前にもお話しましたが、AチームとBチームには力の差があって、Bチームだとやっぱり厳しくなる傾向がありますね。
京都も決していい出来ではなかったと思うのですが、それでも明確に相手との力の差が出てしまいました。
ジェフは戦力が豊富でメンバーを入れ替えても戦えると言われていたこともありますが、決してそう甘くはないなと感じます。
それでもターンオーバーをしている分、Aチームは休めているわけですから、福岡戦などは確実に勝たなければいけなかった。
一方でBチームも負けていいというわけではないですし、もう少し最後の粘りを見せてほしかったと思います。
いつまでもBチームにチャンスがあり続けるとは限らないですし、アピールするチャンスでもあると思うのですが、明確に2チームを分けているからこそ、モチベーションに問題が生じている部分もあるのでしょうか。
前節は試合終盤に失点し勝点を失ったジェフですが、今回の京都戦では前半終盤に2失点を浴びて敗れています。
これまでもジェフはAチーム、Bチームに限らず、前半の飲水タイムから流れが悪くなる傾向があります。
しかし、これも気持ちだとか油断などというよりも、単純に立ち上りから飛ばしているから、45分間持たないという部分があるのではないでしょうか。
かといって、最初から飛ばさなければいいのかというとそうではなく、前半からハイペースで戦わないと相手に押し込まれてしまう。
押し込まれると相手ペースになって苦戦してしまうという恐れから、キックオフから激しくいこうという意識があるのではないでしょうか。
要はそれだけ余裕がない状況で戦っているのではないかといった印象で、全体的に苦しい試合が続いている印象を受けます。
戦い方は固まってきているように思いますが、それでも5試合勝ち星から遠のいている上、複数失点も継続ということで、厳しい状況が続いていますね。
■前半終盤に京都が2点を奪い折り返し
ジェフは前回Bチームで戦った8月19日の長崎戦から、増嶋が控えに回り、小島、高橋がメンバーから外れて、鳥海、熊谷、見木がスタメン。久々にアランがベンチ入りし、川又も控えに復帰しました。
京都も前節はお休みしていたウタカや庄司、飯田、ヨルディ・バイスなどが復帰。
レナン・モッタも久々にスタメンに入り、ウタカとモッタの2トップで、庄司が1ボランチの3-5-2。
前節スタメンだった2トップの李忠成や野田は、メンバー外となりました。
10分、ジェフの攻撃。
本村が相手のパスミスからボールを奪って、そのままミドルシュート。
しかし、GK若原の正面。
17分、ジェフのチャンス。
中盤で熊谷がボールを奪いに行ったところから、ソロモンがキープしてマイナスのパス。
矢田がミドルシュートを放ちますが、GK若原がセーブ。
このプレーで熊谷が痛めてしまい、田坂と交代します。
立ち上りはジェフが積極的に前に出ていきましたが、10分過ぎから京都がボールを持つ時間が伸びていきます。
しかし、京都もバイスからの長い展開とウタカの個人技はあるものの、細かな攻撃は作れずお互いに停滞状態に。
27分には京都の攻撃。
左サイドで18歳の谷内田がボールを持ってクロスを上げると、4人に囲まれながらも切り込んでラストパス。
モッタがシュートを放ちゴールネットを揺らしますが、オフサイドの判定。
このプレーから京都がペースを上げていき、33分にも京都のチャンス。
飯田からのパスを受けたウタカが、左サイドへの大きな展開を出して黒木がクロス。
ウタカが折り返し、フリーの飯田が足元で合わせますが、GK新井の正面。
その直後にはジェフの攻撃。
GK新井からのロングフィードを、ソロモンがすらして為田へ。
為田が持ってミドルシュートを放ちますが、枠をとらえられず。
39分に京都が先制。
GK新井から下平へ繋いだところで、モッタが猛烈なプレス。
下平がボールを奪われると、ウタカがシュートを放ちゴール。
42分にはジェフの攻撃。
為田とのパス交換から、見木がドリブルで仕掛けていってシュートを放ちます。
しかし、GK若原の正面。
前半AT、モッタが負傷交代し福岡が入って、福岡がインサイドに入り谷内田が前線へ。
その直後のプレーで、京都が追加点。
モッタが走り込んで得たCKを黒木が蹴ると、ニアで軌道が変わりファーでバイスが押し込んで0-2とし、折り返します。
■ジェフがボールを持つもチャンスを作れず無得点
ジェフはHTで、寿人を下げて川又を投入。しかし、流れは京都で、48分にも京都の決定機。
バイスの鋭いサイドチェンジから黒木がクロスを上げると、フリーな谷内田が頭で合わせますが、ゴールの右。
55分にはジェフの攻撃。
見木のアーリークロスに、ソロモンが走りこんでヘッド。
しかし、大きく枠をそれます。
60分、京都はウタカを下げて、荒木を投入しそのまま前線へ。
66分、ジェフは為田、矢田、ソロモンを下げて、米倉、アランを工藤を投入。
アランが左、米倉が右、工藤が前線に入りました。
その直後、ジェフの攻撃。
右サイドの本村からのクロス。
アランが飛び込みますが、バイスが跳ね返します。
60分頃からジェフがボールを保持する時間が続きます。
しかし、シュートチャンスすら作れず、クロスはバイスに跳ね返されます。
79分、中野、長井、安藤が入って、谷内田、曽根田、飯田が下がりました。
81分にはジェフのチャンス。
田坂が前線でのこぼれ球を拾ってミドルシュート
しかし、バー直撃でゴールならず。
86分、ジェフの攻撃。
左サイドのアランからのクロスのこぼれ球を見木が狙いますが、シュートは力なくGK若原がキャッチ。
試合終盤もジェフはチャンスを作れず、0-2のまま敗戦となりました。
■明確な狙いが作れていないため単調な攻撃に
京都もそこまで、スムーズに戦えている印象はありませんでした。前半からバイスと庄司がいるため、後方で回すことはできていたと思います。
しかし、攻撃時は3-1-4-2のようなシステムで、ウタカとモッタは前線に張る。
しかも、シャドーの2人も下がって受けるような動きは少なかったため、どうしても前に人数が多く、後方から近くにパスコースがなかった。
そのため、長いボールが多くなり、大味な展開が増えていたと思います。
守備でもウタカが守備をしないので、残りのメンバーで守る形となる。
さらに5バックで守っているため、どうしても押し込まれやすい状況に。
攻撃時は前に人数が多く、守備時は後方に人数が多いということで、バランスの悪くなりやすい状況だったと思います。
それでも、やはりウタカには一発がある怖さがある。
ウタカは得点能力が高いだけではなく、個人技でのキープやポスト、チャンスメイクもできる分、ボールを預けておけば何かを起こしてくれるという期待感がある。
例え流れが悪くとも、1つのボールで状況をひっくり返してくれるだけの力のある選手だと思います。
そのウタカの存在もあって、周りの選手はウタカの近くにいたいという思いが生まれ、結果的に動きが少なくなったところもあったのでしょうか。
単純にコンディションの問題もあるのかもしれませんが、せっかくインサイドに2人を置いてもハーフスペースで受ける動きが少なかったですね。
ボール運びにおいてもどうしてもウタカにボールを集めてしまい、バリエーションが狭まってしまう印象があって、やはり諸刃の剣だなと感じる部分がありました。
ただ、そのウタカのカウンターが怖くて、結果的にジェフの後方が前に出にくいところもあった。
いわゆるピン止めなどと言われる光景ですが、ウタカが交代してからジェフがより前に持ち込みやすくなったのはそういった影響もあったと思います。
本来ならばウタカを変えてもっと前へプレスに行くべきだったのではないかとも思いますが、今日はFWがベンチに1人もいなかったので、その難しさもあったのかもしれません。
それでも、ジェフはチャンスが作れなかった。
バイスなどの能力の高さもあったでしょうが、それにしてもジェフの攻撃は工夫がなく怖さを感じませんでしたね。
この日もサイドからのクロスが多く、相手を崩すということができなかった。
攻撃の狙いが明確に作れていないので、このタイミングでペースを変える、このタイミングで前に出ていくといった攻撃のスイッチができていない。
攻撃が単調でこうなってくると、前節も2点を取ったとはいえ、どちらもFKからだったわけで、やはり攻撃の質の問題がより強く感じてしまいます。
今回はBチームだったとはいえ、戦い方は変わっていないと思いますし、田口と堀米のプレースキックに頼っている問題が、浮き彫りになってしまったのかもしれません。
これでジェフは、5試合勝ち星なし。
前節までのAチームはコンディションは良さそうでしたが、それでも勝点を伸ばせなかった。
調子が良い期間でも勝点を稼げないというのが、現状での力のなさだと思います。
京都も運動量には問題を感じましたし、長崎、徳島、北九州の上位連戦から考えると、やはり福岡、京都は若干落ちる印象もありました。
それでも勝ち星を挙げられていないわけですから、厳しい状況にいるように思います。
夏の過密日程ということでターンオーバーも仕方のない部分もあるとは思いますが、ここ最近はあまりうまくいっていない印象ですし、気温が落ち着いていけばやり方を変えていく可能性もあるのでしょうか。