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2戦連続で左SHでスタメンとなった見木のドリブル

 今年選手が入れ替わったジェフの中でも、SHは注目のポジションだと思います。
 昨年を振り返ってもSHの選択で攻撃が変わる一方で、今年は昨年の主力SHの多くが抜けてしまった。
 実際、開幕してからも、SHは入れ替わりが激しくなっています。

 開幕戦では左SHに岩崎、右SHに福満で、第2戦では左SHに見木、右SHに岩崎。
 そして、第3節では左SHに見木、右SHに福満が復帰しました。
 福満は開幕戦での怪我によって第2節を外れた可能性もあるでしょうが、見木がここ2試合スタメンを張っており、ポジション争いを半歩リードしたということかもしれません。


 第2節愛媛戦の78分には、後方からのロングボールに競り合ったところから、船山のスルーパスに反応してサイドを縦に抜け出しています。
 そこからドリブルで仕掛けて中央方向に侵入していき、シュートまで持ち込んでいます。
 しかし、完全に相手を抜き去ったわけではなく、シュートはゴールの左を逸れています。

 これが見木の強みではないでしょうか。
 岩崎や為田のように飛び抜けたスピードがあるわけではないですが、相手にボールを奪われないスルスルと侵入していくドリブルが狙える。
 だから、シンプルにスピードで相手をかわして、縦にえぐってクロスといったプレーは少ないかもしれませんが、その分愛媛戦のように中央に侵入していって、そこからシュートなどを狙うことができる。


 本来尹監督は縦に仕掛けてクロスといった、為田役を左SHに置きたいのかもしれない。
 そのため、開幕戦では岩崎を試したのかもしれませんが、現時点ではうまくはまらず見木を第2節から試しているのかもしれませんね。

yukkuriikou.hatenablog.com

 また、秋田戦での見木は、後半からハーフスペースで間を取る動きも見せていました。
 福満も同様の動きをしていましたし、これはチームとして攻撃がうまくいかなかったこともあって、変化をつけたかったのではないでしょうか。
 結果には結び付きませんでしたが、見木は間で受ける動きに関しても、可能性は見せてくれたと思います。

 ただ、岩崎が途中投入され、FWに移ってからの見木は、あまり目立たなかったと思います。
 尹監督はこれまでにも前線で見木を起用しており、狭いエリアでも効果的な攻撃ができる選手と評価しているのかもしれません。
 しかし、前線となると体を張るプレーも求められ、小柄な見木は苦労するところもあるのではないでしょうか。


 かといって、フリーランでの飛び出しやセカンドボールに反応してボールを拾うようなプレーが得意なタイプでもないですし、オフザボールの質はまだ成長の余地があるのかもしれません。
 チーム状況も考えると、現段階では中盤での起用の方があっているのではないでしょうか。
 見木を前線で起用したのは、岩崎がサイドを縦に独力で突破する展開も期待していたのかもしれません。

 また、尹監督は柿谷、船山、見木など、オールマイティなセカンドストライカーを好むところがあるようにも思います。
 ツインタワーではさすがに極端になってしまうし、かといってクロス攻撃がメインなだけに長身FWは欲しいとなると、そのパートナーは自ずとオールマイティなセカンドストライカーとなるのかもしれませんね。
 ただ、それによって岩崎や寿人など純粋なスピード系FWや工藤のようなトップ下タイプはあまり起用されなかったですし、選択の幅が狭いような気もします。


 秋田戦後、ゴールを決めた輪笠の会見では、このような話が出ていたようです。
www.jleague.jp

後半は千葉が中央突破を図ってきた。対応できたか。
輪笠祐士「そうですね。良いテンポでつながれて危ないシーンもありましたけど、それも分かっていた部分で、全員で守ることができていたので。無失点に抑えられたことは自信につながりました。」

 ジェフが中央突破を図ってきたというよりは、秋田はサイドの守備が非常に硬かった。
 その分ボランチなどは自由に持たせる守備だったため、結果的にジェフが中央攻撃を試される展開になったのだと思います。


 秋田は開幕戦や第2節もサイドの守備が強固でしたし、これが秋田のスタイルなのでしょう。
 現代サッカーでは中央の方が守備が硬いことが多いため、攻撃側はボールを失ってもリスクの少ないサイド攻撃をメインにすることが多い。
 ならばと、秋田は中央の守備は後回しにして、サイドの守備を徹底しているというのであれば、興味深い守り方だと思います。

 その秋田に対して、サイド攻撃に依存してきたジェフは中央攻撃が作れないため、手詰まり感を感じる展開となってしまったのだと思います。
 あくまでも本来は中央攻撃の方がゴールに近く角度もあるためチャンスは作りやすいけれど、中央は警戒されるからサイドを攻めようというのがあるべきプロセスではないかと私は思います。
 しかし、そこを無視してサイド攻撃しか見ていないチーム作りになっていると、今回のようにサイドを警戒されるとどうしようもなくなってしまうのではないでしょうか。


 そのようなチーム状況もあって、見木も活躍しきれてはいないですが、それでも可能性は見せてくれました。
 ただ、そこから確実にブレイクするためには、結果も欲しいところですね。
 見木も個人昇格する力は持っている選手ではないかと思いますが、個人昇格するにしてもジェフでしっかり結果を残してからステップアップしてほしいところ。

 鳥栖に移籍した山下がJ1で結果を残していますが、昨年のジェフではそこまで圧倒的な数字を残していないだけに、モヤモヤとした気持ちが残る部分もあります。
 もっとジェフがうまく使えれば山下も結果を残せたのではないかと思いますし、そうれなればチームの成績も違っていたかもしれません。
 昨年もSHは入れ替わりが多かったので、今年も固定化されるかどうかはわかりませんが、昨年に続いてチーム状況は芳しくない状況ですし、見木や岩崎など若い選手の高いレベルでの争いに希望を見出したいところではないでしょうか。