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遠藤率いる磐田をフクアリで迎え撃つ

 5連戦の中日となる明後日の試合。
 ジェフはホームフクアリで、磐田と対戦します。

 磐田は今年の10月1日に、フベロ監督を解任。
 フベロ監督は5レーンを使ったビルドアップが印象的なパスサッカーを展開しており、そちら界隈のファンには人気があったようにも思います。
 しかし、ハーフスペースと大外を攻略するボール運びはできていたものの、そこから先に関しては物足りなさもあり勝ち点を伸ばしきれなかった印象でした。


 後任には2000年代前半の磐田黄金期に監督を務め、2018年からは新潟でも指揮を執った鈴木監督が就任。
 さらに10月5日には、G大阪から遠藤をレンタルで補強。
 鈴木監督就任直後の京都戦こそ敗れるものの、そこから首位徳島戦以外は無敗を誇っています。

 遠藤が加入してから、鈴木監督が指揮を執りJリーグを席巻した2001年のN-BOXにあやかって、E-BOXなどと表現する意見も目にしました。
 しかし、N-BOXはトップ下の位置に入った名波が守備時はボランチのエリアに下がり、その分ダブルボランチの服部と福西がサイドに開いてWBの裏をカバーするのが特徴だったはず。
 それによって藤田や奥など、本来はセンタープレーヤーであるWBが高い位置を取って攻撃に専念できるシステムで、それを可能にしたのはWBやCBもできる服部や福西の存在が大きかったのではないかと言われていました。


 しかし、現在の磐田は3バックが中心にはなりましたが、遠藤はボランチでプレー。
 名波のようにトップ下の位置から自由に動いて攻撃のタクトを振り、守備時は引いてバランスを取るという形ではないはずです。
 遠藤が主軸としてプレーしていることには間違いないですが、少なくとも当時のN-BOXとはかなり形が異なるというのが個人的な印象です。

 敗戦が少なくなっている磐田ですが、攻撃面よりもむしろ守備面での健闘が大きいのではないかと思います。
 前線から組織的にプレスをかけ、さぼる選手が少ない。
 4バックも併用していますが、3-5-2で激しくチェックに行く姿勢は、それこそ往年のJリーグのディフェンスといったイメージもあります。


 しかし、一方で11月8日の愛媛戦からは4試合連続で引き分けるなど、勝ちきれない状況が続いていました。
 ちょうど11月6日に、小川航基と船木が新型コロナウィルスに感染して戦線を離脱。
 18日には詳細は明かされていないものの2人の1週間の謹慎処分が発表されましたが、感染した際の会食に問題があったのではないかと言われているようですね。

 この件で選手7名にも濃厚接触者が出た上、石田にも陽性反応が出るなど、戦力的に厳しい状況もあるのでしょう。
 さらに今野、ルキアン、山本義道、大武など主力候補が相次いで負傷し、台所事情はかなり厳しい状況だと思います。
 コロナ関連の選手も含めて、今後どれだけ選手が復帰できるのかもポイントとなるのではないでしょうか。


 それとともに苦労しているのは、遠藤へのハードマークが当たり前になってきていることも大きいのかもしれません。
 磐田は遠藤がダメならCB伊藤からの展開で攻撃を作っている状況ですが、どうしても前線からの距離が離れてしまう。
 こうしてボランチのマークが厳しくなるとゲームメイクも難しくなるからこそ、日本代表でのオシム監督は遠藤を2列目で使って、そこではがせればビックチャンスという役割を期待したということでしょうか。

 引き分けの多かった磐田ですが、前節は琉球相手に3-0の快勝。
 この試合では琉球の守備に課題があって、遠藤などボランチエリアへの守備が甘くなり、そこから攻撃を作られてしまいました。
 さらに琉球が前に出てきた時には伊藤などから裏へのパスを出すなど、磐田のやりたい展開が実施出来た試合なのではないでしょうか。 


 裏狙いの攻撃が多く、大森、中野、三木、ルリーニャといったスピードある前線の選手たちにうまく合った狙いのようにも思います。
 そこに小川航基が絡んで、名誉を挽回することができるのか。
 五輪代表へのアピールという点でももう一歩という印象もありますし、頑張りどころなのではないでしょうか。

 厳しいマークにあっている遠藤も虎視眈々と、縦パスを狙ってチャンスを作ってます。
 技術はもちろんのこと一瞬の隙を付く視野はさすがですし、プレースキックも武器となっている上、移籍してから全試合でスタメン出場するなど、体力面にも問題はなさそうです。
 ぜひ来年もJ2を盛り上げるために残ってほしいし、遠藤を活かすためにも現体制のままの磐田をもう少し見たいところですが、他クラブのことだけに強くは言えないところがありますね。
 

 ジェフとしては、その遠藤と伊藤を止めるために、相手ボランチと相手CBへの守備をどう考えるのかが、重要な試合となるのではないでしょうか。
 ここ数戦、プレスに行ける時は行っているとはいえ、それでもFWのプレスは緩いことが多く、相手CBから展開される試合も少なくありません。
 プレスに行けない状況での後方のラインコンロトールなども含めて、守備が問われる試合となるのではないでしょうか。

 ここ4戦だけ見ると、3勝1敗と好調なジェフ。
 とはいえ、前節も最下位山口相手に危なげない勝利とまでは言い難かったですし、この調子が本物なのかどうか。
 ホームで遠藤率いる磐田を相手にも、結果が残せるのか注目ですね。