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高さ対策で3バックも押し込まれる時間も目立ち0-0

 ジェフ対栃木戦、ジェフはまさかの3バックでのスタートでした。
 栃木の高さ対策なのでしょうが、3バックでのスタートは尹監督になって初めてだと思います。
 CFユーリがいる相模原戦も控えていますが、相模原戦でも3バックで戦うのでしょうか。

 その効果ですが、矢野とマッチアップした岡野は奮闘していたと思います。
 ただ、矢野は高さだけではなく、うまさのある選手ですから、完全には止められませんでしたね。
 そこは仕方のないところで、セカンドボールでうまく対応できればというところでしたが、そこでも苦労していたように思います。


 個人的には攻撃面の方が気になりましたが、前が空いたことで右WB米倉が攻撃参加する回数が増えていきました。
 ジェフに復帰して、久々に米倉が輝いた試合だったのではないでしょうか。
 ただ、3バックになった時点で予想は出来ましたが、ここ数戦みられていたパスワークは影を潜めていたと思います。

 全体的に見ると、前半終盤などいい時間帯も作れていたものの、相手のパワーに苦戦する時間の方が長かったと思います。
 相手の決定力やラストパスの質に、救われた部分もあったのではないでしょうか。
 3バックが失敗だったとは思いませんが、システム関係なくもう1つ、壁を越えきれないなという印象です。

■球際で激しい展開もチャンスはなく後半へ

 ジェフは岩崎がベンチスタートで、岡野がスタメン出場。
 左から岡野、チャン、鈴木大輔の3バックによる、3-2‐4‐1になりました。

 栃木は前節負傷交代した佐藤祥が欠場。
 かわりに、C大阪からレンタル移籍中の19歳松本がボランチに入りました。
 ジェフでプレー経験のあるGK岡も、ベンチに入っています。


 立ち上がりから激しいプレーが多く、ファールで試合が頻繁に止まる展開。
 序盤のジェフは栃木のプレスに苦しみ、なかなか前にボールを運べません。
 セカンドボールの回収で栃木の方が押し込んでいきますが、シュートまでは持ち込めず。

 それでも18分、ジェフの攻撃。
 セットプレーの流れから、小田が拾って左サイドからクロス。
 チャンがヘディングで狙いますが、シュートは力なくGKがキャッチ。


 25分、栃木の攻撃。
 GK川田からのロングキック。
 矢野が落として山本が受けてシュートを放ちますが、GK新井の正面。

 30分にはジェフのチャンス。
 サイドチェンジを受けた小田が、山本をかわしてクロス。
 大槻が粘ってシュートを放ちますが、GK川田の正面。


 39分には栃木の攻撃。
 右サイドに流れた西谷から、楔のパスを受けた森が落とします。
 松本がフリーでミドルシュートを放ちますが、GK新井がセーブ。

 30分頃から栃木の運土量が落ちていき、ジェフが攻め込む展開も増えていきます。
 しかし、スコアは動かず0‐0で折り返し。

■後半途中から押し込まれ0‐0で引き分け

 HTで栃木は山本を下げて、大卒新人の松岡を投入。
 後半から栃木の運動量が回復し、ジェフが攻め込めなくなります。
 2トップだけでなくSHがプレスに行くことで、ジェフの3バックを止めていきます。

 47分、栃木の攻撃。
 中盤後方で得たFK。
 距離がありましたが、面矢のキックはGK新井がセーブ。

 58分にも栃木の攻撃。
 左サイドからのCKをGK新井がパンチング。
 こぼれたところを森が拾って狙いますが、バーの上。


 59分、ジェフのチャンス。
 福満からの浮き球のパスを受けた米倉が、面矢と交錯する形で入れ替わり近くへパス。
 見木が繋いで走り込んできた福満が狙いますが、相手DFがブロック。

 72分、栃木の攻撃。
 左サイドからのロングスローの流れから、こぼれたところを小野寺が頭で押し返します。
 最後は森がフリーで狙いますが、ゴールの左。


 徐々に栃木に押し込まれる時間が増えていき、75分にも栃木の攻撃。
 左サイドで得たFK。
 面矢が意表をついて中央のジュニーニョに横パスを繋ぎ、松本が受けてミドルシュートを放ちますが、枠をとらえきれず。

 76分、ジェフは櫻川、岩崎、小林を投入し、大槻、福満、高橋を下げました。
 83分にも、栃木の攻撃。
 松岡が見木と入れ替わり、鈴木大輔もかわしてシュートを放ちますが、米倉にあたってゴールならず。 


 85分、栃木はジュニーニョを下げて特別指定選手の鹿屋体育大FW五十嵐理人が入ります。
 その直後、栃木の決定機。
 鈴木大輔のクリアが弱く森が拾って、岡野もかわしてシュートを放ちますが、シュートはサイドネット。

 その後も栃木はセットプレーやロングスローから攻め込みますが、得点は生まれず。
 試合終盤のジェフはかなり苦しい展開でしたが、何とか0‐0で逃げ切りました。

■密集したパスワークか使ったオープンなサイド攻撃か

 ジェフは3バックで岡野に矢野をあてる形で、栃木のロングボール対策をしたのではないかと思います。
 3バックなら相手CFに1枚がマンマークでついていっても、残りの2枚でカバーできるから穴が出来ることも少ない。
 以前にも話したように、今年のジェフはCBがもう1つな印象もあるので、2枚では対応しきれないという判断もあったのかもしれません。


 また、前節もそうだったように、試合途中から3バックで戦うことも多いジェフですが、かっちりとしたゾーンディフェンスではないから対応できている部分があるのではないでしょうか。
 一昨日も取り上げましたが、ジェフは中盤が選手に食い付く傾向があり、スタートポジションは綺麗な4‐4‐2でもボールが入ってくると人についていくことが多い。
 だから、システムにはあまり依存していないところがあると思います。

 しかし、その分中途半端になる印象もあり、この日も何度か楔のパスを通された。
 解説の佐藤氏が指摘したように、ボランチが食いついた裏のスペースが出来がちで、そこを突かれることが多い。
 これはシステムには関係なく、昨年から改善できない大きな悩みですね。


 攻撃面は右WBの前が空いたことで、米倉が久々に躍動していましたね。
 やはり米倉は細かな仕事を期待するより、スペースを作ってあげてドカンと走らせた方が良さが出るのだと思います。
 また、単純にシステムのミスマッチが生まれたので、WBが空きがちだったのだろうとも思います。

 ただ、後半から栃木も修正してきた印象がありましたし、逆にここ数戦のようなパスワークは生まれなかった。
 最近のジェフは左サイドを中心に岩崎、小田、見木、高橋、福満などが密集して、数的優位を作ってパスを繋いでいく形でした。
 いわば福満がフリーマンで、逆サイドまで流れていった。


 しかし、それが出来るのは4‐4‐2だからこそであって、3バックでは難しい。
 片や密集したパスワークがメイン、片やスペースを使ったオープンなサイド攻撃がメイン。 
 どちらも出来れば理想なのでしょうが、今はまだそんな余裕もないでしょうし、メインをどちらにするのか。

 今回のサイドアタックも明確な意思をもってやれたのならいいと思うのですが、結果的にそうなったでは今後の成長も期待しにくい。
 結局はチームとしての攻撃の方向性やこだわりをどこに求めているのかで、今日のサッカーや3バックの評価も違ってくるのではないかと思います。
 もちろん相手に応じて柔軟に戦うことも大事だとは思いますが、今後のことを考えると攻撃の舵をどちらに向けていくのか気になるところではないでしょうか。