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小田「自分のところから失点してはいけない」

soccermagazine.jp

「自分が鹿島アントラーズ出身ということもあるかもしれませんが、勝ちに対する気持ちは人一倍強いと思っています。自分のところから失点してはいけないという気持ちも強い。勝利に貢献したい、得点したい、アシストしたい気持ちは強いです。2試合連続で失点に絡んでしまったので」

 こちらは先週の土曜日、磐田戦直前にアップされたサカマガの記事です。
 どのクラブ出身なのかはともかく、勝利や結果に対して強いこだわりを持つことは大事なことですね。

 小田は磐田戦までのリーグ戦、山形戦、東京V戦において、2試合連続で失点に絡んでしまっています。
 そのため上記のような話になり、「自分ところからクロスを上げさせないこと」とも話していました。
 しかし、残念ながら結果的には磐田戦でも、小田の前でクロスを上げられ、失点してしまっています。


 振り返ると、山形戦ではドリブルで仕掛けられ左足でシュートを放たれて、中原にJ2初ゴールをマークされています。
 東京V戦ではパライバのラストパスから、小池が小田の裏を取ってヘディングでゴール。
 そして、磐田戦では大津のタメから、鈴木雄斗にクロスをあげられて失点と、すべて異なる形とも言えますね。

 中原に関しては、相手のドリブルからのシュートもうまく、右サイドでボールを持って小田に仕掛けた中原が、あえて左にカットインしていってシュートを放っています。
 縦を警戒していたのか小田が若干遅れたのかなとも思いますが、相手の仕掛けからシュートまでの展開も素早かったですね。
 そもそもPA付近で相手が前を向いた状況での1対1を作られた時点でサイドの選手としては厳しく、以下の通りそこまでの守備に問題があったのではないかという話もしましたが、理想でいえば小田ももう一歩中原につめたい状況だったと言えるでしょうか。

yukkuriikou.hatenablog.com

 続いて、東京V戦においてもブログで話しましたが、パライバが中盤前方中央でフリーになった時点で、ジェフの守備陣は劣勢に立たされたと言っていいでしょう。
 そこからの綺麗なラストパス、小池の飛び出しからの合わせ方もうまく、小田としては山形戦以上に対応の難しい状況だったのではないかと思います。
 結果的に言えばオフサイドラインで小田だけが深く守ってしまっていることにもなりますので、一歩前に出れればオフサイドを取れたかもしれませんが、小池が背後から走り込んでいた状況だっただけに、簡単なものでもないと思います。

 磐田戦に関しては、昨日も話した通り、まず大津のところで鈴木大輔、田口と共に3人で対応に行っていただけに、そこで潰せなかったことがチームとしての課題だと思います。
 その後、鈴木雄斗に対して小田が寄せきれなかったのは残念ですが、鈴木雄斗に落とした大津は右サイドを縦に走り込んでいった。
 下の図で言うと、この後に大津がフリーランを仕掛けた結果、小田が大津に対応して鈴木雄斗への寄せが半歩遅れてしまったわけで、ここも難しい判断だったと思います。

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 小田の今季のプレーを振り返ると、5月上旬は絶好調で1人でもチャンスを作り上げ、岡山戦ではゴールも決めるなど、見事な働きを見せていました。
 ただ、あの頃はコンディションが良かったのではないかとも思いますし、5月中旬からは落ち着いてきてしまったように思います。
 昨年の町田でも安定したプレー振りは感じましたが、どちらかと言えば前方の吉尾の方が目立っていた印象ですし、今が通常のパフォーマンスなのかもしれません。

 また、相手チームも小田対策が出来てきたのではないかと思います。
 3バックにした直後にも話したはずですが、もともと単独でドリブル突破が出来るタイプではないだろうし、わかりやすいクロッサーでもない。
 フィジカルでゴリゴリと前に出ていく選手だけに、相手チームに前のスペースを消されたことで、ここ最近は依然ほどの活躍ではなくなったのではないでしょうか。


 それでも潜在能力は高い選手だと思いますし、サイドにフィジカルの強い選手がいるというのは、現代サッカーにおいて重要なことだと思います。
 また、守備において苦戦しているのは、チームとしての問題も非常に大きいでしょう。
 チームとして後方中央を固める意識が強い守り方ため、どうしてもWBが引いて守らざるを得なくなっている。

 そうなると、相手が前を向いた状況での対応が増えてしまいますから、WBとしてはかなり苦しいと思います。
 ただ、それでも小田がさらに上を目指すためには、もっと対面の選手に寄せられるようにならなければいけないのかもしれません。
 どんなにフィジカルが強くとも相手に寄せきれなければ、かわされて終わるだけとなってしまいます。


 それこそ鹿島の先輩でもある内田篤人は、守備面でも活躍出来るようになって、海外で成功できたのだと思います。
 内田はフィジカルの強い選手ではなかったですが、相手の予測や反応の速さ、最後まで足を止めないことなどによって、粘り強く相手につめていった。
 むしろフィジカルで勝負できないからこそ、細かな対応がうまくなっていった部分もあるのかもしれません。

 小田もフィジカルを武器にしつつも、フィジカルに頼らない賢い守備を身に着けることが大事なのかもしれませんね。
 これは攻撃面でも同じで縦にゴリゴリと行くだけでなく、他の強みが必要なのではないでしょうか。
 現状のチーム状況だとWBはゴール前での守備からチャンスメイクまで、大変なタスクを複数求められている印象もありますが、サイドの選手は1対1が重要ですし、攻守にそこをレベルアップすることが今後の目標となるのかもしれません。