豪雨の影響が心配された山形戦ですが、無事開催となりました。
九州を中心とした大規模な豪雨災害が起こって、私の知り合いの家も被害を受けてしまいましたが、本当に辛い出来事が続きますね。
新型コロナウイルスの件も含めて何が起こってもおかしくないのだろうなと改めて思いますし、そんな中でも試合を運営してくれる関係者や選手、スタッフには改めて感謝しなければいけないと思います。
さて、連戦の中日となってジェフですが、今回はサブも含めてメンバー継続となりました。
こうなってくると、前回のターンオーバーはどういった意図があったのか不思議に思う部分もありますね。
単純に選手を試したかったのか、選手の見極めが出来てきたことで、顔ぶれが固まりつつあるのか。
それにしても極端な印象もありますが、山形戦でなかなかカードを切らなかったことからも、今のメンバーがベストと考えているのかもしれませんね。
しかし、それでも攻守に詰めの甘さが見られたというか、力強さを感じるには至らない印象を受けます。
まずはこのメンバーをベースに、どう熟成していくかでしょうか。
■ボールを保持するもチャンスは作れず
前節甲府に敗れたジェフですが、スタメン、サブ共に同じメンバーとなりました。18人全員が変わらなかったのは、今回が初となります。
勝点を伸ばせない山形は、ここまで全試合先発してきた元ジェフ栗山、大槻に加えて、渡邊凌磨も控えに。
本田、小野田もメンバー外になって、代わりに野田、ヴィニシウス、南が今季初スタメン、岡崎、末吉もスタメン復帰。
左WB山田、右WB末吉に戻り、岡崎がアンカーで南と中村駿のインサイド、ヴィニシウスと山岸による3-5-2になりました。
立ち上がりは、一進一退。
山形は積極的にショートパスを繋いでいくスタイル。
ジェフはいつもよりもプレスをかける意識が高く、長いボールで縦に早く仕掛けていく。
16分にはジェフの攻撃。
中盤の混戦状態から、為田がボールを奪います。
思い切ってミドルシュートを放ちますが、バーの上。
27分には山形の攻撃。
山田からのクロスを、山岸がワンタッチで繋ぎます。
ヴィニシウスがシュートまで持ち込みますが、GK新井が対応。
その後も大きな動きのない展開に。
山形は狭いところを繋いでいこうとしますが、最後の精度がもう1つ。
ジェフの方がボールを保持する時間が長かったですが、長いボールが多く確実性に欠きます。
41分には山形のチャンス。
中村から山田に展開すると、山田が持ち上がりマイナスのパス。
中村がスルーして南が受け、最後は山岸がシュートを放ちますが、GK新井の正面。
その直後、クレーベが痛んでソロモンを投入。
その後もスコアは動かずに前半を終えます。
■山形に攻め込まれる展開も両者無得点
47分、ジェフの攻撃。後方からのボールをソロモンが胸で落として、山下が受けます。
そのまま長い距離を持ちあがりシュートを放ちますが、ゴールの左を逸れます。
51分には山形の攻撃。
右サイドで岡崎、熊本、末吉などがテンポよくパスを繋ぎ、最後は南がフリーになって中盤からミドルシュート。
しかし、枠を捉えきれず。
55分、ジェフの攻撃。
左サイドの大外から安田がクロス。
山下がファーでヘディングシュートを放ちますが、力なくGK櫛引がキャッチ。
そこからは、山形が攻め込む時間が続きます。
山形はラストパスさえ通れば、決定機という場面を何度も作っていきます。
64分、山形はヴィニシウスと南を下げて、大槻、渡邊を投入。
69分、ジェフの攻撃。
安田のクロスから、こぼれたところを為田がボレーシュート。
強力なシュートでしたが、GK櫛引がセーブ。
74分にはセットプレーからジェフのチャンス。
中盤左から、矢田がボールを上げると、田口が頭で合わせます。
しかし、GK櫛引の正面。
その直後には、山形の攻撃。
山岸の落としを受けた中村が、ゴール前に斜めのスルーパス。
大槻が飛び込んでシュートを放ちますが、鳥海がスライディングでカバー。
80分、山形は山田に代えて加藤を投入。
同時にジェフは矢田、為田を下げて、米倉、船山を投入。
お互いに同じポジション同士の交代となりました。
82分には山形のチャンス。
左サイドからのCK、中村が蹴ると、GK新井が目の前に弾いて選手に当たってしまいます。
大槻がフリーでシュートを放ちますが、大きく外れます。
89分、ジェフは山下を下げて見木を投入。
見木が前線に入りました。
その後もお互いにチャンスは作れず、スコアレスドローで試合終了となります。
■お互いにパッとしない試合に
前半は思ったよりも、ジェフがボールを持つ展開となりました。山形も後半から前に出てきた印象がありますし、ある程度ボールを持たせるプランだったのかもしれません。
ただし、ジェフは甲府前半のように、縦パスを何度も出せるような状況とはならず、長いボールが目立つ攻撃となってしまいました。
山形は5-3-2のシステムで、2トップがジェフのCBにプレスをかけ、3ボランチでジェフのボランチを見つつ、外に出ていく守備をしてきました。
これによってジェフはボランチが前を向けなかったし、CBからボランチへのパスも出せなかった。
やはり甲府はボランチに簡単にボールを持たせすぎていたため、ジェフがあれだけパスを出せたのでしょう。
その分、SB安田が前を向いてボールを持てる展開とはなりましたが、そこから前線に長いボールを蹴り込むような攻撃が多かった。
これでは攻撃が雑になってしまい、相手DFが跳ね返せばいいだけの展開になってしまう。
山形は3バックで中央を固めるシステムなわけですし、単調なボールだけでは打開が難しい。
一方、ジェフの守備においては、いつも以上に前への姿勢を見せていた印象を受けました。
それだけ山形のパスワークを警戒したのか。
あるいは、山形のパスワークは、プレスをかけていけば問題なく対処できると判断したのかもしれません。
実際、山形はショートパスを繋ぐ意識は強いものの、慌ててパスを出してパスミスをすることも多かった。
昨年までは守備的なカウンターサッカーだっただけに、まだパスサッカーを構築する上では道半ばという部分があるのかもしれません。
ただ、それでも狙い通りの良い形を、何度か作れていたと思います。
それでもゴールに至らなかったのは、最後の部分でパスにこだわりすぎている部分もあるのでしょうが、単純にストライカータイプがいないことも大きいのではないでしょうか。
昨年は阪野、ジェフェルソン・バイアーノとCFがいて、特にバイアーノは困った時にゴールを決めてくれていたところも大きかった
ヴィニシウスはバレンシアやサラゴサでプレーした実績がある選手で、真面目に守備もするタイプではありますが、ガツンと相手に勝てるタイプではないように思えます。
ただし、それでもゴールまでの"道筋"が見える攻撃を見せている分、チームとしてはジェフ以上に狙いが見えていたのではないでしょうか。
対するジェフは前半から前への姿勢がいつもより強く、先制して逃げ切ろうというプランだったのかもしれません。
しかし、具体的な攻撃と言うと、やはりセットプレーとクロスからの展開ばかりになってしまうところがある印象です。
そのプランで前半ゴールを奪えずにいると、後半足が止まって相手にボールを持たれてしまう。
それでもカウンターが狙えればいいのでしょうが、カウンターがないだけに悩ましい状態となってしまいますね。
この試合でも選手交代をしても、あまり変化はなかったように思います。
また、守備でも山形はサイドに相手を開かせておいて、そこからバイタルエリアに繋いで落とすという展開を何度も作っていたのですが、そこで簡単にバイタルエリアに出させていいのか。
特に田口の裏を取られることが多かったですが、あれでOKとすべきなのか悩ましいところがあると思います。
ジェフは山形の最後のプレーの質に助けられたところも多かったと思いますし、山形も可能性は見せつつも今回もゴールは奪えなかったということで、どちらのチームにとってもパッとしない試合だったのではないでしょうか。