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積極補強をしタレントが揃う7位新潟との対戦

 少し前の話になりますが、Jリーグの夏の移籍ウインドーが8月28日で閉じられました。
 しかし、新型コロナウィルスの影響で各クラブの経営が厳しいためか、あまり動きは多くなかったように思います。
 今年は10月にも特例となる移籍期間が設けられましたが、過密日程による消耗に対する緊急補強か、優勝や昇格を狙う一部クラブしか大きく動かないかもしれませんね。

 そんな中でも、積極的に動いたのが新潟でした。
 経営難を公表していただけに意外な動きでしたが、C大阪から中島、浦和から荻原、湘南から福田、清水から鄭大世を補強。
 それぞれ早くも戦力として、チームに貢献しています。


 鄭大世の加入が話題となりましたが、そもそも今季の新潟は戦力が豊富な印象で、特に攻撃陣は渡邉新太、シルビーニョ、ファビオなどタレント揃い。
 それよりも若干手薄な印象もあった左SB荻原や中盤の福田、中島の方が、効果は大きいのかもしれません。
 外国人選手の補強もあたっている印象で、今季就任した玉乃GMがうまくやっているのでしょうか。

 今年の新潟は、バルセロナでスカウトやアカデミーコーチも務めたアルベルト監督が就任。
 現在6勝8分3敗で7位と、まずまずの好位置につけています。
 開幕戦では縦へ急いだボールが多かった印象で、正直あまりいい状態ではなかったようにも思えました。

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 しかし、中断後はその縦への早いボールだけではなく、後方で素早く左右に回す。
 それによって相手を広げておいて隙を作って、FWへのくさびのパスや裏へのボールを狙う。
 前の選手が相手を背負って食いつかせて他の選手が受けるといったパターンも多く、雑な縦へのボールは減って意図を感じる攻撃を作れている印象があります。


 守備においても前からのプレスを連動して実施しており、攻守に攻撃的な姿勢を見せていると思います。
 ただ、失点数22は上位争いの中では多く、守備が課題となっている印象です。
 特にボランチとCBの間が空きすぎたり、逆にサイドを攻め込まれるとボランチがDFに吸収されたりと、中盤とDFの関係性に問題があるのかもしれません。

 それでもタレントは豊富で、戦力でいえば現在のJ2でもトップクラスではないでしょうか。
 頻繁にメンバーを入れ替えている傾向にあるので、その試合によっても戦力は異なるでしょうが、今年チームが昇格できなければ渡邉新太や本間は個人昇格もあり得ると思います。
 それだけに、クラブは今年昇格を決めてしまいたいという思いもあるのかもしれません。


 ジェフも手薄なSBや広範囲を守れるボランチなどは、補強がほしかったところではないかとも思います。
 欲を言えば、前線で守備をできるFWや万能なSHも必要ではないかと思いますが、新型コロナウィルスの影響も考えれば仕方のない部分もあるでしょう。
 むしろ中途半端に補強するよりは、若手を育てるべきではないかと思います。

 J2に降格してからのジェフは、そうやって中途半端に選手を集めては若手の芽が出ず、チーム全体も成長できずに終わってきました。
 今季は久々に一部補強が成功したと思えるのは、田口やGK新井が中途半端な選手ではなく、チームを引っ張れるほどの選手だからだと思います。
 ただ、2人とも30前後のベテランといえる年代ですから、何年期待できるかはわからないという不安もあるでしょう。

 理想でいえば中堅や若手が主軸になって、ベテランが支える構図を作りたいところ。
 それだけに、田口などが活躍しているうちに、チームを引っ張ることができる若い存在に出てきてほしいところですね。
 過密日程もあって若手にチャンスは回りつつありますが、まだそこまでの選手は出てきていないですし、今回対戦する新潟や前節戦った京都などはその点で羨ましいところがありますね。


 京都戦でのジェフはBチームで戦いましたし、新潟戦は主力と思われるAチームで勝負するのではないかと思います。
 ジェフのホームですし、勝ち星から遠ざかっている状況ですから、何とか結果がほしいところ。
 ただ、新潟も前節はメンバーを大幅入れ替えているだけに、今回は主力選手を戻してくるということかもしれません。

 また、ジェフはパスサッカーの相手を、苦手とする傾向もあります。
 新潟も相手の間を狙うというよりは、ポストや裏抜けを狙った攻撃が多い印象もありますが、基本的にはパスをつないでくる相手。
 順位もジェフより上ですし、苦しい試合となる可能性も考えられます。


 前節新潟と対戦した磐田は、立ち上りから積極的にハイプレスをかけて、新潟のパスワークを封じてきました。
 さすがに90分間は持ちませんでしたが、前からのプレスとパスワークによって、なるべく新潟にボールを握らせないという作戦だったのでしょう。
 そこから磐田が3-1で勝利しています。

 ジェフは前からのプレスもパスワークも苦手なところがありますし、新潟の攻撃に対してどういった対応をとるかが、まずポイントではないでしょうか。
 細かな攻撃にも課題を感じていますが、ここ数戦は守備でも複数失点が続いている状況。
 堅守のチームを目指しておいて、毎試合複数失点では勝点が伸びていかないのも当然だと思います。

 攻撃においても守備においても、いかに細部にこだわって、丁寧に戦うことができるのか。
 そこがJ2に降格してからのジェフにおいて長年の大きな課題だと思いますし、今季もここまで克服できていない印象です。
 それが改善できなければ、堅守のチームを作り上げるのは無理でしょうし、丁寧に戦えるチームとして成長できているかが、今後のチームにおいて注目すべきテーマとなるのではないでしょうか。