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中盤のバランス問題もあり5‐1‐2‐2を実行

 試合後にも取り上げましたが、金沢戦では何度か相手ボランチに前を向かれて楔のパスからチャンスを作られてしまいました。
 この日に限らず、ジェフは中盤を横に繋がれるとバランスが崩れ、そこを突かれることが多い印象もあります。


 12分、14分にも、金沢のボランチから縦パスを出されて攻撃を作られていますが、53分にも同様のシーンが。

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 この画像の前に庄司からの縦パスを嶋田が間で受けて、松田に落としています。
 嶋田はそのままサイド裏へ走り、高橋がついていったため、高橋が後方に下がっている状況です。

 図のように、松田は大橋にパスを繋ぐと、大橋は藤村に横パス。
 すると、藤村の前にはぽっかりとスペースがあり、大谷に難なく縦パスを繋ぎます。
 大谷は横にドリブルを仕掛けてシュートを放ちますが、ジェフのDFにあたってゴールとはなりませんでした。

 黒いエリアで示した通り、小島と福満の間が大きく空いていることがわかると思います。
 これは14分のシーンも同じで、相手が中盤で右から中央にパスを繋いでいくと、小島と福満の間が空く傾向を感じました。
 楔のパスは簡単に通されてはまずいはずで、リトリート時の守備に不安を感じるところです。


 現象としては右サイドで繋がれたことによって、中盤がスライドしたので、横方向に隙間が空いてしまったと言えるのでしょう。
 そこに対して、スライドして密集したのだからサイドで潰せなかったことが問題なのか、高橋などがボールサイドに行き過ぎてしまっていることが問題なのか、福満のスライドが遅れていることが問題なのか…などが考えられるでしょうか。
 これらの問題を解決するために福岡など、リトリート時にトップ下が完全に中盤まで下がって4‐5‐1になるチームも時々見かけますが、ジェフは現状だと個人頼りになっている部分が大きいのかなとも思います。

 チームとして何のためにスライドするのかといったところも気になるところで、スライドして人数を集めてサイドで前に出させなければいいのか、それとも潰しきるためのスライドなのか、意思疎通も重要となってくるのでしょう。
 よく言われる「ボールの奪い所」をどこに設定するのかが、最終的には問われるところなのかもしれませんね。
 前にプレスに行けている時はなるべく高い位置で奪うということなのかもしれませんが、これだけ全体のポジションバランスが偏ってはボックスに入ってきた相手をサンドすることもできなくなりますし、瀬戸際での対応が増えてしまうと思います。


 結局、金沢戦でのジェフはこの中盤の修正がうまくいかったこともあって、68分と早い段階で5‐1‐2‐3に変更して中盤を厚くした。
 特にインサイドが前に出ることで、相手のダブルボランチをマークしようとしたのではないでしょうか。
 ただ、右サイド後方に流れた庄司から斜めの楔のパスを出されてチャンスを作られたように、サイド前方にはプレスに行けなくなったし、後方に人数を増やしたことによって全体が押し込まれがちになってしまいました。

 選手を入れ替えて守備固めをしたわけで、もし失点すれば攻め返すのは難しい状況だったかもしれません。
 1点差でしたし失点すれば終わりという言わば片道切符のような状況で、20分以上戦わなければいけないわけですから、リスクも大きい選択だったのではないでしょうか。
 守備固めが安定しているとも言えないと思いますし、早い段階で守備を固めるカードを切らなくて良い状況を作るためにも、やはり普段の戦い方で安定した守備を期待したいところですね。