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岩瀬監督を解任し佐々木則夫監督が就任した大宮との試合

 明日ジェフと対戦する大宮が、今週火曜日に岩瀬監督と西脇本部長を解任しました。
 お二人は習志野高校出身の先輩後輩関係で、先週も西脇本部長が「監督交代を考えたことはない」とコメントしていましたし、セットで考えられていたのでしょう。
 しかし、ここ10試合勝ち星なし、降格圏内の20位で、勝点11は最下位相模原と同数では、解任もやむなしといった状況だったのかもしれません。

 今年から大宮の指揮を執っていた岩瀬監督は、浦和や柏の下部組織でコーチとして活躍。
 2018年には柏の監督代行を務め2試合だけ指揮を執り、昨年は大分のコーチも務めていました。
 下部組織などでの評価は高かったようですが、やはり下部組織とトップチームの監督として勝たせるチームを作るのでは、また異なる要素が必要なのかもしれません。


 大宮はSHに小島、黒川といったボランチや中央でもプレーできる選手を起用していたことからもわかるように、パスサッカーを目指していた印象です。
 後方で細かいパスを素早く繋いで、相手の守備のベクトルを外し、前へ侵入していく。
 あるいは、相手を引き付けた上で、裏へパスを展開していく。

 そこから左右SHを中心として、斜め中央方向に繋いでいき、ゴール前に迫っていく展開が特徴的でした。
 ショートパスを繋いで侵入していくことと、縦横だけでなく斜めへのパスワークを重視しているのかなと感じました。
 ショートパスにこだわるサッカーは、下部組織出身の監督らしさも垣間見えたように思います。


 ただ、決定力はもう1つだった上、ショートパスを繋いでいくため、ゴール前が混戦状況になってしまう課題も見受けられました。
 その状況でも確実に崩すまでには至らなかったのかもしれないし、パサータイプの選手が多いため、縦への鋭さやゴール前で必要なパワーなどは足りなかったのかもしれません。
 ある程度理想の形は作れていたと思いますが、そのあたりが攻撃面での課題だったように思います。

 攻撃面以上に悩みを抱えていたのが、守備面だったと思います。
 2列目の選手たちで囲って奪いハーフカウンターという意図は感じ取れましたが、最終ライン付近の守備が甘い。
 ポジショニングもアバウトでしたし、中盤のサポートも少なく、後方の守備がうまくいっていない印象でした。


 さらに、自信も失っていたのか、コンディション問題もあったのか、局面で寄せに行けていなかった。
 前節は相手が最下位の北九州で、2試合無得点の状況だったにもかかわらず、3点も奪われて1‐3で敗北。
 この結果が、決め手になったのかもしれませんね。

 成績などから考えれば監督交代も仕方ない状況だとは思いますが、個人的にはイバ、ハスキッチが同時に在籍するなど、選手構成にも疑問はあったように思います。
 さらに、追い打ちをかけるように、現在は矢島、クリャイッチ、菊地、高山、西村など主力候補の多くが負傷。
 昨年も怪我人がやたらと目立ちコンディショニングにも悩まされていた印象で、クラブとしての体制にもどこか課題があるのでしょうか。


 監督交代に踏み切った大宮ですが、一部データで見るとジェフも大差ないようにも思えます。
 ここまでの大宮は総得点15で12位タイ、総失点20で15位。
 ジェフもここまで総得点15で12位タイ、総失点16で10位。

 前節の3失点もあり、失点こそ4つ離れていますが、得点は同数。
 最終的な成績はジェフが5勝5分敗で勝点20、大宮が2勝5分8敗で勝点11と距離があり、ジェフがうまく勝利に運んでいるとも言えます。
 ただ、データで見ると、この結果も紙一重に思えなくもありません。


 ジェフとしては攻撃時の最終的なアタッキングサードの質も課題ですし、ここ3試合で5失点している守備にもまだ不安があると思います。
 前節対戦したポポヴィッチ監督は左SHに吉尾、右SHに太田と左右を入れ替えた理由に関して、以下のように話しています。
www.zelvia.co.jp

「相手の特徴を踏まえた上で、クロスからの攻撃や相手の背後にボールを入れる攻撃を増やしかったという意図がありました。機能していたと思いますし、悪くなかったと思います」

 吉尾もこのようなコメントを。

「相手のウイークポイントであるクロス攻撃を狙っていましたし、中にドゥドゥ選手というヘディングが強い選手もいたので、自分に求められていたことは、シンプルに左足のクロスを入れることでした。

 これは試合後に書いた予想が、ほぼ当たったことになります。
 実際の試合でもWBの裏を突かれていましたし、クロス対応も含めて課題があると見られているのでしょう。

 大宮は監督交代直後の試合ですから、複雑なことはやれないのではないかと思います。
 シンプルにジェフの強みを消して、弱みを突いてくる可能性がありますから、サイドの守備に関して警戒しなければいけないのではないでしょうか。
 攻撃面ではサウダーニャを中心とした個人技を中心に、潰してくるのかもしれませんね。


 佐々木監督に関しては、女子日本代表の指揮を執り成功を収めたことで有名ですが、W杯で優勝したのも10年前のこと。
 さらに男子チームを指揮するのは、2006年の大宮ユース以来となるそうで、15年も前のことになります。
 今年は女子チームの大宮VENTUSの総監督を務めていたようですし、長崎の松田監督もブランクがありながらも成功しつつあるようですからわからないですが、さすがに男子チームの指揮に関しては期間が空き過ぎているようにも思います。

 どんなサッカーをしてくるのかも予測できないですが、名のある監督であることは間違いないですし、注目される試合となるのではないでしょうか。
 ただ、これだけ怪我人が多い状況ですから、チームを組むのも苦労するかもしれませんね。
 ジェフてしてはそういった相手にもプライドを見せて戦い、下位との差を広げていきたいところだと思います。