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『ショートカウンター指数』がJ2最低のジェフ

 このブログでは「ジェフはカウンターを作れていないのが課題」と何度か話しており、時折DAZNの実況などに「ジェフはカウンターが武器」といわれると疑問に感じていました。
 しかし、それだけではいずれも印象論でしかないわけで、実際の数値で見てみようというのが今日の企画です。
 数値"だけ"でサッカーなどのスポーツを語るのはどうかとも思いますが、理論を証明するために数値を使うのは正しい在り方なのではないかと思います。


 今回使用するサイトは、Football LAB。
 J STATSと独自で収集したデータを使用して、Jリーグのチームなどを分析しているサイトですね。

www.football-lab.jp

 これまでにも何度か取り上げてきましたが、こちらのサイトは個人ブログなどなら引用元さえ明記しておけば、データやキャプチャーを使用しても構わないと書かれていますので、遠慮なく使用させていただきます。


 Football LABの各チームのページに行くと、「チームスタイル」の項目があります。
 さらに先に進むと「攻撃セットプレー」や「敵陣ポゼッション」などの項目があり、その中に「ショートカウンター」、「ロングカウンター」も並んでいます。
 そして、それぞれに、シュートまで至った「シュート率」と、「指数」が書かれています。

 この「指数」は何かと言うと、こちらに「攻撃の試行回数を素にした指数」と書かれています。
 例えば「ロングカウンター」の「指数」が高ければ、「ロングカウンター」を積極的に狙えているチームということになるのだと思います。
 その上で、ジェフのカウンターの傾向について、見ていきたいと思います。


 改めて、ジェフの「チームスタイル」を見ていきます。
 なお、データは10月25日までの試合を基にしたものとなっています。
 まず、「ロングカウンター」について。

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 『ロングカウンター指数』は、群馬に若干先を越され、京都と同じ数値となっているようです。
 J2では11番目タイということで、ちょうどJ2でも真ん中あたりの数値。
 とはいっても、金沢、町田などは『ロングカウンター指数』が飛び抜けていますし、福岡や栃木などと比べても見劣りしてしまうように思います。

 「シュート率」に関しては9番目の数値となっているようで、こちらも中程度となります。
 ただ、金沢や町田など『ロングカウンター指数』が高いチームは、それだけ「ロングカウンター」からの攻撃を狙っているため、シュートまで持ち込める確率が下がっていることも考えられます。
 ジェフは「ロングカウンター」の「指数」、「シュート率」ともに平凡な数値で、チームの武器とまでは言い切れない状況だと思います。


 一方、「ショートカウンター」に関しては。

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 以前紹介した"ストーミング"というスタイルを目指している栃木は、ずば抜けて『ショートカウンター指数』が高いことが分かり、狙い通りのチーム作りに成功していることがうかがえます。
 一方でジェフは、『ショートカウンター指数』が非常に低く、J2最低となっています。


 考えられる要因の1つは、単純にカウンターからうまく攻撃を作れていないこと。
 ボールを奪った直後の切り替えの速度や、そこからの人とボールの動かし方。
 ジェフの場合、リスクを嫌ってかボールを奪ってもセーフティな選択肢をすることが多い印象ですので、それが原因となっていることもあるでしょう。

 さらに「ショートカウンター」の場合、前からのプレスがうまくいっていないため、狙えていないという可能性もあると思います。
 ボールの取りどころが低いため、どうしてもプレスから速攻という展開が作れない。
 それもあって、安定した攻撃が作れていないのかもしれません。


 正直、「ロングカウンター」に関しては、数値上だと思ったよりも悪くはない印象です。
 しかし、一方で「ショートカウンター」に関しては、想像よりも酷い数値となっているように思います。
 両方を総合して、「カウンターが作れていない」というイメージに至っているのかもしれません。

 ただし、『ロングカウンター指数』に関しては、東京Vや徳島、北九州などポゼッションサッカーを目指しているチームは、数値が低くても構わないはずです。
 ジェフのように堅守をベースにしているチームは、より「ロングカウンター」が狙えなければいけないのではないでしょうか。
 実際、堅守速攻のイメージがある福岡、金沢、町田、栃木などは『ロングカウンター指数』が高いわけで、堅守からどういった攻撃に結びつけるのか、意図がはっきりしているということになるはずです。

 もちろん堅守のチームであっても、「ポゼッション」から攻撃が作れればいいのかもしれません。
 しかし、ジェフは予想通り「敵陣ポゼッション」、「自陣ポゼッション」からの数値も低い状況です。
 そう考えると、やはり"堅守速攻"における"速攻"の部分を磨きたいところではないかと思うのですが、果たしてシーズン終盤に向けて「カウンターが武器」と言えるチームに成長することができるのでしょうか。