前節秋田戦でも敗れ、開幕から3戦勝ちなしとなってしまったジェフ。
今年でJ2も12年目となりましたが、開幕3戦で勝ち星なしは2018年と2019年だけ…どころか、開幕2試合で勝てなかったのも今年を含めて3年だけとなります。
2018年の最終順位は14位、2019年に至っては17位に終わっていますから、不穏なスタートとなりました。
もちろん、そうは言ってもまだ3試合ですから十分巻き返せるわけですが、心配なのは結果だけでなく内容も伴っていないこと。
昨年からの課題が変わっておらず、チームに変化も感じない上、勢いもない。
これは関塚監督3年目やエスナイデル監督の2年目、3年目にも、近いものを感じる部分があるのではないでしょうか。
課題がわかっているのに克服できないだけでなく、課題克服のための工夫も感じられないのが残念なところ。
試合内容も昨年序盤から大きく変わっていない印象ですし、長らく改善・向上が感じられなければ、来年以降も期待しづらくなる。
だからこそ、目先の結果ではなく今年1年を通して進歩が見られるかどうかが何よりも重要だと思いますし、ただ漫然と見守っているだけではまずいのではないかと思ってしまいます。
明後日対戦する松本も、ここまで3戦で勝ち星がない状況です。
ただ、松本は土地柄もあって、開幕からアウェイ連戦が続く。
そのため、例年シーズン序盤は苦戦する傾向があります。
今年もここまでCBに負傷者が多く、前節山形戦では本来SBの下川と大卒新人の野々村がスタメンしている状況。
もともとCBの層が薄い印象もありましたが、やりくりに苦労しているようです。
福岡から加入した篠原が怪我から復帰し、前節途中から試合に出場していますので、徐々に改善してくのでしょうか。
松本は長年反町監督が指導していましたが、一昨年のシーズン終了後に監督が交代し布監督が就任。
しかし、そこから低迷したため昨年途中に柴田監督が就任して、シーズン後半に巻き返していきました。
今オフも4バックを試したようですが、結局今年も3‐1‐4‐2で戦っているようで、そちらの方がしっくりくるのではないでしょうか。
プレス時は2トップで追いかけつつも、状況に応じて1枚が下がり5‐4‐1のダイヤのようになるようなことも。
このシステムを可能にしているのが中盤の3枚で、アンカーの佐藤和弘、インサイドの前貴之はうまくバランスを取りつつ左右にスライドできる上、今年はインサイドの新戦力として水戸から安東も復帰。
また、ここ2試合は徳島から加入した表原がインサイドに回って、前がWBに移る組み合わせも実施しています。
攻撃時には2トップが前線に張りだして相手DFラインを押し込んだり、中盤の3枚でギャップを作ったり、WBで左右に広げたりして、バイタルエリアを開ける。
そこでインサイドの2人が受けたり、琉球から加入しFWの一角に入っている河合が下りてきて受けたりといった狙いを見せています。
基本的には守備的なチームではあると思いますが、攻撃時には後方からしっかり繋いで間を突く動きをしています。
ただ、バイタルエリアを取っても、そこから先の崩しの部分がもう1つで、サイドに逃げてしまうことも多い。
セルジーニョも退団してしまいましたし、攻撃陣の打開力、得点力に物足りなさがあるのかもしれません。
だから、表原をインサイドで試したり、河合が下がって受ける展開も増やしているのではないでしょうか。
ここまでの松本は第1節山口戦、第2節京都戦で共にスコアレスドロー、第3節山形戦は1‐1の引き分け。
試合結果を見ても守備は良いものの、攻撃面での課題が感じられます。
河合、表原、外山などキレのある選手はいるので、彼らが思い切って仕掛けられる状況を作ることがまずは大事でしょうか。
一方、ジェフとしては甲府、愛媛、秋田に続いて守備的なチームが相手ですので、引き続き攻撃面が問われる試合となるのかもしれません。
また、3‐1‐4‐2とJ2では珍しいシステムを採っているチームですので、その対策も求められると思います。
守備ではミスマッチをしっかりと警戒し、攻撃には逆にそのミスマッチを突ければ面白いのかもしれません。
まだシーズンも序盤とはいえ、尹監督も2年目ですしズルズルいくと何が起こるかわからない。
秋田戦の失点シーンなども「情けない」と言われても仕方のないやられ方だったと思いますし、しっかりと危機感を持って戦ってほしいですね。