京都戦の67分。
京都の足が止まっていたため、中盤にスペースが出来たところで、小島から鋭い縦パス。
中央寄りに入っていた小田が受けるもトラップしきれず、見木が拾ってスルーパス。
これを前に動き出したブワニカが受けてキープし、サイドに落とすと岩崎がダイレクトでクロス。
ニアに走り込んだ小島が頭で合わせますが、ジャストミートせずシュートは力なく終わります。
その後、こぼれたところを相手選手に拾われて縦に展開され、ウタカが走り込んで最後は福岡に決められてしまいます。
失点する前のシーンではありますが、ジェフの攻撃も悪くなかったと思います。
攻撃のスイッチになった小島のパスや、狭いエリアで通した見木のスルーパスも良かったですが、ブワニカのキープが見事でした。
その後の岩崎のダイレクトクロスも、良かったですね。
開幕戦で途中出場したブワニカですが、その後のゴールは生まれていません。
チームとして攻撃がうまくいっていないこともありますが、なかなかチャンスにすら絡めていない状況と言えるのではないでしょうか。
ただし、プレーのクオリティは決して低くはなく、攻守にチームに貢献している部分があると思います。
開幕戦から運動量豊富で、アグレッシブに前に走っていける選手であることは見えていました。
守備の貢献度も高く、ただ闇雲に走るだけでなく効果的に追い込めているし、球際にも強いためボール奪取もできる。
今までのジェフに欠けていたタイプの選手ですから、それだけでも大きなプラスだと思います。
ただ、開幕戦でゴールを決めたヘディングシュートに関しては、良いボールが上がってきていないこともあって、あまり目立っていない印象です。
後方からのボールに対してはある程度の強さを発揮できた試合もありますが、横からのボールに対してどうか。
さすがにクレーベや山下ほどの絶対的な高さは見せられていないように見えますが、身長もありスピードや球際の強さもある選手ですから、うまくボールに入れる型を身に着けられれば今後武器になっていくのかもしれません。
一方でここ3試合連続でスタメン出場しているのを見て感じたのは、キープ力もある選手なのだなということ。
ボールを持った時の体の使い方がうまく、相手の足が伸びない位置にボールを置くことができる。
ここまでのところ、ボールの捌き方や判断も悪くないですね。
さらに上記したシーンでもそうだったように、ボールを引き出して受けることができる。
これによって、ただ相手のプレッシャーを受けた状況でキープするだけでなく、前に侵入することができています。
この動きが出来ることによって、相手の守備陣を混乱させることが出来るし、攻撃に動きが生まれることにもなります。
この点では同じくキープ力のあったクレーベよりも、期待できる部分があるのではないでしょうか。
ここ数戦、岩崎、見木、福満などを中心にパスワークを展開しているジェフですが、パスサッカーはテクニカルな選手だけでは成立しないことも多い。
特にジェフは後方からの細かなビルドアップは出来ていない状況ですから、前線で起点を作った選手が落とし、その下で2列目の選手たちが絡む展開が望ましいのでしょう。
その点で、動けて体も張れてキープもできるブワニカは、非常に重要な存在となっていると思います。
ただ、チーム全体で考えると、ここから得点を奪えるのか。
結果的にブワニカは得点以外のタスクで奮闘している状況ですし、2列目にも点取り屋はいない組み合わせとなっているわけで、具体的にどう点を取るのかが大きな壁となるかもしれませんね。
新人にしては完成度も高くとても良い選手を補強した印象があるのですが、残念ながらブワニカを補強した稲垣スカウトはジェフを離れてしまった模様です。
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迎えた高校2年生の春。同期の大森博(現・徳島ヴォルティス)を視察すべく練習試合に訪れていた稲垣雄也氏(当時・千葉スカウト。現クラブ・ドラゴンズ柏U-12監督)の目に留まり、Jクラブから注目されるようになった。当時の印象を稲垣氏はこう語る。
稲垣スカウトは、これまでにも高橋や溝渕、本田、杉山などの補強に尽力されてきたはずです。
GMが変わったこともあるのかもしれませんが、ジェフを離れたというのであれば残念ですね。
世代交代がうまくいってこなかったジェフにとって、スカウトは重要な役職なはずですので、新体制でもスカウトの皆さんには頑張ってほしいと思います。
ブワニカは将来的にはJ1昇格もあり得るのでしょうか。
いずれにせよ、将来のことを考えると、ゴールに直結する強みも作り出したいところではないかと思います。
現状だと周囲を助ける仕事が多く、実際にそれでチームが救われている面も大きいと思いますが、まだ若い選手ですし小さくまとまらないためにも、思い切ってプレーしてほしいとも思います。