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川崎相手に先制するもPK戦の末、天皇杯3回戦敗退

 J1王者川崎との対戦でしたが、ジェフは善戦したと言えるのではないでしょうか。
 気温も高い中、守備の時間が長い状況でしたが、最後まで集中して戦えていました。
 PK戦まで行った長い試合でしたが、かなりの消耗だったと思いますし、まずはお疲れさまでした。

 ジェフからすると、意外にもいつもと大きく変わらない試合風景だったように思います。
 連戦による川崎の影響もあったのかもしれませんが、ジェフは基本的にJ2でも後方に人数をかけて相手のミスを待つサッカーをしているだけに、大きく違わなかったということなのかもしれません。
 普段から耐えて一発で点を奪うスタイルで、今回も数少ないチャンスを見木がモノにして1点を奪うことが出来ました。

 もちろん、川崎の方がJ2チームよりパスワークの質は高く、プレスも厄介で攻守に連動した動きを感じました。
 その分、ジェフが押し込まれる時間が長く、攻撃でやり返す回数は少なくなっていたと思います。
 しかし、いつもの試合の延長線上ではあったのではないかと思いますし、その分ジェフとしては戸惑いなく戦えたのではないでしょうか。

■川崎が攻めジェフが守るも0-0で折り返し

 ジェフは古巣対決だった新井章太が控えに回って、GK鈴木がスタメン。
 前節負傷した鈴木と小田がメンバー外になり、岡野と末吉が先発。
 ベンチからはブワニカが外れて、高橋、岩崎、ソロモンが復帰しました。

 ACLでの過密日程、選手の海外移籍、代表選出に加え、コロナ陽性者も1名出てしまった川崎は、先週末の清水戦からスタメン3人変更。
 谷口、大島、宮城がベンチに回って、車屋、橘田、遠矢がスタメン。
 ベンチには長谷部が復帰しています。


 想定通り、試合は川崎がボールを持つ展開。
 ジェフはサウダーニャも低く下がって、スペースを埋める守備の試合に。
 キックオフ直後こそ、前に出ていけていましたが、以降は川崎のプレスとパスワークに押し込まれていきます。
 
 9分、川崎の攻撃。
 家長からのパスを橘田がワンタッチで繋ぎ、脇坂がバイタルエリアを持ち上がります。
 レアンドロ・ダミアンが受けると、反転してシュートを放ちますがゴールの左。

 その直後にも川崎の攻撃。
 家長のミドルシュートを川崎が拾って、山根がゴール前へ。
 こぼれたところを遠野が狙いますが、枠の外。


 15分にも川崎の攻撃。
 車屋からパスを受けた遠野が反転して、角度のないエリアからシュート。
 鋭いボールでしたが、枠の外。

 川崎が攻め込む展開が続きましたが、15分にジェフの攻撃。
 安田からのアーリークロス
 見木が山根と競り合い、山根がヘディングしたボールがゴールに入ってオウンゴールかと思われましたが、見木がファールの判定。


 その後、若干試合が落ち着きましたが、36分にも川崎の攻撃。
 中盤でフリーになったシミッチが縦パス。
 前線にいた橘田が落とすと、シミッチが受け直してミドルシュートを放ちますが、ゴールの右。

 その後も、後方に人数を固めて守るジェフ。
 スコアが動かず、前半を折り返しました。

■押し込まれる展開もジェフが1点を先制し延長へ

 後半から川崎は、遠野を下げて長谷川を投入。
 後半も川崎が攻め込む展開が続きます。

 51分、川崎の攻撃。
 サイドチェンジを受けた長谷川が、カットインしていってミドルシュート
 しかし、ゴールの右。


 劣勢だったジェフですが、52分に久々の攻撃から先制。
 左サイドの見木からのパスを受けた船山が落として、見木が角度のないところからシュート。
 これが決まって1‐0に。
 
 失点して勢いの増した川崎は、55分にチャンス。
 長谷川が左サイドから仕掛けていって、中央のダミアンへ。
 ダミアンが落として登里が鋭いボールを供給し、GK鈴木も抜きますが、枠の外。


 57分、川崎が同点ゴール。
 中盤左からスルーパスが出ると小林が後ろから橘田を倒してしまいPK。
 これを家長が決めて1-1。

 68分にも川崎のチャンス。
 シミッチからのサイドチェンジを受けた登里が、グラウンダーのクロス。
 触れば一転といったボールでしたが、ゴール前であわず。


 72分、川崎は脇坂、シミッチを下げて、大島、谷口を投入。
 同時にジェフも末吉、船山、サウダーニャを下げ、矢田、福満、ソロモンを起用。
 福満が左WBに入りました。

 87分、川崎は橘田を下げて宮城を投入し、大島が谷口のダブルボランチ、家長がトップ下で宮城が右SHに入る4‐2‐3‐1になりました。
 95分、川崎はダミアンを下げて知念を投入。
 後半終盤は川崎の足も止まり、ジェフが攻め込みますが、1-1で延長戦に入りました。

■川崎の足が止まるもPK戦でジェフが敗退

 延長に入ってから川崎が再び攻め込みますが、オープンな展開になっていきます。
 92分、ジェフは新井、見木を下げて高橋、岩崎を投入。

 94分、川崎のチャンス。
 左サイドからのCK。
 大島が蹴ると谷口がニアで合わせますが、高橋がクリア。


 97分、川崎は大島が負傷交代し、山村を投入。
 その直後、川崎のCK。
 左サイドから家長が蹴ると、ジェジウが合わせますが、枠の外。

 99分、ジェフは新井一耀を下げて熊谷を投入、右から熊谷、チャン、高橋の3バックになりました。
 102分にはジェフの攻撃。
 田口のアーリークロスからソロモンがヘディングで狙いますが、枠の外で終わり延長後半へ。


 延長後半には、完全に川崎の足が止まります。
 106分、ジェフの攻撃。
 福満のパスを後方から走り込んでいった田口がうけて、ミドルで狙いますがゴールの左。

 11分、ジェフの攻撃。
 左サイドからのCK。
 矢田が蹴ると、ソロモンがニアで合わせますが、枠の外。


 113分、川崎のチャンス。
 左サイドで山根が間を通して、宮城が鋭いクロス。
 谷口が飛び込みますが、合わせきれず。

 115分、川崎の攻撃。
 長谷川からのパスを受けると、山村が仕掛けてシュート。
 しかし、GK鈴木の正面。


 118分にも川崎の攻撃。
 中盤でフリーになった宮城がミドルシュート
 鋭いボールでしたが、バーの上。

 延長終盤は再び川崎が巻き返しましたが、勝ち越し点は取れず。
 PK戦ではソロモン、矢田、福満などが決めるも、岩崎、熊谷が外し、3回戦敗退となってしまいました。

■シャドーの得点がシーズン後半のテーマとなるか

 冒頭でも話したように、まずはジェフの善戦が目立った試合ではないかと思います。
 気温の高い中、大きく足を止めなかったことが大きかったように思います。
 PKは運もあることですから、そこは仕方がないでしょう。

 ジェフの守備は普段と変わらず、システムも5‐4‐1でスタート。
 いつもの試合と同じように、立ち上がりは前への姿勢を見せていきますが、徐々にプレスに行けなくなり、後方で守る展開となっていきました。
 ただ、その時間がいつもより早く、普段は15分、20分と持つのですが、5分くらいで後方で守る展開となってしまいましたね。


 そこは川崎のパスワークだけなく、切り替えの早いプレスに苦労して、押し込まれたところがあったのでしょう。
 川崎も普段通り、相手の間を突くパスワークで、サイドが空いていても、中央の狭いエリアへと繋いで崩しにかかってきました。
 ただ、そこの精度が今日はいつもほどではなかったのかもしれませんし、延長戦に入ってからはより現実的にサイドを狙うようになっていきましたが、そこへのシフトが遅かったようにも思います。

 川崎は4-1-2-3のシステムなので山口などと同様に、2シャドーがダブルボランチを押し下げる。
 さらに、アンカーのシミッチが、1トップのサウダーニャの後方に空いたスペースで展開しようとする。
 加えて両SBも積極的に前に出ていくので、ジェフは後方に押し込まれたところがあるのでしょう。


 逆に川崎目線でいえば、それだけ前に人数をかけるため、パスコースが前に増えるし、ジェフの守備が分散する。
 その分、後方の人数は減るわけですが、そこは少人数でもパスを回せる自信もあるのではないでしょうか。
 さらに守備においても、切り替えで相手に勝ることで、カウンターを受けないという発想なのかもしれません。

 ただ、この日のジェフはサウダーニャもいつになく守備で頑張っており、しっかり戻ってシミッチの前を簡単にはフリーにさせませんでした。
 その分、プレスのスタート地点は低くなりますが、後方の人数が増えるので自陣のスペースは消える。
 そこが1失点で済んだ要因と言えるのでしょう。


 あれだけ攻めこまれたわけですから、失点が1で抑えられたことが、善戦の要因と言えるでしょう。
 それだけ守備がうまくいっていて、選手個々の健闘も目立った試合だったと思います。
 しかし、一方で後方にあれだけゴール前に人数をかけて守れば戦術などもあまり関係ないし、失点は減らせるとも言えるのかもしれません。

 サウダーニャがあそこまで下がってしまえば、当然ゴールは遠くなるわけですから、そこからどう攻撃に移るのか。
 やはりそこが課題ではないかと思いますし、この戦い方を続けるのであれば、行ける時は行くという攻守のメリハリが必要なのかもしれません。
 また、失点が少なくなっているのは好材料ですが、無失点の試合が少ないことも気になるところではありますし、それだけ相手に攻撃の機会を与えすぎているのではないかとも思います。


 川崎に関しては、連戦の影響で少しずつキレがもう1つだったのかなと思います。
 トラップやパス、シュートの精度が少しずつずれていたのではないでしょうか。
 精度の高いパスワークから、狭いエリアや中央でも強引に繋いでいって崩しきる動きが強みなだけに、そこを欠いたことが大きかったのかもしれませんね。

 とはいえ、ジェフとしては、川崎相手にも粘り強く守れたことは自信にもなるのではないでしょうか。
 さらに、1点を取れたことも大きかったのではないかと思います。
 やはり課題は得点面だと思いますし、シャドーがどれだけ点を取れるかが、シーズン後半のテーマなのかもしれませんね。