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松田浩監督が就任した新生長崎と3バックに変更した新生ジェフ

 前節岡山戦で今季初の連勝、今季初のホーム勝利、今季初の複数得点を果たしたジェフは、9位に浮上しました。
 第1節甲府戦に1‐1で引き分けて9位になって以降、二桁順位が続いていましたので、第1節終了時点以来の一桁順位となります。
 そんなジェフは、明日アウェイで長崎と対戦します。

 今年の長崎は手倉森監督に代わって吉田監督が就任しましたが、成績が伸びず5月2日の水戸戦後アシスタントコーチに降格。
 神戸、栃木などで指揮を執り、2018年から長崎の育成部長を務めていた松田浩監督が就任することとなりました。
 前々節秋田戦は登録が間に合わず佐藤一樹コーチが代行を務めますが、前節北九州戦で松田監督が指揮を執ると今季初の無失点で1‐0の勝利を収めています。


 そもそもとして、経験の浅い吉田監督の就任には疑問の声も上がっていました。
 確かに手倉森監督にも課題はあったのだろうと思いますが、昨年は3位で終わり今年はJ1からの降格もない状況ですので、普通に行けば昇格有力候補だったはず。
 手倉森監督は4‐4‐2からのサイドアタックなどチームの強みを作り上げていた印象ですが、吉田監督はよりショートパスを繋ごうといった意欲こそ感じたものの明確なビジョンは感じず、チームとして緩い状況になっていたように思います。

 そこにきて監督が交代すると、すぐに松田監督らしい4‐4‐2の3ラインによるゾーンディフェンスが形成されていきました。
 前節対戦した岡山や手倉森監督の4‐4‐2などと比べると、横のラインを大事にした守備をしてくるイメージかなと思います。
 3ラインがコンパクトで、組織的なポジショニングをして前後のギャップを作らないことが重要ということなのかもしれません。


 その守備からボールを奪うと素早く縦に仕掛けていく展開も松田監督らしく、サイド攻撃やロングスプリントが印象的です。
 SBやSHがそのままサイドでプレーすることが多く、流動的な動きではなく縦に鋭く飛び出していく。
 攻守において、上下の運動量が求められることも特徴ではないでしょうか。

 松田監督はどちらかといえば守備的なサッカーと言えるでしょうし、攻撃面は個の能力が求められる部分があると思います。
 栃木時代も元ジェフのパウリーニョやロボ、現柏のクリスティアーノなど外国人選手を活かすのが得意なイメージでしたし、長崎でもルアンやエジガル・ジュニオ、カイオ・セザールなどをうまく使っていくのかなといった兆候が見え始めています。
 ただ、松田監督も8年のブランクがあるしスタイルは明白ですが、どこまで勝ちにこだわったチーム作りが出来るのかといった点では疑問があるのかもしれません。


 一方のジェフも連戦中に3バックに変更して、戦い方がかなり変わったイメージです。
 4バックでは前からのプレスがはめきれず、前に出ていったSHの裏を取られたり、ボランチが食い付き過ぎてスペースを突かれたりと、4‐4‐2での守備が確立出来なかった印象です。
 そのため守備的なサッカーという割には、失点が多い傾向にありました。

 さらに攻撃面でも昨年はアーリークロスが中心で、アバウトな攻撃しか出来なかった。
 今年に入って小林コーチ加入の影響かパスサッカーを目指していきましたが、後方からのビルドアップや最後の崩しまでは作れなかった。
 攻守に課題が残されたまま4バックを諦めて3バックに変更したのではないかと思いますし、戦え方を変えたという意味で新生ジェフとすら言えるのではないでしょうか。


 3バックに変更してからは、後方に人数が増えたことによって、単純にスペースが減った印象です。
 さらに、チャレンジ&カバーの関係が作れるようになったことで、前へ守備で行けるようになりました。
 攻撃面では再びサイドアタックが増えていますが、WBが単独で仕掛けることによって個で打開するという3バックらしい効果も生まれつつあるように思います。

 ただ、昨日説明した通り、中盤から前の守備のはめ方にはまだ課題があるように思います。

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 5-3-2だと相手SBが空くし、3-4-3で左右に繋がれるとプレスに行けなくなって、5‐4‐1状態となり中盤中央が薄くなる。
 このあたりの課題が解決できないと、今後また苦労する可能性が高いのではないかと予想します。


 そして、長崎は前節プレスがはまらず守備では苦しんだ岡山同様に、速い展開とサイド攻撃が特徴のチーム。
 その長崎相手にどうやって守るのか、前節の宿題が求められるのかもしれません。
 岡山戦は4点を奪ったことで勝ち星を挙げられましたが、今後もそれだけの得点力が期待できるのかはわかりませんし、守備では2失点を浴びたことも注目すべきではないでしょうか。

 ここまでは3バックへの変更直後で、まだ相手チームも対応に悩んでいた印象があります。
 しかし、岡山戦で徐々にジェフの3バック対策が見えつつあるようにも感じますので、ここからが勝負となるのかもしれません。
 戦い方を変えれば新たな長所と共に短所も出てくる可能性があると思いますので、そこでどう対応できるかが重要だと思います。