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5月を勝ち越して終えたジェフ 新監督就任で3連勝中の山形を迎え撃つ

 前節大宮戦で5月の試合を終え、6月に入りました。
 ジェフは現在好調で、5月の成績は3勝2分1敗。
 今年初めて、月別成績で勝ち越したことになります。

 ここまでの月別成績をまとめて見ました。

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 好転した要因には、3バックに変更したことがあげられると思います。
 4バックで守備バランスが整備できない中、3バックで後方を埋めることにより、ディフェンシブサードで簡単にフリーな選手を作らなくなった。
 さらに、後方が固まったことで、後ろから前へ守備に行けることが多くなりましたね。

 また、チームには勢いを感じ、選手たちのコンディションも良いように思います。
 特にここ数戦は見木、サウダーニャ、岡野などの積極的な前への姿勢が、チームを活性化しているのではないでしょうか。
 若い選手がアグレッシブにプレーして成績も伸びるという状況は、理想的にも思えます。


 ただ、5月に3勝をあげたとはいえ完勝といった試合は少なく、下位チームから勝利し、中位から上位チーム相手には苦戦する傾向もみられます。
 前節もビルドアップで苦戦しましたし、前方のプレス整備なども含めて、細部に関しては課題も残る。
 チームが好調なうちにそれらを改善することが重要ではないかと思うのですが、こういったタイプの監督は細部の課題克服などではなく、ともかく勝てばいいという方針なのかもしれません。

 また、5月に勝ち越したとはいえ、まだトータルでの成績は6勝5敗5分で順位も9位。
 近年はめっきりJ2下位に沈んでいるため、この好成績に慣れていないところがある気もします。
 しかし、上位進出や長期における低迷からの脱出のためにも、この状態をキープすることが重要でしょう。


 日曜日にフクアリで迎え撃つ山形も現在好調で、5月の成績は4勝1敗1分とジェフを上回り現在3連勝中。
 昨年から石丸監督が指揮を執っていた山形ですが、今年は成績が伸びずクラブ史上初めてシーズン中の解任を決定。
 佐藤尽監督代行を経て、クラブ初の外国人監督となるクラモフスキー監督が指揮を執っています。

 昨年監督に就任した石丸監督は、パスサッカーを展開。
 特に斜めのパスワークから、多くの選手が絡んでシュートまで持ち込む展開を作っていたイメージで、昨年は7位と一定の成績を残しました。
 ただ、波が激しかった印象もあり、チームを勝たせるといった点においては足りない部分もあったのかもしれません。


 4月下旬に石丸監督が解任されると、そこから佐藤尽監督代行が4試合指揮を執り、その間の成績は2勝1分1敗。
 その後、新型コロナウィルスの影響で手続きに時間のかかった、クラモフスキー監督が正式に着任。
 そこから3戦全勝と、見事な結果を残しています。

 オーストラリア出身のクラモフスキー監督は、同国の代表チームでポステコグルー監督と仕事をしてきました。
 2018年、ポステコグルー監督の横浜FM監督就任に合わせて、コーチとして来日。
 昨年は清水を監督として率いましたが、結果が残せずに解任されています。


 山形は石丸監督解任後もパスサッカーを展開しており、ポゼッション志向のポステコグルー監督の下でコーチを務めていたクラモフスキー監督はうってつけだったのかもしれません。
 監督・チーム単位ではなくクラブ単位でビジョンが明確になっているからこそ、的確な監督選定が出来ているのではないでしょうか。
 現在のサッカーを見ても石丸監督時代のサッカーをベースにしている印象で、理想的な監督交代だったと言えるのかもしれません。

 ポステコグルー監督が就任した山形は、SBの一角が下がってビルドアップに加わり、逆サイドのSBが前に出て横に広げるなど変化をつけてきます。
 それよりも大きな変化はパスサッカーですが、速いタイミングで鋭いミドルパスを狙ってくること。
 味方が半身でも前に出ていればそこへ強いパスを供給することで、前を取って崩したり、こぼれたところを拾って攻め込んだりといった狙いなのかなと思います。


 そのスタイルで際立つプレーをしているのが、佐藤尽監督代行になってボランチからトップ下に移った山田康太
 広範囲に顔を出すだけでなく、間で受けて前に仕掛けることが出来る。
 そこにボランチに移った南と藤田がパスを供給する形で、チャンスを作っています。

 前節もその山田康太がゴールを決めて2‐0で勝利し、敗れた相模原は監督交代に踏み切っています。
 また、前節途中からエースFWヴィニシウスも怪我から復帰。
 今後はヴィニシウスをどうチームに組み込むのかにも注目です。


 ジェフとしては岡山、長崎、町田、大宮と堅守速攻のチームとの対戦が続いていただけに、久々にポゼッション志向の相手と戦うことになります。
 5月上旬に戦った新潟、山口といったポゼッション志向の相手には、3‐4‐3でハイプレスを決行していきましたが、山口戦でも積極的なプレスをかけて行くのか。
 そこから相手中盤でのパスワークをしっかりと止めることが重要で、カウンターを狙う展開となるでしょうか。

 前節も4‐0で勝利したとはいえ、相手は下位に苦しむ大宮でした。
 次の山形戦はあちらも好調ということで、現現状でのサッカーの真価を見られるのかもしれません。
 ここまでの勢いを本物の実力とするためにも、大事な試合となるのではないでしょうか。