先週、好調な東京V戦に敗れ、久々の敗戦となったジェフ。
次も5連勝中と、絶好調の磐田と対戦します。
前々節引き分けた山形戦から引き続いて、3試合連続で好調なチームとの対戦となります。
厳しい日程と感じなくもないですが、振り返って見ればそれだけ好成績だった5月は、比較的楽な日程だったとも言えるのでしょう。
ここで5月からの日程と、現時点での相手の順位をまとめて見ました。
ジェフは5月途中から6試合負けなしで、一時期よりは確実に良くなっていると思います。
しかし、引き分けも多く、その間の成績は3勝3分。
そして、その勝利した3試合は、山口、岡山、大宮と下位に苦しむチームとの対戦だったことが表でわかると思います。
取りこぼしをしていないことは素晴らしいことですが、一方で中位から上位のチームには勝てていないことにもなります。
後方で引いて守るサッカーなので、相手のミスを待つ形になるため、下位には強いということでしょうか。
しかし、それでは降格はないけれど上位にも行けないでしょうから、それをどう評価するのか。
少なくとも手放しで喜ぶには早いように思います。
あとは今年のノルマをどう考えるかで、個人的にはベースを作れるかどうかだと思っているのですが、その点に関してもまだまだといったところではないでしょうか。
その基礎的なベースが出来つつあり、昇格圏内まで上がってきたのが、明日対戦する磐田ではないでしょうか。
スタートダッシュには失敗しましたが、現在は攻守に安定感を感じるサッカーとなっているように思います。
現在5連勝中ですが、5試合完封勝利はクラブ新記録となるそうです。
攻撃においてはボランチ、CB、WBなどが絡んで、シンプルに素早くパスを回すビルドアップを実施し、ボールを動かそうという意欲を強く感じます。
横だけでなく縦や斜めに積極的につけていき、ワンタッチなども駆使して相手の守備をいなし、前へ運ぶという発想ではないでしょうか。
昨年後半は遠藤に頼っていた部分もあったようにも思いますが、現在はチームとしてボールを動かせているように思います。
そこから高い位置に持ち込んで、スルーパスやクロスを狙っていく。
現在10ゴール中のルキアンは去年よりコンディションが安定している印象で、強さだけでなく裏にも抜けられる選手なので、今のサッカーにあっているように感じます。
ただ、ルキアンだけでなく、山田や大津などシャドーの選手も、ゴールを狙えるチームだと思います。
守備においてはポジションバランスが安定しており、1トップ2シャドーが相手を睨みながら、WBも少し高い位置を取ることによって、押し込まれず相手にプレッシャーをかけられる位置取りをする。
ルキアンが追える状況なら、シャドーがプレスに行き、そこにWBもついていって、サイドの裏はCBがスライドする。
チーム全体として、連動した守備を感じます。
同じ3バックのジェフも、参考になる部分があるのではないでしょうか。
ジェフはビハインドになった東京V戦後半からハイプレスに行こうとしていましたが、追いかけるタイミングが同じなのでかわされやすかったし、何より後方がついてこない。
我武者羅に前方で追いかけているだけで、チームとしてプレスをかけられていない印象があり、そのあたりがチームのベースを作り切れていないように感じる部分です。
ジェフでも時折見られますが、近年の磐田は監督やチームへの不満が多くて、それが悩みの種になっているイメージもあります。
特に一部ネットファンには現状が評価されていない印象もあります。
前任のフベロ監督が5レーン理論などモダンなスタイルを導入しようとしていたからこそ、いわゆる戦術家には好かれていないのでしょうか。
確かに派手なサッカーではないですが、やるべきことはしっかりとやっていると思いますし、意外とそこが出来てないチームも多い。
もともと磐田は堅実なサッカーをするイメージもありますが、そこは時代と共に変わっているということなのか。
前任監督を引きずっても仕方ないですが、意外とそれが起こりがちで、ジェフにもそういった傾向がありましたね。
そこは古いクラブだからこそなのか、自戒の念も込めて気を付けていかなければいけないと思います。
その磐田を一時でも巻き返したのが、クラブのレジェンドである名波監督だったのも、当然の成り行きだったのかもしれません。
そして、現在は一時代を築き上げた鈴木監督と、新型コロナの影響でそういったディスアドバンテージが和らいでいるところもあるのかなとも思います。
ついつい他クラブのことを突っ込んで話してしまいましたが、ジェフも他人事ではない話。
ただ、ジェフはここ数年J2でも下位に沈んでいるだけに、前任の方が良かったとか、監督のイメージ論だけで悪く言うとか、そういったレベルにすらいないのかもしれません。
それ以前の問題を抱えている段階ということでしょうか。
ともかく、まずはジェフもやるべきことをしっかりとやれるかどうか。
同じ3バックと言っても細部は異なるでしょうが、連動した守備やビルドアップなどは基礎的な部分だと思います。
派手ではなくても、そういった部分を改善し向上していくことが、チームのベース作りと言えるのではないでしょうか。
ジェフは好調と言っても、ここ5試合で見ると1勝1敗3分。
特に上位チームには勝てていないわけで、ここから上位に行くためには上を叩けるようにならなければいけないでしょう。
それだけに2位につける好調磐田相手に、どこまでやれるかが見ものですね。