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前後のギャップを作って攻略する徳島と引いて守るジェフの対戦

 過密日程の続くJ2ですが、ブログの方もこの過密日程に合わせた書き方に、慣れてきたように思います。
 普段は試合後5回程度に分けていた文章を、2回でまとめなければいけないわけですから、どうなるかと不安だったのですが、意外となんとかなるというか、やればできるものですね。
 今度は週5回に戻す時に、悩むかもしれませんが。

 ただ、体力的に思ったよりもしんどいです。
 結果的に週5回更新を週4回でやらせてもらっているのですが、試合間隔が短い分試合の見直しなども大変ですし、他チームのチェックもドンドンこなしていかなければいけない。
 私なんかでも苦労しているわけですから、選手や関係者はもっと苦しいでしょうし、大変だとは思いますが頑張ってほしいですね。


 さて、真夏の5連戦、ラストは徳島と対戦します。
 前節長崎戦では相手のパスワークに苦戦したジェフでしたが、ここから徳島、北九州とパスサッカーで結果を残してきたチームと対戦します。
 何度か話していますが、リカルド・ロドリゲス監督率いる徳島のパスサッカーの特色は、前を向かせることがうまいことだと私は思っています。

yukkuriikou.hatenablog.com

 上記のリンク先では前への動きを使ってスペースを作り、そこから左右に振ってチャンスメイクをしています。
 ここでも最終的に前を向かせて仕掛けさせることによって、2列目のアタッカーを活かしている。
 そこがチームとしての目標なのではないかと思います。


 再開後に徳島の試合を見て改めて感じたのは、徳島のパスサッカーの場合、前を向かせるために、左右だけでなく前後のギャップを作るのがうまいこと。
 例えば後方でじっくりパスを繋いで、相手を引き出しておいて縦にパスを出したり、前線や2列目が中盤前方でボールを受けて落とし、ボランチが前に出ていって前後が入れ替わったり。
 あるいは単純に、DFライン裏への走り込みを使って仕掛けたり…と、縦の幅を使って相手を攻略しようとしている印象があります。

 それを今季はより深めていこうとしているのか、GKからのビルドアップがさらに増えているように見えます。
 5レーン理論が主流になって左右の幅を意識するチームは多いと思うのですが、徳島は前後のギャップも上手く作って攻撃しようとしている。
 選手の動きも流動的で左右だけでなく上下に動いてくるし、最終的なボール運びの狙いが明確だからこそ、強い意図を感じるパスが多いですね。


 片やジェフは後方に下がって裏のスペースを消す守備が基本ですから、徳島がそのジェフを相手にどういった攻撃を仕掛けていくのか。
 いくらジェフが後方を埋めたとしても、ピッチの広さは平等ですから、別のところにスペースが出来る。
 要するに極端に裏を埋めればその分ボックスの前などは空くわけですから、そこから徳島が崩せるのか、ジェフが耐えるのかという展開になるのかもしれません。

 そのボックスの前で簡単にボールを持たせたことで、相手に自由に攻撃を作られ苦戦したのが長崎戦ということになります。
 長崎は磐田と同様にボランチの一角が下がって後方3枚になり、2トップ脇を起点としてビルドアップをしてきました。
 これがジェフ戦での基本となりそうですね。


 リトリート時のジェフは2トップが中央から動かないため、中央は厚くなるけれどその分2トップの脇は甘いので、そこから攻撃が作れてしまう。
 さらに長崎はSBが高い位置を取ることによって、ジェフのSHを食いつかせ全体を押し下げて、さらにビルドアップしやすい状況を作った。
 ジェフのSHがSBが釣られれば中盤も空いてくるわけで、ジェフとしてはかなり苦しい状況になっていたと思います。

 試合後の感想に関して、少しわかりにくいかなと思ったのは前線からのプレスに関して。

yukkuriikou.hatenablog.com

 長崎戦後半のように、ハイプレスをかけて戦うべきだという意見ではありません。
 あれはスクランブルでの戦い方であって、メインの戦い方は引いて守るスタイルでしょうから、2つは別物と考えるべきでしょう。


 あくまでもリトリートした状態で、どうプレスをかけていくのかという話。
 本当かどうかはわかりませんが、現在主流になっているリトリート状態でプレスもかける守備を、初めに構築したのがモウリーニョ監督だったという見方もあるそうです。
 リトリートした状況でも、パスの出し手である相手後方の選手を睨む形でパスコースを消したり、バックパスや横パスに反応して詰めていったり、少しずつ圧力をかけてサイドに押し込んでいったり、といった守備を構築しなければいけないのではないか。

 攻め手から見ると、ポゼッション率の高かったエスナイデル監督体制の中でも特に2007年などは、相手のプレスが甘ければキム・ボムヨンからのロングパスでチャンスを狙えたけれど、相手のプレスがきつければそれだけで攻撃が作れなくなり慌てて崩れてしまった。
 相手から見れば、守備で問われるのは後方の守備ではなく、むしろ前からのプレスだったわけで、現在サッカーではプレスの構築こそ監督の手腕が求められる要素ではないでしょうか。
 だから、尹監督が後方を固めることを第一に意識付けることによって"守備意識"を高めたことには間違いないですが、堅い"守備組織"を構築したかというとまだピンと来ないところがあるというのが正直な感想です。


 対戦相手の徳島に関しては、現在3位と好位置に付けますが、前節岡山戦で0-0の引き分け、前々節甲府戦も1-1の引き分けで、若干足踏みしています。
 その前の町田戦も1-0の勝利と、得点を伸ばしきれていないのが悩みと言えそうです。
 ここ数戦は運動量が落ちている印象で、ボールをスムーズに動かせていないように見えます。

 また、岡山は積極的なプレスで徳島のビルドアップを封じ、甲府などもなるべく最終ラインを高く維持して戦った。
 プレスや高いラインによって、徳島に長いボールを蹴らせてミスを誘発する…というのが、徳島対策なのかなと思います。
 逆に考えると楽にショートパスを繋がせてしまうと、苦しい展開になるということなのかもしれませんが、ジェフはどう対応できるのか。

 当然、連戦の最終戦ということで、お互いのコンディションも重要な要素だと思います。 
 長崎戦でのジェフはボックス間を埋める中盤のポジショニングなどにも問題が出ていた印象がありましたし、フルメンバーに戻せばそれが改善されるのか。
 長崎戦では相手のパスワークに苦戦しただけに、徳島の攻撃をどう止めるのか問われることになるのではないでしょうか。