チャンが甲府戦の91分に、同点ゴールを決めました。
1点ビハインドでなかなかゴールを奪えない展開を続いていましたから、貴重なゴールでしたね。
チャンは今年6月9日に行われた天皇杯大宮戦でプロ初ゴールを決めていますが、リーグ戦ではこれが初めてのゴールとなりました。
甲府戦での得点もセットプレーからで、左サイドのCKを船山が担当しました。
このボールが非常に良く、高く上げて巻いて落とすボールだったこともあり、ファーからゴール前に走り込んでいったチャンの頭に見事に合いました。
チャンも対面の宮崎に競り勝って、ゴールを決めたことになります。
チャンは守備面でも目立つプレーをしていました。
川崎戦でもレアンドロ・ダミアンのポストプレーへの対応で貢献していましたが、前節新潟戦でもロングボールを跳ね返し続けています。
そして、甲府戦でもウィリアン・リアに対して、前に出ていって潰すプレーで活躍していました。
試合前にもお話ししましたが、もともとジェフはポストプレーを潰す守備が得意なイメージがあります。
後方中央を固めて跳ね返す守備が基本ですので、前線中央にボールを集める相手の展開に対しては、対処しやすいところがあるのかもしれません。
鳥海もウタカを相手に活躍していた試合がありましたね。
加えて、現在は3バックにしたことによって、よりCBが前に出やすくなっている。
これがチャンに合っているのではないかと思いますし、チャンに前へ出る守備をさせるために鈴木大輔と新井一耀を左右CBで起用して、2人がカバーするという3バックの組み合わせになっているのかもしれません。
チャンの場合は4バックの時にどう対処するかが、課題なのかなとも思います。
さらに、ここ2試合のジェフは、前線からハイプレスをかけて行っています。
これによって相手のパスの出所を邪魔して、良い状況でロングボールを蹴らせない。
そのためロングボールが弱かったり、精度を欠いていたりすることが多いため、後方で跳ね返しやすいところもあるのでしょう。
それでもチャンは鋭い出足と、激しいタックルを見せており、相手の大事な縦パスを潰していきました。
チームとしても前からプレスをかけて、相手にロングボールを蹴らせて、チャンが跳ね返すという良い循環が出来ていましたね。
また甲府戦の51分にはチャンから相手の裏を突く鋭いロングボールが出て、福満が裏に飛び出しシュートを放つチャンスも作っています。
チャンは攻守に良い部分も見せゴールという結果も残しましたが、一方で残念ながら失点シーンでは須貝をペナルティエリア内で倒してPKを与えてしまっています。
左サイドからのパスワークを止められなかった、チーム全体の守備に対しても問題はあったと思います。
須貝にパスを出した山田陸に対しても熊谷が激しく潰しにいっており、そこでファールを取られてもおかしくなかったのではないかと思いますし、その前から相手のパスワークに翻弄されていたと言えるでしょう。
ただ、プレーを改めて見返すと、チャンは須貝への対応が一歩遅れているにもかかわらず、後ろ足を狩る形でタックルに行ってしまっています。
ペナルティエリア内でのプレーとしては、ちょっと安易だったようにも見えますね。
後方には味方選手もいた状況でしたから、無理に潰しに行くことはなかったように思います。
チャンは前々節山形戦の2失点目でも、相手のパスワークに対して遅れて前に出ていって、その裏を取られてしまっています。
結果的に中途半端に浮いた状況になっていましたし、次を予測して早く前に出ていくか、前に出ていけないのであれば我慢してスペースを消すべきだったのかなと思います。
難しい状況だったのは間違いないですが、そのあたりの細かな判断が課題なのかもしれません。
また、甲府戦では17分にも右サイドで裏を取ったリラに対して、チャンがスライディングで滑ってしまい、リラに切り返されてGKと一対一の場面を作られています。
GK新井が止めてくれたからよかったですが、失点に繋がってもおかしくないシーンでした。
昨年から相手のドリブル対応には、不安を感じる部分もありますね。
前に出ていって潰せる状況では強さを発揮できていますが、受けに回った時の判断や細かな対応に関しては、まだまだ成長すべき点があるのかもしれません。
現状だと相手を潰せているからこそ積極的に前に出ていっているのでしょうが、逆にラフな飛び込みからミスが増えているようにも見えます。
CBは例え10回成功しても1回でも大きなミスがあれば評価の下がるポジションだと思いますし、激しいプレーだけでなく慎重な判断を身に着けていってほしいですね。