補となるはずです。
 しかし、今年1月にも書きましたが、2人は残留の発表も遅かった。
 移籍先を考えていたのかもしれませんし、尹監督はそもそも戦力としてあまり評価していないのかもしれません。


 大宮戦での高橋は、正直課題もあったと思います。
 守備では31分堀米がボールを奪われた後に、高橋がシノヅカに完全に抜きさられてシュートを放たれ、大宮に反撃のキッカケを与えてしまいました。
 後半開始直後に田口がゴール前でファールを与えてしまった前にも富山にかわされていますし、その後も寄せが緩くシノヅカの前を止めきれなかったシーンがありました。

 また、攻撃においても運動量がもう少しで、攻守における予備動作も少ない印象でした。
 ミドルパスも浮いてしまうことが多く、田口と比べるとどうしてもパスの精度に課題を感じてしまいます。
 もう高橋もプロ入り4年目で22歳になりますが、まだ粗削りなところがある印象です。


 ただ、それでも高橋が選ばれたのは、フィジカルやサイズの問題ではないかと思います。
 矢田や工藤がメンバー入りすらしていないことや船山が起用されていないことなどを考えても、やはり尹監督はフィジカルやサイズ面を重視する傾向が強い。
 だから、スタメン出場した山下やアランだけでなく、ゲリアなども重宝されているのではないでしょうか。

 さらに、ちばぎんカップから尹監督はボランチのサイドチェンジを、非常に強く重要視している傾向を感じます。
 そのため細かく繋ぐタイプの工藤、矢田、小島などはあまり評価されておらず、サイドチェンジが得意な田口、熊谷、高橋などを起用しているのではないでしょうか。
 また、大宮戦で下平をスタメンで、田坂を途中から右SBで使ったのも、CBでチャンや増嶋を起用したのも、後方でのサイドチェンジを期待したのかもしれません。


 サイドチェンジにおいては、高橋も大きく貢献していたと思います。
 視野が広くてサイドへの判断が早いだけでなく、強いボールをサイドに展開することができる。
 高橋の武器の1つと言えるのでしょうし、CKも任されていましたね。

 しかし、チームとしてはサイドチェンジを使っていく意図はわかるのですが、展開してどう攻め込むのかは意図もはっきりせず、工夫もなかったと思います。
 特に大宮はジェフのサイド攻撃を読んでいた印象で、シノヅカをシャドーで使い渡部をWBに置いたのもサイド攻撃対策だったのではないかと思うし、5バックの戻りも早かったのでサイドに振るだけではスペースを付けなかった。
 さらに、この日は中央でもクレーベがポストプレー時に潰されることが多く、外からも中からも攻撃が作れませんでした。


 ただ、結果的にではありますが、高橋があまり動かないこともあって、田口がボールを触る回数が増えた。
 これによって主導権を握れた田口は、より持ち味を出せたように思います。
 熊谷と田口だとプレースタイルが被って、どちらが指揮を執るのかわかりにくかったですが、熊谷が欠けたことによってチーム全体として整理出来た部分があったのかもしれません。

 ただし、それはあくまでも田口の持ち味を出しやすかったというだけであり、チームとしてそれがベストな選択肢なのかはわかりません。
 米倉もですが、キャプテンの熊谷も当然チームの主軸にならなければいけない存在ですし、田口とのコンビでよい関係性を作ることが理想となるでしょう。
 あるいは、どちらかをボランチから移して、他のポジションで起用する形を模索するか。

 若い高橋がサイドチェンジなどで可能性を見せたことは、年齢層が高いジェフにおいて嬉しいことでもあります。
 熊谷の状態次第ではありますが、多少我慢してでも高橋を使ってほしいなとも思います。
 ただし、チーム全体の状態が悪ければ若い選手を我慢して使うことも難しくなり、若い選手自身もプラス面は少なくなるかもしれないわけですから、まずはチームの状態を上げていくことが何よりも先決ですね。