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鈴木、小田、伊東、大槻、末吉の補強と鳥海、為田、山下、堀米、古川の移籍

 年の瀬に移籍の発表は止まらず、かなりの長文となってしまいましたがご了承ください。
 このまま年末年始も、発表の多いオフとなるのかもしれません。
 しかし、これを追い続けるのはさすがに大変ですので、当ブログでは今日で一区切りとしたいと思います。

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 Twitterでも話したように、近年の移籍報道は信憑性が高く外れの方が少ないくらいですので、鳥海、為田の移籍も覚悟はしていました。
 鈴木大輔、鳥海、為田に関しては、報道時に触れたのでそちらをご覧いただければ。

yukkuriikou.hatenablog.com

 特に鳥海のコメントは、グッとくるものがありますね…。
 J1からのオファーがあれば移籍を考えるのは当然だと思いますし、ジェフがJ1に上がれていないことこそが大きな問題なのだと思います。
 寂しくなりますが、2人にはC大阪で頑張ってほしいと思いますし、ジェフもいつかJ1で鳥海や為田などと対戦したいですね。

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 鹿島からSB小田の加入が発表になりました。
 東福岡高から2017年に鹿島へと入団しますが、まとまった出場機会はなく昨年は町田にレンタル移籍していました。
 町田は過密日程の中でも選手を固定化していたこともあり、右SBとして38試合に出場、スタメンでも34試合に出場しています。

 身長173cmではありますが、攻撃時のCKではヘディングの強さを見せ、粘り強い守備のできるタイプではないかと思います。
 とはいえ、がっちりしたタイプではなく、テクニックもありつつ、対人プレーも期待できる選手かなといったイメージです。
 ただ、ポジショニングや間合いの詰め方などは、まだ粗さも残るところがあるのではないでしょうか。


 町田では逆サイドが奥山ということもあって、攻撃時に前に出ることが多かったと思います。
 運動量もある選手だと思いますが、ぐいぐい仕掛けたりクロスでチャンスを作ったりといった面では、あまり目立たなかった印象です。
 素早く仕掛ける町田のスタイルもあるのかもしれませんが、攻撃面での最後の部分は課題なのかもしれません。

 それでも高校時代は左SBだったそうですし、両足でボールを蹴れて、守備でも今後の成長が期待できるSB。
 足元の基礎技術も、しっかりとしている選手だと思います。
 尹監督はSBに仕掛けをほとんど期待していませんし、好みのタイプではないでしょうか。


 ただ、小田が帰ってくるということは、栃木にレンタル中の溝渕は放出ということでしょうか。
 溝渕も昨年は34に出場し32試合でスタメン、泥臭い守備と鋭い飛び出しで攻守に効いていました。
 運動量も豊富でクロスでもチャンスを作り、右SBだけでなく左SBでも主力として出場し、小田と遜色ない活躍をしたのではないかと思います。

 確かに溝渕はもう26歳で若手とは言い難い一方、小田はまだ22歳で、同程度期待できるのであれば若い方が良いのかもしれませんが、気になるのは小田はレンタルという点。
 岩崎に続いてのレンタル補強ですが、GMが変わったことで若い有望株をレンタルで補強しようという方針に変わったのでしょうか。
 また、溝渕放出となれば、北爪に続いて2人も有力なSBを育成しきれなかったということになり、そこも気になる部分です。
 それでも小田は町田で将来的な可能性を見せていたのは確かだと思いますし、ジェフでもう一皮剥けるのを期待しつつ、来季以降の残留も願いたいところではないかと思います。

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 順番が前後しますが、同じ鹿島から右SB伊東の完全移籍での獲得も決まりました。
 伊東を補強したということは、小田は左SBで計算しているということになるのでしょうか。
 乾も来季のジェフ残留は、厳しい状況なのかもしれませんね。

 伊東も小田と似通ったタイプといったイメージで、守備もしつつクロスも上げられるテクニカルなSBではないでしょうか。
 静学から2012年に鹿島に加入し、一時は大きな期待を担っていた選手だったと思いますし、ジェフ加入は吃驚でした。
 ただ、確固たる武器がなかった印象もある上、ここ数年は怪我にも悩まされている印象です。

 昨年はリーグ戦出場が1度もなく、27歳ということで後がない状況ともいえるのでしょう。
 しかし、左右SBはジェフの補強ポイントでしたし、選手層は薄い状況と言えるのではないかと思います。
 主力候補として、頑張ってほしいところではないでしょうか。 
 
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 山形から完全移籍となった大槻。
 大槻は走れて攻守に戦える選手で、前線でポストにもなれるオールマイティなFWといったイメージです。
 
 大槻を補強したということは、前線からの守備を改善しようという意図なのでしょうか。
 途中出場からの投入でも貢献できると思いますし、使い勝手のいい選手といえるのかもしれません。
 なんとなくイメージは、スピードもある要田にも近いかなといった印象です。


 ただ、爆発的な得点力が期待できるタイプではなく、今年の山形も前線が少し弱いのかなと思っていました。
 当初はシャドーでもプレーしていたヴィニシウスが最終的にブレイクしたからよかったものの、それまでは前線の怖さという点で物足りなさを感じた部分もあったと思います。
 また、31歳という年齢も気になるところで、鈴木GMは30歳の鈴木大輔も含めてあまり年齢構成は気にしていないのでしょうか。

 これで今年の戦力が残れば川又、山下、船山に加えて、大槻、岩崎もFW候補となり、前線は大所帯となります。
 個人的には川又、山下、船山、岩崎で、後は外国人選手を補強するのかと思っていました。
 新型コロナウイルスもあって外国籍選手が補強しづらいというのであれば仕方ないですが、そうでないのであれば若干軸に不安が残る気もします。

 また、これだけ実績豊富なFWが残ると、ソロモンの行方も気になるところで、レンタル移籍などもあり得るのでしょうか。
 本来なら控えではなく主軸候補に走れるFWがほしいところではないかと思うのですが、大槻がそこまで登り詰められるのか注目ですね。
 …と、書いていたのですが、昨日になって次の発表が。

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 これはかなり戦力としても痛手ではないでしょうか。
 尹監督はシーズン終盤にクレーベと船山を起用しており主軸ではなかったのでしょうし、だからこそ退団となったのかもしれません。
 しかし、将来的には鳥海などと共に、クラブを背負って立つ存在になるのではないかと期待していました。

 運動量豊富で守備もして、高さもあり、足元の技術もあるFWだったと思います。
 今年の7ゴールはクレーベに並ぶチームトップの成績ですが、クレーベよりも守備への貢献度が高いことを考えれば大きな記録だと思います。
 さらに、後方からのロングボールに対する空中戦にも強く、ターゲットにもなれていました。


 守備力もあってサイズもあるので、シーズン終盤はプレスを要求されたSHでも起用されたのだと思います。
 言い方を変えると、SHでプレスで貢献できるのが、山下とアランくらいしかいなかったとも言えるのでしょう。
 矢田も賢く守備のできるタイプではありますが、サイズがないだけに圧力という意味では物足りなさが残ります。

 ただ、見方を変えると、前線では高い評価を得られなかったから、SHに回されたという可能性もあるのかもしれません。
 確かにクレーベのような確実な決定力があるわけではないし、船山のような仕掛けがあるわけでもなく、ヘディングも後方からのボールに対しては強いですが、クロスに対して明確な形を持っているわけではないように見えました。
 むしろ決定力の面では課題も感じた1年で、チャンスを外すことも多かったと思います。


 ただ、それでも運動量豊富な守備は堅守において欠かせないのではないかと思っていたのですが、山下をあまり使わないところが正直尹監督に疑問を感じるところでもありました。
 結果的に大槻と入れ替わりということで、何とか穴を埋めたということになるでしょうが、年齢は山下が24歳で大槻は31歳。
 J1クラブに目をつけられたのなら仕方がないですが、残念な気持ちが強いですね。

 今オフにとられたくない選手を考えると、山下、鳥海、見木あたりかなと思っていました。
 田口、新井章太なども欠かせない戦力ですが、さすがにベテラン勢は良いオファーも少ないでしょう。
 山下も1年目なので、移籍はないかなと思っていたのですが、そう甘くはなかったですね。

 15-16オフの大幅入れ替えと比較する声も出ていますが、あの時は関塚監督体制で状況が改善されないと予測したクラブが主導したのではないかと思います。
 しかし、今回はまだ尹監督2年目ですし、クラブ主導なのか選手が出ていきたがっているのか、どっちなのでしょう。
 それによっても、内情は大きく異なる気がしますね。

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 補強の中では、末吉の補強が一番びっくりしました。
 末吉は大阪体育大から、2019年山形に加入した24歳。
 1年目は1試合のみの出場でしたが、今年は31試合に出場しています。

 ただし、FootballLABのデータを見ればわかりますが、スタメンは10試合のみな上、そのうち9試合が第12節まで。
 ようするに、シーズン序盤は主力でしたが、そこからは外された選手ということになります。
 序盤に試合に出場できたからこそ、他にチャンスを求めようとしたのかもしれませんね。


 ただ、個人的には今年のジェフは攻撃面での方向性が明確にできなかったこともあって、末吉がはまるイメージもわきにくいというのが正直なところです。
 右WBでもプレーしていた末吉ですが、どちらかといえば2列目で中寄りでもプレーするシャドー的な役割の方が適した選手ではないでしょうか。
 しかし、ジェフはSHにサイドアタックを求める傾向がある。

 さらに尹監督は大柄な選手が好きなので工藤や寿人ではなく、川又、山下、高橋、ゲリアなどを好んで起用していたのではないかと思っていました。
 しかし、末吉、岩崎など今オフは随分と、小柄なスピード系アタッカーを積極的に補強しています。
 GMが変わってうまく意思疎通ができていればいいのですが、もっとガテン系な方向にシフトしていくのではないかとも思っていました。

 来年で大卒3年目ではありますが、年齢でいえば24歳とそろそろ若手から中堅に差し掛かる段階。
 ジェフの中では比較的若いとはいえ、山下、見木、高橋など同年代のライバルはいるわけですから、彼らと共にポジション争いに食い込んでほしいところではでしょうか。
 山形でもシーズン後半は途中出場から攻撃のアクセントになっていましたし、まずはそこからスタートなのかもしれません。

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 続いて、堀米が山形へレンタル移籍となりました。
 
 レンタルとはいえ年齢も年齢ですし、片道切符でしょうか。
 山形ですから、大槻、末吉とトレード的な意味合いもあるのかもしれません。
 福満が加入して為田、鳥海が移籍するという噂のC大阪との関係といい、鈴木GMはトレード好きなのでしょうか。


 堀米は尹監督のサッカーには、若干合わなかったのかもしれません。
 尹監督はフィジカルを前面に押し出したサッカーでしたし、FWが守備をしないこともあってSHは守備の負担が大きかった。
 堀米はその中で真面目に守備の約束事を応えようとしてしましたが、一歩反応が遅かったり、対人守備で弱さを見せてしまうところがあった。

 また、上記した通り、尹監督はSHに縦への仕掛けを求める傾向にありますが、堀米は右SHで起用されたこともあって、縦への突破は見せられなかった。
 これは久々に堀米がスタメン起用された、松本戦でも話しましたが。
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セットプレーで素晴らしいボールを供給していたのが堀米でしたが、最近ではスタメンから遠ざかっていました。
理由の1つには、やはり守備やスタミナ面などがあるのではないでしょうか。
同じく守備面では課題もある為田もいますが、為田と天秤にかけて堀米の方が外れていたのではないかなと思います。
為田は縦への鋭いドリブルや推進力があるので、攻撃が作れないチームの課題があっても、個人技で突破口を作ってくれる可能性がある。
あるいは、サイドの奥に持ち込んでくれることによって、相手を押し込み、時間を作り、被カウンターを受ける機会をなくす。
そういった効果も期待されて、サイドアタッカーを置きたいという狙いがあったのではないでしょうか。

 為田も守備には課題があって、為田の場合は約束事を守れず自分の判断で潰しにいって、穴を作ってしまう傾向がある。
 どちらも懸命に守備をしようという現れなのかもしれませんが、いずれにせよ守備のセンスはない印象です。
 そのため、為田と堀米は左右に並べられず、どちらかが外れていたところがあったのではないでしょうか。

 しかし、月曜日にアップした今年の振り返りでも話しましたが、今季可能性を感じる得点源は何だったのかと考えると、クレーベの高さでもなく、為田や船山の仕掛けでもなく、一番は堀米のプレースキックだったように思います。
 回数は少なかったものの持ち上がってのチャンスメイクでも、堀米のセンスは際立っていました。
 ジェフの数少ないエキストラキッカーだったと思います。


 個人的にはその堀米をうまくチームに組み込めなかったのは、今年の大きな失敗だったのではないかと思っています。
 もっと言えば、SHにサイドアタック以外の攻撃のパターンを構築できなかったこと。
 これが攻撃がうまくいかなかった一番の要因と言っても過言ではないと思いますし、その中で堀米も埋もれてしまったのではないでしょうか。

 現在の山形はパスサッカーを展開していますし、堀米がうまくチームにはまれば脅威となるかもしれません。
 石丸監督とは愛媛、京都で一緒にやっている間柄なのだそうで、それも関連しての移籍なのかもしれませんね。
 個人的には大きな武器を失うことになるのではないかと思うのですが、攻守に流れの中で噛み合わなかった印象ですので、仕方のないところもあると思います。
 ジェフからすればもったいない移籍といった印象もありますが、山形で頑張ってください。

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 最後に古川のいわきFC移籍が決まりました。

 いわきFCと言えばアンダーアーマーと元湘南の大倉社長がタッグを組んで、精力的に活動しているクラブですので、良い移籍先なのではないでしょうか。
 ただ、古川に関しては2018年にトップ昇格するも出番はなく、昨年からJFLの三重にレンタル移籍するもこちらでも活躍できなかったようですから、トップ昇格の判断が正しかったのか。
 大学経由の方が成長できたのではないか、クラブがトップ昇格者を出したいと強引に進めたのではないか…と悩んでしまうところもあります。

 一方、古川や吉田眞紀人は巻に憧れていた選手で、プレースタイルも近いものを感じる部分がありました。
 クラブがだらしないこともあって、そういった選手たちを筆頭に、選手からクラブの色を築き上げる…という流れも悪くはないのではないかと思ったのですが、2人とも退団になってしまいました。
 やはり方向性などは本来はクラブが作り上げるもので、そう簡単ではないとは思うのですが、ジェフを離れても泥臭いプレースタイルで新チームに貢献してほしいですね。

 なお、契約満了の決まっていた、佐藤優也の熊本移籍も発表になりました。
 熊本はちょうど山本海人の契約満了が発表になっていましたので、入れ替わりとなってしまいますね。
 こちらはJ2昇格目指して、頑張ってほしいと思います。