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ジェフ経営情報'20後編 監督解任で特別損失発生

 昨日に続いて、ジェフの経営データを見ていきます。

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 『営業利益』で約1億1600万円、『経常利益』でも約1億2200万円の黒字が出ています。
 しかし、「特別損失」が約1億1000万円も出ているため、最終的な黒字額は大幅に減少しています
 2019年度の決算ですから、この「特別損失」の主要因はエスナイデル監督の途中解任でしょう。


 過去のデータを見ていくと、2016年度にも約1億円の「特別損失」が出ていますが、この年も関塚監督を途中解任。
 2011年度もドワイト監督を途中解任し、約1億3400万円の「特別損失」が出ています。
 2011年の額が多少大きいのは、就任1年目で解任となったドワイト監督の契約が、他より長く残っていたのかもしれません。

 これだけ監督の途中解任は、大きな経済的ダメージになると言えるでしょう。
 昨日も話した通り、29019年度は「チーム人件費」が前年比で約1億1900万円減少していますが、「特別損失」でそれがほぼ相殺されてしまったことになります。
 それによってシーズン中の補強などが出来なくなった可能性もあり、振り返ると2019年の江尻監督代行就任後も、2016年の長谷部監督代行就任後もクラブの支援は少なく、それだけ代行監督に辛い思いをさせたことになります。


 だからこそ、途中解任はしてほしくないわけですが、そのためにも前提となるのは監督の正しい見極め。
 もちろん簡単に解任しないことも大事ですが、ダメな状況なら無理に引き延ばさず、その前のオフで解任する決断力も必要となってくるはずです。
 直近二つの政権を見返すと、関塚監督もエスナイデル監督も無理に3年目へと続投した結果、大きな失敗を犯しています。

 尹監督も今年がちょうど2年目ですから、今年のチーム運営が見極めのポイントとなるはずです。
 今年ダメならば切る勇気も必要だし、逆に今年いい方向に持っていければ、負のスパイラルから脱することもできるかもしれない。
 過去2回は結果的に引っ張り過ぎて長谷部監督も江尻監督も失い、その後にも大きなダメージを残してしまった印象ですから、継続すればいいというものではなく、一度立ち止まって考えることも重要だと思います。

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 最後に貸借対照表に関して。
 『最終利益』では何とか黒字を出していますが、『純資産』は減少しています。
 ただ、この辺りは詳しいデータがないので、何とも言えないところがありますね。

 2020年度からの経営に関しては、新型コロナウイルスの影響で厳しくなる可能性も当然あるでしょう。
 ただ、それは各クラブどころか、他業界も苦労しているところが多いでしょうし、なんとか新たな可能性も模索しつつ頑張ってほしいところだと思います。
 それでもプロスポーツの価値を維持するためには、切磋琢磨してチームの強化などに励むことがベースにあると思いますし、めげずに戦ってほしいところではないでしょうか。
 特にジェフの場合は環境が整いすぎて甘さが生まれていた部分もあると思いますし、むしろこの逆風をうまく使って厳格なチームに生まれ変わってほしいところではないかと思います。