開幕戦でゴールを決めた高卒新人ブワニカが、愛媛戦でプロ入り後初スタメンを果たしました。
43分には安田からの縦パスを受けて反転し、ロングシュートを放っています。
GK秋元の正面で終わりましたが、可能性は感じるプレーだったと思います。
しかし、シュートはその1本だけ。
それ以外で目立ったプレーはできず、チームとしても追加点を奪えなかった。
全体的に見れば、悔しい初スタメンとなったのではないでしょうか。
ブワニカのスタメンは、開幕戦での船山の怪我もあって回ってきたのか。
あるいは愛媛の最終ラインが高さに弱いと見て、プレスを回避しブワニカに蹴り込んで前へ圧力をかけたかったのか。
いぜれにせよ、川又も負傷中なのではないかと思いますし、前線の選択肢は少ない状況なのではないかと思います。
ただ、それでも個人的にブワニカのスタメン起用にあまり乗り気でなかったのは、甲府戦でのブワニカは途中出場だからこそ光る活躍ができたのではないかと感じていたから。
特にブワニカのように運動量豊富でパワフルに戦えるFWは、相手が疲れた後半途中からのほうが生きるところがあると思います。
一方でスタメンとなると90分間を考えたプレーが必要になるため、どうしてもどこかでセーブしなければいけなくなり、全力で走り続けるのは難しくなる。
特に若いブワニカは開幕戦で結果を残しているし、その自信を維持してプレーしてほしい。
そのためには、今はまだスタメンで起用するのではなく、途中出場から短い時間を全力で戦うべきではないか。
タイプやポジションからしても、そういった使い方のほうがあっているのではないかと個人的には思っていました。
ただ、上記の通り前線の候補が少ない状況だから、ブワニカを使わざるを得なかったのかもしれません。
あるいは尹監督は昨年もターンオーバーを採用していましたし、チームが固まるまではどんどん選手を入れ替えていく傾向があるのかもしれませんし、その方法が一概に悪いともいえないでしょう。
または、愛媛戦はアウェイだったため走り勝つのは難しいと考え、後半途中からではなく前半に勝負を賭けた可能性もあるのかもしれません。
ブワニカ本人の話に戻ると、攻撃面では活躍しきれませんでしたが、守備など目立たない部分では貢献していたと思います。
例えば、相手選手が先に拾えそうなセカンドボールでも、ブワニカは真面目に追いかける。
それによって相手選手が拾った直後に、ブワニカはすぐ守備に行ける位置にいるため、相手の次の攻撃を限定することができていました。
そういった1つ1つの真面目で細かなプレーが重要で、そこが近年のジェフには不足がちだった要素ではないかと思います。
しかし、それを高卒新人に期待するという時点で、チームとしてどうなのか。
そういった地味だけれどゲームを構成する上で必要な動きこそ、中堅やベテランに求められると思うのですが、近年のジェフは一発の武器に秀でた選手が多いこともあって、そこが課題だったように思います
ブワニカはそういった地味な仕事をこなし続けたためマイナス要素は少なかったし、むしろ試合を作る上で貢献していたと思います。
それこそがスタメン出場を果たす選手にとって必要なプレーだと思いますし、結果的に悪くはなかったと言えるのではないでしょうか。
ただし、目立つ活躍は少なかっただけに、新人選手として勢いを持続する・加速する展開にはならなかったとも思います。
あとは、ブワニカに何を求めるかでしょうか。
まだ18歳ではあるもののスタメンとしてそつなく貢献し献身的にプレーする選手として期待するのか、それとも若さを生かしてパワフルなプレーでチームに勢いをもたらすような選手として期待するのか。
まだ開幕したばかりではありますが、ブワニカにとっては大事な時期なのかもしれませんし、起用方法も含めて今後も要注目ですね。