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2020シーズンを振り返る 川又堅碁・櫻川ソロモン編

 練習生として、昨年の沖縄キャンプに参加しジェフ入団となった川又。
 ベテランとはいえまだ31歳ですし、J2で27試合出場6ゴールという成績は、川又の実績を考えると物足りなさも残るように思います。

 ただ、チームとして攻撃に課題があったことを考えると、仕方のない部分もあったのかもしれません。
 チームへの貢献という点で考えると、クレーベよりは守備をしていたし、前線のターゲットとして貢献出来ていたと思います。
 クレーベほどの絶対的な高さはないものの、クレーベより前への動きは見せられる選手だと思いますし、プレー内容は悪くなかったと思います。


 ただ、怪我が多く、1年を通して安定したパフォーマンスは見せられなかった。
 2020年9月の京都戦でも右肩を痛めて交代していますが、2019年4月にもゴールポストにぶつかって負傷。
 Numberの記事によると、2019年の負傷により右肩に力が入らない状況が続いていたそうで、京都戦での負傷も前年の影響があったのかもしれません。

number.bunshun.jp

 試合中の負傷は仕方がない部分もあるとはいえ、プロのスポーツ選手ですから体が資本。
 今季はクレーベが退団し代わりとなるCFタイプの外国人選手は補強しなかったわけで、川又の存在がより重要なる可能性があります。
 その川又が怪我がちでフルシーズンは厳しいとなると、チームとしても悩ましい状況になりかねないでしょう。

 ということで、川又に関してはどれだけコンディションが整うのかが何よりも大事だと思います。
 特に川又の場合、プレーの幅が広いタイプではないですし、体をなげうって飛び込む動きが得意な選手。
 その川又が体に不安があるとなると、どうしても持ち味を出しにくい状況となるはずですから、体のケアが非常に重要となってくるのではないでしょうか。


 最後に取り上げるのは、ジェフU-18から昨年昇格した櫻川ソロモン。
 ソロモンはルーキーイヤーとなった昨年、13試合に出場し2ゴールをマーク。
 年齢を考えれば、十分に存在感を見せていたと思います。 

 193cmの高さを生かした空中戦はJ2でも通用していた印象で、後方からのロングボールに対しても競り勝っていました。
 単純な高さだけなら、クレーベにも負けない可能性を感じさせていたと思います。
 ゴール前でも強さを見せていましたし、足元でのシュートも期待できるものがあったと思います。


 ただ、ソロモンが活躍できたのは、試合に出場し始めた当初だけで、徐々に思うようなプレーが出来なくなっていきます。
 単純にプロでのプレーで負担が大きかったのか、スタミナなどに課題があるのか、動きに疲れが見え始めコンディションが悪くなっていった。
 プレーにキレがなくなり、運動量が落ちていった印象です。

 さらに相手チームもソロモン対策を取るようになっていき、空中戦でも前を取ってソロモンより先にボールを触ることによって、ソロモンの強みを出させないようになった。
 これはオーロイ対策も同様で、高さはあるものの敏捷性のないFWなどには、有効な対策なのでしょう。
 さらにソロモン自身、パスを捌く技術、判断には課題があって繫ぎのミスからリズムを失うことも多かったし、守備での貢献度にも問題がありました。


 ゴール前でのポジショニングや落ち着いたプレーなどを見ると、FWとしてのセンスの高さは感じます。
 ただ、粗削りで課題も多いだけに、成績ほど良い1年だったようには見えませんでした。
 シーズン終盤はベンチ入りすらできなかったのも、夏場のターンオーバーが終わってFWが揃うとクレーベ、船山、川又、山下に次ぐ5番手以下に落ちてしまい、異例のターンオーバーがあったからこそ、夏場に出番が回っていたところがあったのではないでしょうか。

 怖いもの知らずの若手がデビュー当初は活躍できても、その後は長らく出場機会すら得られないパターンは意外と珍しくはありません。
 今年はブワニカ啓太というライバルも入ってきましたし、ソロモンもうかうかしてはいられないと思います。
 真面目な選手だと思いますし、しっかりとさぼらず丁寧にプレーをすることを心掛けつつ、体を鍛えて高さだけでなくより動けるCFになってほしいところではないでしょうか。