長崎戦ではソロモンの活躍が、ジェフの勝利に導いたと言っても過言ではない出来だったと思います。
ジェフはここ3試合勝ち星から遠ざかっており、長崎戦で勝てなければ8月勝利なしの状況でしたから、大事な試合となっていました。
まず13分に貴重な先制ゴールをあげています。
左サイドからのCKを矢田が蹴ると、ゴール前でソロモンがヘディングで合わせてゴール。
矢田のゴールも良かったですが、ソロモンが高さも見せて見事なシュートを決めたシーンでした。
ソロモンはゴールに関して、このように話しています。
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ジェフは身長高い選手が多いですし、セットプレーは武器にしなくちゃいけないと思っていたので、僕が点を取りましたけど、点を取れて良かったなと思っています。
謙虚なコメントですが、ソロモンが競り合った位置はほぼゴール正面。
相手の警戒が厳しい位置で競り勝って放ったシュートで、他に身長の高い選手が多く守備が分散していたとしても難しい状況だったと思います。
ソロモンは190cmと身長の高いFWではありますが、高さだけではヘディングシュートを武器にはしづらいと思います。
サウダーニャも185cmありますが、空中戦で競り合う点においては課題が残り、ヘディングはあまりうまくない印象です。
以前ジェフに所属したオーロイも204cmあり、後方からのロングボールには無類の強さを発揮していましたが、クロスやセットプレー時に頭で合わせるのは苦手で、ゴール数を稼ぐことはできませんでした。
オーロイの例から考えるに、最高到達点の高さは後方からのターゲットとしては武器になるものの、横からのボールなどに対しては単純高さだけではダメだということでしょう。
横からのボールが来た時に、相手の前を取りつつゴール方向にうまく動いてボールを触る、しっかりとミートして力強くシュートを放つことが重要で、そこにはヘディングの技術はもちろん、競り合いの強さや、動き出しの鋭さなども要求されると思います。
もちろん高さがあった方がハイクロスなどに合わせやすいという武器にはなりますが、ハイクロスに対しても動いてうまく合わせることが大事だと思います。
長崎戦でのゴールシーンに関しても、相手はゾーンディフェンスで守っていました。
ソロモンはそのゾーンの間と間を捉えつつ、頭一つ抜け出してゴールを決めています。
間を取るポジショニングもうまかったですが、いくら間を取っても背が低ければ埋もれてしまいますし、高さとうまさの両面が出たのではないでしょうか。
昨年ジェフU-18から昇格したソロモンですが、1年目からヘディングのうまさ・高さを見せていたと思います。
そこに1年たってさらに逞しさも身に着けている印象で、相手との競り合いでも負けていないですね。
この年齢でここまでの強さを発揮できるというのはすごいことではないかと思いますし、選手としての完成度でいえばオナイウの2年目などよりも上ではないかなと思います。
また、長崎戦ではポストプレーでも活躍し、チームの攻撃を活性化していきました。
今までも空中戦でのポストプレーでは貢献していました。
ただ、空中戦だけではプレーの正確さに欠くこともあるし、ボールが落ちてくる間に相手が守備の準備をしてしまう可能性もある。
しかし、長崎戦では足元のポストプレーでも、活躍していきました。
前線で起点になって楔のパスを受け、シンプルに落とすことで2列目の選手などをうまく生かしていきましたね。
ここまでチームとしてサイド攻撃に偏っていただけに、このプレーが大きかったと思います。
ソロモンは縦パスを受ける準備動作として、スッと少しだけ下がってボールを受ける動きをしていました。
これによってパスの出し手もタイミングを合わせやすかったし、相手の守備もかわすことが出来て、プレッシャーを受けずに捌けることが多かった。
こういったポストプレーの受け方にもセンスを感じました。
ただ、これは長崎戦だからうまくいったという部分もあるかもしれません。
長崎はマンマークではなくゾーンディフェンスなので、ソロモンが下がる動きに対して無理には潰しに来なかった。
本来ならそれに合わせてCBがついていき全体のラインもプッシュアップしたかったのかもしれませんが、連戦で動きが鈍いこともあって自由にポストプレーをやらせていましたね。
今後はソロモンもマークや対策が厳しくなっていくかもしれませんから、そうなった時に強さを発揮できるか。
サウダーニャは対策を取られて苦戦していきましたし、そこからが勝負となるのではないでしょうか。
逆に言えば対策を取られても強さを発揮できれば、本物と言えるのでしょうね。
また、ソロモンの場合、スタミナなどにも課題があるのかもしれません。
守備から献身的に動いているからこそ90分間持たない部分もあるのでしょうが、90分間のスタミナだけでなく試合を通してのコンディション管理も大事なところだと思います。
昨年も一時は試合に出ていましたが、徐々に出番がなくなってしまいましたし、今の状態を維持することが重要ですね。
特に尹監督はスパッと戦力を変える傾向がありますし、シーズン終盤までスタメンを争うことがまずは目標となるのではないでしょうか。