徳島戦で見られた2トップ間を取られる守備と3バックの守備の課題

 5連戦の最終日は、ホームで行われた徳島戦。
 試合終盤にCKから失点し1-2で敗れた試合でしたが、失点は時間の問題といった印象もあり、敗戦は妥当だったようにも思います。
 GK新井のファインセーブなければ、もっと早くに試合が決まっていたかもしれません。

 ただ、全体的な試合内容で言えば、そこまで悪い出来ではなかったようにも思います。
 前節長崎戦は遠方アウェイでBチームで戦っていたこともあって、相対的に徳島戦は良く感じたのか。
 また、昨日も話した通り、徳島戦ではカウンターでいくつかチャンスを作っていただけに、可能性を感じた部分もあったのかもしれません。

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 ただ、守備に関しては課題も感じ、この試合でも長崎戦に続いてボックスの間を取られる場面が目立ったと思います。

 ジェフは前節長崎線の反省を活かしてか、サイドに対してはSHではなくSBが出ていくようになった。
 あるいは、長崎はSHとSBがサイドにいたためSBが外に出にくかったですが、徳島のシャドーは内寄りに位置取りすることも多いので、SBが外に出ていっても問題ないと判断したのでしょうか。
 しかし、外の守備はそれである程度改善したものの、徳島の中央突破の攻撃に対して課題が感じられたように思います。


 例えば、29分の徳島の決定機。

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 徳島が後方でパスを回していたところから、CB石井がジェフの2トップ間を通す縦パスを出します。
 それを中盤の底で岩尾が受けると、さらにそこからバイタルエリアの渡井に縦パス。
 渡井は少し持ち上がってDFライン裏にスルーパスを出すと、右サイドから走り込んできた杉森が受けてGK新井までかわしますが、安田がゴール直前でシュートをブロックしました。

 今年の尹監督体制が始まってから、ずっと違和感を覚えるのが、2トップの間で簡単に縦パスを通させすぎなのではないかということ。
 間を取られることが多くその1つとも言えるのでしょうが、普通は中央での縦パスこそ通されたくはなく、そこを警戒して外に相手ボールを追いやるのがセオリーではないでしょうか。
 2トップ間を通されてもあまり選手が慌てないことが多いことからも、出させてもいいと判断しているような気がします。


 しかし、2トップ間で縦パスを通されれば、今回のようにボランチが中盤の底で前を向けてしまう。
 白い円のエリアでボールを持たれれば角度がある分、左右にも縦にもボールを展開出来てしまいます。
 誰かがFWの後方を第二のバイタルエリアなどと言っていたのを目にしましたが、それほどまでに警戒しなければいけないのではないかと思うのですが…。

 長崎戦でも2トップ間を取られて、ボランチの加藤が中盤の底で展開しチャンスを作られたシーンがありました。
 昨日話した2つ目の図もそれに近い展開ともいえますし、中盤でゲートを閉じられないだけでなく、2トップ間も閉じられていない印象です。
 これもポジショニングの問題だけでなく、相手CBが自由にボールを持てているからこそ、狙いすました縦パスを供給出来ているところがあるのではないでしょうか。


 他にもいろいろ気になるシーンはありましたが、個人的に気になったのが3バックに交代した直後の75分。
 徳島が決定機を迎えたシーンです。

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 徳島は岩尾、小西とボランチでパス交換をして縦へ。
 渡井がボックスの間で受けて、前を向きスルーパス
 垣田が完全に抜け出しシュートを放ちますが、GK新井がファイセーブを見せています。


 ジェフのポジションを見ると、5-1-2-2にも5-1-4にも見えるバランスの悪い隊形となっています。
 なぜこうなってしまったのか悩んだのですが、ジェフは4-4-2でもFWやSHが前に出て、プレスをかけることを前提としていない。
 その分どうやって相手ボランチなどが中盤後方で受けた時に対応するのかというと、ジェフのボランチが前に出て対応する。

 このシーンでも中盤中央で岩尾がボールを持つと、右ボランチの見木が前に出ていっている。
 この時のFWは守備に不安のあるクレーベだったため、なおさら見木が前に出る必要があったのかもしれません。
 しかし、それによって中盤は1人、欠けることになります。


 しかも、ジェフはボランチが前に詰め寄る時には、もう片方のボランチが下がってバランスを取る約束事になっている。
 これはちばぎんカップから気になったのですが、そうなると1ボランチ脇のスペースがどうしても空いてしまいます。
 1ボランチだけ下がるから、両SHの後方が空いてしまうし、この場面でも田口は右のスペースも気になって、左の渡井への対応が遅れてしまったように思います。

 ボランチが前に出ていったとしても、もう片方のボランチが下がるのではなく、両SHが絞って3枚で埋められればいいのでしょうが、そういった意識はあまり感じられません。
 その結果、中盤中央後方の大事なエリアを、ボランチの一角が守らなければいけなくなる。
 相手からすればうまくボランチを引きしさえすれば、楽に間を取れて決定機が作れてしまうということなのかもしれません。


 それでも4-4-2なら2ボランチの前に2トップが構えるから、ボランチが前に出ていく回数も減るかもしれません。
 しかし、このシーンでは1トップで、しかも、クレーベが守備に関与できていないため、、見木が前に出ていくことなってしまった。
 しかも、中盤中央の角度のあるエリアでボールを回されてしまっているため、余計に守備の的を絞りにくくなってしまっています。


 3バックでの逃げ切りを好む尹監督ですが、個人的には5-4-1よりも4-5-1で守り切る方法を探った方がいいのでは…とずっと思ってきました。
 もちろん後方に守備的な選手を増やした方がいいという発想なのでしょうし、長崎戦のようにサイドで相手についていくと、全体が押し込まれるし中央が空いてしまう。
 だから、5バックで中央を増やして跳ね返しつつ、サイドも対応しようという考えなのかもしれません。

 しかし、4-4-2から5-4-1にすれば、横は良くても縦には弱くなるかもしれない。
 ようするに、中盤から前の人数が欠けるわけですから、さらに間を取られる可能性が高まってしまう。
 今までは跳ね返すだけで良かった相手でも、徳島のようにしっかり間を取ってチャンスが作れる相手では、5-4-1では厳しかったということでしょう。

 4-5-1の3ボランチにすれば、ボランチ1人が前に出ていっても、2人で穴を埋めることが出来る。
 それが4-5-1のメリットだと思いますし、尹監督の約束事にもあっていると思います。
 実際、4-5-1で逃げ切りを狙った試合もありましたし、あれは理に適っているのではないかと思っていました。


 それでも4-5-1をやめたのは、そもそもの発想の違いなのかもしれません。
 尹監督はプレスをかけられなくても、間を取られようとも、ともかく後方で跳ね返すことを最優先で考える。
 だから、徳島戦でも早い段階で3バックにシフトしたのではないでしょうか。

 しかし、一昔前なら試合終盤はパワープレーが多かったので、それでよかったのかもしれない。
 けれども、今はパワープレーも効率が良くないと言われているし、間で受ける攻撃が当たり前となっている時代。
 果たして、その守備のコンセプトで、堅守を構築できるのかが大きなテーマとなってくるのかもしれませんね。
 そこを通されていいの?と思うことが多いのも、今のトレンドとは少し外れているからなのかもしれません。