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船山の直接CKを守り切り1-0で甲府に勝利

 試合直前になって、ジェフは新たに1名の新型コロナウイルス陽性者が出てしまいました
 濃厚接触者はいないということで離脱者は1名のみで済んだと言えますが、心配になるのは今回の陽性者は先日出た陽性者の濃厚接触者ではなかったということ。
 ということは、今後も濃厚接触者以外から感染者が現れる可能性があるわけで、被害が増える懸念もあります。

 昨日も仙台に感染者が出たものの濃厚接触者がいなかったというニュースを見てつぶやいたのですが、現在は市中感染などが珍しくない状況になっているだけに、感染自体は仕方のない場合もあると思います。
 問題はその後の感染拡大をどう抑えるかだと思いますし、そのためにもなるべく濃厚接触者を増やさないことが重要となるでしょう。
 それだけにジェフの濃厚接触者が多かったことが心配なのですが、発症までしてしまったから多く出たのか、クラブや選手の行動にどこか不備があったのか気になるところですね。


 試合の方は、ここ数戦と同じような展開だったと思います。
 4-4-2で守っているのだけれど、じりじりと侵入されることも多く、相手のミスを待つような展開。
 そうなってくると、後は相手のパスワークによる攻撃の質次第で、そこが良かったのが磐田、東京Vですが、甲府はむしろ遅攻が苦手なチーム。

 だからこそ、守り切れた試合だったと言えるでしょうし、決していい守備で完封したといった印象ではない試合だったと思います。
 甲府もメンデスを前線起用したパワープレーの方が怖かったですし、ドゥドゥ、泉澤、ラファエルなど攻撃陣が不在だったことも大きかったように思います。
 守りの時間が長かったものの良い守備ができているのであればいいのですがそういった感じではないですし、この日も苦しい試合といった印象でした。
 ゴールを決めて勝利したはずの船山が、試合後のインタビューで苦虫を噛み潰したような顔をしていたのが、今のチーム状況を表しているのではないでしょうか。

■ジェフがチャンスを作るも無得点の前半

 新たな感染者が出たジェフですが、大きくメンバーは変わらず、熊谷がベンチスタートとなり高橋がスタメンに。
 前節出場停止だった見木は、メンバー復帰とはなりませんでした。

 ドゥドゥ、泉澤と攻撃の主力が負傷した甲府は、ラファエルもメンバー外になり金園が1トップで久々のスタメン。
 小林が右WBに入り、高さ対策なのかメンデスもCBに入りました。
 右シャドーに元ジェフの松田力、ベンチに元ジェフのベテラン山本が控えています。


 4分、ジェフのチャンス。
 ジェフのクリアを船山が拾って、クレーベが裏へ供給。
 アランが反応してシュートを放ちますが、枠の外。

 その後は動きの少ない展開。
 甲府がボールを握って攻め込む時間が続きますが、甲府は選手の動きも少なく良い攻撃は作れず。
 ジェフもプレスからボールを奪うという展開は少なく、カウンターに移行できません。


 16分には甲府の攻撃。
 左サイドに流れた宮崎からのアーリークロス
 金園が頭で狙いますが、シュートは力なくゴールの右へ。

 立ち上がりは甲府がボールを持つ時間が長くなっていますが、徐々にジェフも盛り返していきます。
 20分、ジェフの攻撃。
 中盤で得たFKを堀米が蹴ると、新井一耀が合わせると、相手DFにあたり、GK岡西がキャッチ。


 27分にもジェフの攻撃。
 GK新井からのロングフィード
 アランが頭で落としてクレーベがキープし、アランが入れ替わって左サイドを抜け出しシュートを放ちますが、角度はなく岡西がセーブ。

 その後は再び動きが少なくなっていきますが、39分にもジェフのチャンス。
 後方でボールを奪ったところから、高橋が堀米につなぐと右足でクロス。
 アランがボレーで合わせますが、ポスト直撃。

 その直後、甲府は金園が負傷交代して太田を投入すると、松田が1トップに回り太田が右シャドーに。
 その後も大きな動きはなく、比較的静かな展開で前半を終えます。

■セットプレーから先制しジェフが1-0の勝利

 前半勢いのなかった甲府は、HTで小林を下げて荒木を投入。
 後半から交付がボールを持ち、ジェフの守備が押し下げられる展開に。

 しかし、55分、ジェフがセットプレーから先制。
 左サイドからのCKを船山が蹴ります。
 すると、甲府のDFが触れず、そのままゴールに吸い込まれます。


 65分、甲府は内田を下げて山本を投入。
 山本がCBに入り、メンデスが1トップに入り、荒木が左WB、松田が右WBに。
 ここからはメンデスを目がけたロングボールも多くなり、運動量の落ちたジェフが押し込まれていきます。

 71分、甲府の攻撃。
 山本からのサイドチェンジのパスを受けた荒木がクロス。
 松田が頭で狙いますが、バーの上。


 75分にも甲府のチャンス。
 中村がクレーベをかわしてスルーパスを上げると、太田が裏へ抜けます。
 落としを荒木が受けてグラウンダーのパスを中央に送ると、逆サイドの宮崎がフリーで受けますがジャストミートせず。

 劣勢のジェフは77分、鳥海、堀米、船山を下げて、岡野、米倉、為田を投入。
 増嶋がCBに回って、右SBに米倉が入る5-4-1になりました。
 その直後、甲府は中村を下げて新井涼平を投入し、 新井涼平がCBに入って山本がボランチに上がりました。


 85分、ジェフはクレーベを下げて川又を投入。
 89分にも甲府の攻撃。
 左サイドからのCKを荒木が蹴ると、メンデスが合わせますが枠の外。

 92分、ジェフは高橋を下げて熊谷を投入。
 試合終盤にも甲府のチャンス。
 ロングスローからGK新井がボールをこぼし、太田が狙いますが下平がカバーして1-0で逃げ切りました。
 

■「綺麗な4-4-2で守ってるけどマークがずれている」

 ここ数戦のジェフは相手が後方3枚で回している状況で、2トップとSHが前に出てプレスをかけることで、自分のペースにしていきました。
 特に左SHアランのプレスが効果的だった印象ですが、それに対して甲府は攻撃時に右CB小柳がサイドに開いて、右SBに近い位置取りをしていきます。
 これによってアランを後方に押し下げ、ジェフは前方のプレスがFWの2枚だけになる展開だったと思います。

 アランがサポートできなくなって、結果的に守備で2トップが孤立します。
 2トップだけでも守備に行ければいいのでしょうが、クレーベと船山はそういったタイプではない。
 そこから甲府は左右に振ることで、ジェフの2トップが揺さぶられます。


 こうして、甲府は後方から中盤にかけてのビルドアップは、比較的楽にボールを運べていたと思います。
 しかし、中盤から前方にかけてのパス回しがうまくいかない。
 ボランチや左CBメンデスのところでは前を向けるのに、そこからボールを繋げないことが多かったと思います。

 ちょうど磐田、東京Vとパスワークが得意なチームと戦ってきただけに、そこからの攻撃力の差がはっきりと感じられました。
 過去2チームに比べて甲府のパス回しは受ける選手の動き出しも少なく、パスの出し手も判断も遅かった。
 それでも攻撃で困ったらドゥドゥなど個人技で打開するというのがいつものパターンだと思うのですが、この日はドゥドゥなどがいなかったのも大きかったと思いますし、最後のパワープレーの方が迫力もあったと思います。


 ジェフとしては遅攻に課題のある甲府に、ボールを持たせて勝てた試合ともいえるでしょう。
 ただ、ジェフも解説の幸谷氏に「綺麗な4-4-2で守ってるけど、結構マークがずれている」、「空いている」と言われていたように、綺麗な組織守備ができていたかというと疑問が残ります。
 これがここ数戦いつも同じパターンで、ボックスで守っている状況ではあるのですが、スペースやコースを消しきれてないんじゃないか、相手を潰しきれていないのではないかと感じるところがあります。

 そこがいまいち、今年のチームを信用しきれないところではないかなと思います。
 4-4-2でボックスの中に簡単に入れさせない、パスワークを自由にさせない守備ができているのならいいのですが、楽にボールを入れられることも多く、相手のミスを待っているようにも感じる。
 それではボックス守備の意味をなさないと思いますし、この課題が解決しないままシーズンが進んでいる印象を受けます。

 試合全体でいえば、4-4-2で守っているけど隙のあるジェフと、それを打開できない甲府とということでJ2らしいレベルの試合になってしまった印象です。
 甲府もここから上に行くには、今日の攻撃では厳しいように思いますね。
 ジェフもそれは同じことがいえ、シーズン終盤らしくチームの課題を強く感じた試合だったように思います。