昨年の宿題というか、心残りだった経営データをまとめておきます。
昨年は過密日程で余裕がなかっただけでなく、私のPCがクラッシュして一部データが破損したこともあって、毎年やっていた経営データを取り上げませんでした。
また、新型コロナウイルスの影響で大きく経営状況が変わる可能性もあり、前年のデータを分析する気にならなかったという理由もあります。
実際、今オフの移籍市場は、安価で獲得できるJ2選手をJ1クラブが補強するケースが目立ち、その流れでジェフからもクレーベ、為田、鳥海が個人昇格してきました。
さらに引退選手も多かった上に、まだJ1やJ2で出来るのではないかと思われる選手が、J3や地域リーグまで降格するケースも多かった。
結果的にクラブ単位というより、リーグ単位でリストラを行ったことになると思います。
ただ、清水など一部を除けば、経営規模の力関係は大きく変わらなかったと思います。
ジェフも引退選手が多く外国人選手も減りましたが、補強もしたし一定数の選手も残った。
ある程度の経営規模縮小はあるのでしょうが、今のところ大幅なダメージとまではいかなかったのかもしれません。
なお、今回取り上げるデータは2020年1月期決算ですので、まだコロナの影響は出ていないことになります。
まず、『営業収入』を見ていきます。
前年比で「広告料収入」が約4000万円減少していますが、「アカデミー関連収入」で約1100万円増加しています。
『営業収入』全体でも約5500万円減少していますが、前年との比較では大きな変化はなかったといえるでしょう。
続いて『営業費用』について。
「アカデミー関連費用」が約2800万円増加、「女子チーム運営経費」が約900万円増加しています。
ただし、上記の通り「アカデミー関連収入」も増えていますので、そこも差し引いて捉えるべきでしょう。
また、 「販売費及び一般管理費」が約2800万円増えています。
以前取り上げたとおり、ここには「代理人手数料」も計上されるようです。
2019年はラリベイ、サリーナス、ロドリゲスなどが退団し、クレーベ、ベラスケス、アランなどを獲得した年ですので、それに関連した強化費用が含まれている可能性があります。
そのため「チーム人件費」が約1億1900万円減少していますが、いわゆる「強化費」がそのまま「チーム人件費」とは言えないところがあり、「強化費」全体で考えると減少したのかどうかはわからないところもあります。
また、この「チーム人件費」にはもう1つのポイントがありますが、それは明日の後編でお話しします。
なお、『営業費用』全体で見ると約5600万円の減少ということで、こちらも大きな変化はなかったと言えるでしょう。
2019年度もクラブの経営規模は大きく変わりませんでしたが、前年も話した通りそれでも近年のJ1は拡大傾向にあるため、J1との差は開いています。
J1平均の「人件費」は約25億円で、J1平均の『営業費用』も約50億円。
ジェフは「人件費」が約11億、『営業費用』が約27億ですから、倍近く規模の差があることになります。
それだけJ1は遠くなっているとも言えますし、ごり押しでは厳しくなっていると捉えることもできるでしょう。
どのような方法かはともかく、お金に頼らず工夫を凝らした強化をして、周囲との違いを作らなければいけないのではないでしょうか。
現状だとその工夫が足りず、力押しでどうにかしようとしている結果、成績も低迷しているということなのかもしれません。