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坂本「オシムさんもよく『人のマネをするな』と言っていました」

 Sportivaにて突然オシム監督に関する連載が掲載されました。
 坂本、望月、小倉コーチ、水本、松本コーチなど、オシム監督に関する話を聞く機会の少なかった方々のインタビューが掲載されたため、新しい情報に期待したのですが、さほど目新しい話はありませんでした。
 今回は復習という意味も込めて、気になるところを引用しながら取り上げていきます。
 長くなったので、今回も前後編で。

 第1回、第2回では、坂本が登場しています。
 坂本は昨年からトップチームのコーチの昇格していますが、今年は小林慶行コーチが新加入して立場はどうなるのでしょう。
 個人的には見込みがあるのであれば、いつかは監督として見てみたい気持ちもあるのですが。

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ジェフにとっては勝利に等しいドロー――メディアはそう伝えた。ところが試合後、ロッカールームではオシムの怒声が響いていた。それは、ジヴコヴィッチのマークに当たった坂本に向けられたものだった。
「お前がクロスを上げさせたから、試合に引き分けたんだ!!」

 オシム監督は1つのプレーや1つのミスを非常に厳しく見ていて、この場面でも失点に直接関わったプレーではなく、1つの前にクロスを上げられた守備を叱責したことになります。
 「1つのミスで優勝を逃すこともある」とも話しており、こういったワンプレーに対する厳しさは今のジェフに欠けているところでしょう。

 また、攻撃的なサッカーを好む監督という印象ですが、この話でも分かるように失点や勝点へのこだわりも強く持っていました。
 単純に負けず嫌いなのでしょうし、理想を求めつつも現実に対して厳しい監督でもあったはずです。
 攻撃的で理想ばかり求める監督はチームが不安定で結果が出ないことも多いですが、オシム監督が数多くの成功を遂げた裏には、妥協を許さず細部まで追求する厳格さがあったのではないでしょうか。

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オシムさんもよく『人のマネをするな』と言っていましたし、お手本にしようとしても、なかなかできることではない。」
(中略)
オシムさんがジェフの監督だった当時、練習内容は毎日違いましたけど、アカデミーの子どもたちには反復練習をさせないと身につかないこともあると感じました。いつまでも、あの頃のオシムさんを追いかけ続けるのはよくない。」

 アカデミーの話は興味深いですね。
 オシム監督は監督を目指すならアカデミーの指導から始めろと言っていたはずですが、坂本も何か得られるものはあったのでしょうか。

 オシム監督の弟子と言われるアマル監督もペトロヴィッチ監督もポポヴィッチ監督も、オシム監督と近いところはあるけれど、それぞれ違うキャラクターを持っています。
 オシム監督を含む成功者から学ぶことは大事だと思いますが、真似をしただけではうまくいかないはず。
 坂本も様々な経験を踏まえた上で、自分なりのスタイルを築き上げて欲しいですね。

 それはチームも同じで、過去から学ぶべきところは学びつつ、新しいサッカーを築き上げなければいけないのだと思います。
 現在のジェフの場合はむしろ過去から学べていないから、同じような失敗を続けてしまっているように思わなくもありません。

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 望月が試合で使われなかったにも関わらず、オシム監督を評価していたのも有名な話。
 現在は昨年J2に昇格したSC相模原の代表となっていますが、考えてみれば望月は以前から俯瞰してものを見れるところがあったのかもしれません。

「技術のある選手はどうしても見せたがるものだけど、技術があるからこそ味方を生かす、グループでプレーする必要があるんだと」

 当時はシンプルにプレーすることの重要性を、オシム監督口酸っぱく話していましたので、懐かしいですね。
 "グループでプレーする"という表現も使っていたのでしょうか。
 コンビネーションが大事だという話は良くしていましたし、当時のチームそのあたりがうまくいっていた部分でもあるのでしょう。

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「これはね、オシムさんのオフの考え方が独特なんですよ(笑)。土曜日に試合をした場合、日曜日は午前中にリカバリーを行ない、月曜日の練習を夕方に設定する。そうしたら24時間以上、空くじゃないですか」

 これも新情報ではなく当時から話題になっていて、名古屋でもストイコビッチ監督が24時間休みを与えたからいいじゃないかと、話していたそうです。
 だから、オシム監督が出所でストイコビッチ監督も真似したのか、西欧や欧州ではよくある言い回しなのかはわかりませんが、休みは与えているという発想のようです。
 とはいえ、過密日程なのは変わらず、それに慣れさせることによって、連戦などでも戦える強さを身に着けようとしていたのでしょう。

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ベストメンバーのスイスに対して、打ち合いの末に4-3で勝利したのだ。
「逆転して勝ったという劇的な展開もそうなんですけど、かなりのメンバーを揃えてきたスイスとアウェーでこれだけの戦いができるんだなって。このサッカーを磨いていけば、世界で通用するんじゃないか、と手応えを掴んだ試合でした」

 こちらは日本代表での試合に関してで、巻もゴールも決めた試合でした。
 この年の夏に行われたアジア杯は選手の動きも悪く、オシム監督への批判も厳しかったですし、私もあまりいい印象はありませんでした。
 その後に行われたこの欧州遠征に関しては可能性も見せていたと思うのですが、この時も賛否両論ありました。
 だからこそ、あの先が見たかったわけですが…。

 現在小倉コーチは横浜FMでスポーティングディレクターとして活躍。
 横浜FMは昼田スカウトなど、元ジェフのスタッフが多く在籍し、J1でも結果を残しています。
 それを考えると、ジェフはどこが問題なのか、組織なのか、親会社なのか、もっと漠然とした雰囲気なのか…悩ましいところがありますね。
 ただ、オシム監督の記事を読んでいくと、やはり厳しさだとか細部にこだわる姿勢などは明らかに足りていないような気がしてしまいます。